卵をゆでた後のゆで汁、どうしていますか?
そのままお湯を捨てるのはもったいないけど、再利用をするのは、衛生的に危険かも……と考える方もいるようです。
そもそもですが、卵の殻、なんとなく口にするのは嫌ですよね。ゆで汁?もっと色々な雑菌が入ってそうな気がしますか?
でも、それらの感覚はほとんど、根拠のない〈イメージ〉に基づく偏見かもしれません。
私たち日本人は綺麗好きな民族と言われていますが、ことのほか食材の衛生面は気になりますよね。
それでいて、お湯など再利用できるものは、できるだけ再利用したい、という節約の気持ちも持っているものです。
そこで気になるゆで卵のゆで汁の衛生面ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
Contents
ゆで卵のゆで汁を再利用するのは危険?
結論から言うと、ゆで卵のゆで汁は衛生上、危険ではありません!
「ああ、よかった!」とホッとされた方も多いのではないでしょうか。
ゆで卵のゆで汁といえば、スープ1食分くらいのお湯を使っていますから、再利用できるに越したことはありません。
それでも、本当に安全だと言い切れるのか?と思った方。
再利用って一体どんな風に使えばいいの?と思った方。
皆さんの疑問に答えるべく、この記事では、卵の殻の安全性からゆで汁の再利用法にいたるまで、しっかりと調べてみました。
ゆでる前の卵の殻は衛生的に安全なの?
まず、ゆで卵のゆで汁の衛生面を心配する方の多くは、「そもそも卵の殻に汚れや雑菌がついていて汚いのではないか」と感じているようです。
決して生産者の方のせいではないのですが、卵の産み落とされる養鶏場が、ニワトリの糞や体臭で何やら臭いイメージがあるからかもしれません。
でも、「卵の殻は汚い」というのは漠然とした〈イメージ〉であって、実際のところはどうなのか、あまり知られていないのではないでしょうか。
私もよく卵を使いますが、卵がどんな風に自分の手元までやってきたのか、そういえば気になりますよね。
そこで、日本の市場に出ている卵の状態について調べてみました。
日本の卵は世界的にも安全なクオリティ!
まず、卵は出荷前に機械で洗浄し、汚れのチェックを行い、紫外線を当てて殺菌処理した上で、出荷されています。
そのため、スーパーに並んでいる卵は衛生上問題なく、安全と考えてよいでしょう。
特に日本の卵は、流通するまでの処理がしっかりしているため、世界的にも安全なクオリティだそうです。
生卵が安心して食べられるのも、衛生管理の優れた日本だからこそなのですね。
卵に菌が付いている可能性は?
どんなに日本の卵が安全でも、卵の菌が付く可能性がゼロではない……と気になる方!
卵の殻に付く菌といえば、一般的にはサルモネラ菌が考えられますが、付いていたとしても、1万個に2.3個の割合だそうです。
ゆで卵の殻にも付いているかも?サルモネラ菌とは?
サルモネラ菌とは、食中毒や下痢症を引き起こす細菌です。ひどい場合では発熱したり、嘔吐や腹痛、数日にわたる下痢が続きます。
大人であれば回復を待つのみですが、小さいお子さんや高齢者の方は重症化しやすいので、気をつけなければいけません。
ただし、サルモネラ菌による食中毒は牛・豚・鶏などの食肉にも起こりうるので、卵だけの問題ではないでしょう。
サルモネラ菌よりも、真夏の暑い日に卵を長時間常温で置きっぱなしにしていた、という方が食中毒の危険があります。
卵による食中毒が気になる方は、保存方法に気をつけるとよいでしょう。
卵の殻が入っていたお湯=サルモネラ菌が危険?
卵の殻にサルモネラ菌がついていたら、危険ではないのか?と心配になる方!
もし、卵の殻にサルモネラ菌が付いていても、75℃以上のお湯で1分以上加熱すると死滅するそうです。
そのため、ゆで卵も、卵の殻の入っていたお湯も、基本的にサルモネラ菌の危険性はなく、安全だと考えられています。
また、ゆで卵を作る場合は、10分〜15分間沸騰したお湯で卵をゆでているため、サルモネラ菌以外の菌でも、殺菌されていると考えて良いでしょう。
ゆで卵のゆで汁は再利用してもいいの?
これまで見てきた通り、ゆで卵のゆで汁は衛生上、何も問題がないため、お湯を再利用することができます!
料理でお湯を再利用する場合は……
・野菜やパスタをゆでる。
卵だけでなく、パスタなどの麺類や野菜をゆでるのに、同じお湯を再利用できると、水道代も節約できて経済的ですよね。
・カレーや煮物など濃い味の料理に使う。
ゆで卵のゆで汁を再利用して、他の料理を作ることもできます。ただし、卵の匂いが気にならないような、カレーや煮物など濃い味の料理をつくると良いでしょう。
ゆで卵のゆで汁をもう一度再利用できる、と知っているだけで、料理の手間が省けたり、水道代の節約になるなど、主婦には嬉しい情報ですね!
ゆで卵のゆで汁の再利用……おすすめは?
安全なのは分かったけど、どうしても、卵のゆで汁を他の料理で再利用する気にならない……という方もいるかもしれません。
ゆで汁の再利用は料理以外で考え、やはり他の料理は何の憂いもない新しいお湯で作りたい、という綺麗好きの方も、日本人には多いと思います。
そこで、どんな方にもおすすめの、卵のゆで汁の再利用方法をご紹介します。
それはズバリ……植物の水やりです!
ゆで卵のゆで汁の再利用として植物の水やりがおすすめな理由!
ゆで卵のゆで汁には卵殻のカルシウムが溶け出しているそうです。カルシウムといえば、大切な栄養素になります。
そのため、カルシウム成分の入った卵のゆで汁を水やりに使うと、植物が栄養を吸収し、成長するための肥料となります!
「ゆで卵のゆで汁がもったいないけど、料理以外で使いたい」という人間と、「栄養素を沢山もらって、すくすく成長していきたい」という植物。お互いのニーズもピッタリと合っていますね。
植物の水やりは、人間にとっても植物にとっても嬉しい、一石二鳥の方法ですので、とてもおすすめです。
お庭のある方や、観葉植物をお育ての方は、ぜひゆで卵のゆで汁を水やりに使ってみてくださいね!(ただし、お湯は冷ましてから使いましょう)
ゆで卵のゆで汁は使える?使えない?お湯の再利用方法とは?のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した事をまとめると……
・ゆで卵のゆで汁は衛生面でも安全!
・購入した卵の殻は消毒済みなので安全!
・食中毒で心配なサルモネラ菌は、卵をゆでる時に死滅する。
・ゆで卵のゆで汁は再利用できる。
・ゆで卵のゆで汁は他の食材をゆでたり、カレーや煮物など濃い味の料理に使える。
・ゆで卵のゆで汁の再利用法は、植物への水やりがおすすめ!
でした。
お湯の再利用は生活の知恵ですよね。
この記事を読んで、安心して卵のゆで汁を使ってみていただけると幸いです。