8月も終わりに近付き、夏休みももう少し。残念がっている学生の皆さんも多いのではないでしょうか。
何を隠そう私自身も、学生時代、1年間の中で一番休みの長い夏休みは楽しみで仕方のないイベントでした。
学校がないために羽目を外して夜更かしすることもしばしば。
休みが明けて学校が終わると「夜遅くまで外出してたら補導されちゃった…」なんて友達の話もあったりなかったり!?
夜遅くまで外出していると警察に補導されてしまうイメージにはあるものの、具体的に何時以降なのか、補導されたらどうなるのか、改めて聞かれると知らない人も多いのではないでしょうか。
自分自身のことはもちろん、年齢を重ねて親になったときに自分の子供を守れるように、しっかり把握しておきましょう。
Contents
16歳以上が補導される時間は?
一般的には、23時〜翌4時です。この時間に保護者の許可なく外出することは禁止されています。
なぜ「一般的に」という前置きがあるかと言うと、16歳〜18歳の深夜外出の制限時間は、都道府県によって異なるからです。
16歳以上の東京や大阪の補導時間は?
都道府県別の青少年育成条例を参考に深夜外出の制限時間をまとめてみました。
ご自身の地域の時間をチェックしてみてください。
深夜外出の制限時間 | 都道府県 |
23時〜翌4時 | 北海道、岩手県、宮城県、山形県、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県、新潟県、石川県、富山県、福井県、京都府、大阪府、奈良県、島根県、愛媛県、香川県、徳島県、福岡県、長崎県、佐賀県、大分県、鹿児島県、宮崎県 |
23時〜翌5時 | 栃木県、滋賀県、兵庫県、岡山県、山口県、熊本県 |
23時〜翌6時 | 愛知県 |
23時〜翌日の日の出時 | 青森県、秋田県、長野県 |
23時〜翌日の日の出前 | 鳥取県 |
23時以降 | 広島県 |
22時〜4時 | 岐阜県、和歌山県、高知県、沖縄県 |
22時〜5時 | 福島県、三重県 |
23時〜翌4時の地域が圧倒的に多いですね。東京都や大阪府、福岡県などの都市部もこの時間帯で決められています。
一方で、青森県、秋田県、長野県、鳥取県のように時間ではなく、日の出時や日の出前という制限もあるんですね。
補導の目的とは!?
補導とは、青少年の非行を防ぐために行っている警察活動のことを指します。
その本質は青少年が犯罪に巻き込まれないように守ることです。
補導の対象は?
補導の対象は、20歳未満の青少年です。
2022年4月1日の法改正にて、成人年齢が20歳から18歳まで引き下げられましたが、補導対象が20歳未満であることには変わりません。
大学生や社会人であろうとも18歳や19歳の方も補導の対象です。
しかし、警視庁が公表しているデータによると、令和4年に補導された人の中で高校生が全体の67.2%を占めており、中学生の20.8%や大学生の0.8%と比べても圧倒的な割合です。
補導される原因には、喫煙や飲酒、他者とのトラブル、不純異性交遊などさまざまありますが、実は高校生の補導原因で1番多いのが深夜はいかいなんです。
高校生のアルバイトや部活動で遅くなる場合は?
高校生の中には、アルバイトをしている方や部活動で遅い時間まで練習をしている方もいますよね。
そうなると、「深夜外出の制限時間は分かったけれど、どうしてもその時間までに帰宅できない」という方もいるはず。
その心配はいりません!
なぜなら、補導された時の環境によって、警察の対応は異なるからです。
例えば、アルバイトや部活動の帰り道では声掛けで終わることが多いですが、ゲームセンターやカラオケなどの娯楽施設にいる場合には補導されてしまう確率が高いそうです。
花火大会やお祭りなどのイベント時には、帰りが遅くなってしまうこともあるかと思います。
警察もその点は理解した上で見回っていますが、長い時間寄り道をしていると補導されてしまうこともありますので気を付けましょう。
つまり補導というのは、その時間での該当年齢にあたる全員が対象と言うわけではないのです。
正当な理由だと判断された場合には、注意の声掛けに留まり、補導にはなりません。
と言っても、夜遅くまで外を出歩くことは危険につながる可能性が高いですので、早く家に帰ることを常に意識することが必要ですね。
深夜以外は補導されない?
上記で示した深夜外出の制限時間でなくでも、平日の昼間にゲームセンターなどで友達同士で遊んでいる場合には声掛けされ、学校の有無は確認されます。
また当然ですが、喫煙や飲酒、ケン力などをしている場合には、時間帯関係なく補導の対象になります。
補導されるとどうなるの!?
まず、名前・学校名・住所・外出先・その目的などを聞かれます。
この時のポイントは、聞かれた質問にはしっかり回答すること。
内容が正当な理由だと判断されれば、「早く帰るんだよ」と注意だけで終わり、スムーズに解放されます。
しかしここで、警察官の質問に回答しなかったり逃げようとすると、警察に行くことになり、ますます帰れなくなってしまいます。
警察官に声をかけられることは普段ないことなので、焦ったり動揺したり逃げ出したくなってしまうかもしれませんが、それはマイナスです。気を付けましょう!
補導されたら学校や保護者に連絡は?
まず、保護者には連絡がいく可能性が高いです。
これは、前述した都道府県別の青少年育成条例にて、「保護者は深夜において、青少年を外出させないように努めなければならない」という旨の記載があり、青少年の保護監督の責任は保護者にあるためです。
そして、学校には基本的に連絡はいきません。
在籍学校には連絡義務がないと基本はされているので、学校にばれてしまうことは少ないようです。
ただ、補導内容や回数によっては、保護者に連絡がなかったり、反対に保護者と同時に学校に連絡がいく場合もあります。
補導されたら前科になるの?
補導されたら前科になるのか、不安に思う方は多いと思います。
ご案内ください!!
結論から言うと、補導は前料にはなりません。
補導は、前科ではなく前歴となり、補導歴という言い方をします。
似た意味で一緒に使用される言葉に、非行歴というものもあります。
こちらは、非行少年として検挙・補導された履歴となり、警察の記録に残ります。
一方、補導歴は不良行為少年に対して補導をした履歴であり、そのデータは警察内で一度保管されますが、満20歳になった時に破棄されます。
また保管データは一般に公開されることはないので学校や企業側が確認することは不可能です。
そのため補導歴が入学試験や就職活動に影響が及ぶことはありません。
16歳でも保護者同伴なら深夜外出OK?
保護者同伴であれば、深夜外出の制限時間であっても補導対象にはなりません。
ただし、保護者には正当な理由や特別な事情がない限りは青少年を深夜にみだりに外出させないよう努力義務が課せられています。
塾の送迎や家庭の事情など、やむを得ない場合もあるかと思いますが、基本的には保護者同伴であっても深夜外出は控えるようにしましょう。
保護者同伴でも入れない施設も!
地域によっても異なりますが、保護者同伴であっても22時以降の立ち入りを禁止しているゲームセンターや、上映終了時間が22時を過ぎるレイトショーは入場できないなどの規制を設けています。
また、24時間営業のコンビニでは、深夜帯に「保護者同伴であっても未成年の入店をお断りしています」といった店内放送を流している店舗もあるようです。
補導されないような工夫も
補導されないためには、深夜外出をしないことが一番ですが、事情によりやむを得ず深夜外出をしなければならない状況が起こるかもしれません。
その際の補導されない工夫点をお伝えします。
①学校の制服を着ない
最近では、登下校時の服装を自由としている学校も増えてきましたが、指定の制服着用を義務付けている学校もまだまだたくさんあります。
毎日着ている制服は着慣れていて、私服に着替えるのが面倒だという気持ちも分かりますが、制服だと一目で学生であることが分かってしまいます。
私服で外出をすることで、声を掛けられる確率を下げることができます。
その際には、なるべく大人っぽい服装を選ぶようにしましょう。
②寄り道しない
帰りが遅くなってしまうと、お腹が空いてしまったり、普段行かない時間帯のお店の雰囲気に魅力を感じてしまったり。
そこで入店してしまうと、他者とのトラブルの原因になってしまう可能性もあります。
トラブルを起こさないようにするには、寄り道をしないことです。
惹き込まれる気持ちをグッと堪えて、まっすぐお家に帰りましょう。
③自然に行動する
補導されてしまうかも…と思い、こそこそしながら歩いているのは、逆に怪しさ全開です。
また、警察官がいるかもとキョロキョロするのも、目立ってしまいます。
あくまで、自然に、堂々といることが重要です。
もし、警察官に声をかけられてしまっても、落ち着いて対応しましょう。
すでにお伝えしているとおり、大切なことは、警察官の質問にしっかり回答することです。
回答しなかったり、逃げてしまうことは絶対にだめです。
16歳以上が補導される時間まとめ
- 16歳〜18歳の補導時間は一般的に23時〜翌4時
- 都道府県によって深夜外出の制限時間は異なる
- アルバイトや部活動などの事情があれば声掛けのみで終わる
- 保護者同伴の正当な理由や特別な事情であれば深夜外出でも補導されない
- 補導されたら、保護者には連絡がいく可能性が高い。学校に連絡がいく可能性は低い
- もし補導されてしまったらしっかり警察官の質問に答える
学生時代は、どうしてもルールが窮屈に感じることもありますが、皆さん自身が安全に生活できるためのルールですので、しっかり守っていきましょうね!
そして、この青少年の深夜外出に対する制限は、青少年である未成年だけでなく、保護者への注意でもあるのです。
子どもを危険から守るために、本人だけでなく保護者含むご家族の努力義務です。
家族みんなで協力し合って、楽しい学生生活を送りましょう!