食品ロス対策に学校でもできることは!?給食を残す本当の理由を解説

暮らしの知恵

「食品ロス」という言葉を聞いたことがありますか?どこかで耳にしたことがあるはず…。

あなたのお子さんは、給食を食べきれていますか?私の子どもたちのように時間内に食べきれなかったり、嫌いなものが多くて残してしまったりする子は多いようですね。

まだ食べられるのに捨てられてしまう事を「食品ロス」と言います。

特に給食の食品ロスは、年間で児童一人あたり約【17kg】ともいわれ、日本の食品ロスの大きな問題のひとつとなっています。

なぜ、食品ロスは起こってしまうのか、どうしたら食品ロスをなくすことができるのでしょうか。

 

世界中では、途上国を中心に貧困と飢餓に苦しむ人が大勢います。どうしたら苦しむ人をなくせるのでしょう。

そこで、この記事では学校の食品ロス対策や給食を残す本当の理由を解説し、食品ロスの現状について考えます。

 

 

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食品ロス対策に学校でもできることは⁉︎

早速ですが、食品ロス対策として学校でできることをまとめてみました!

 

学校でできる食品ロス対策3点

食べ残しの削減(リデュース)

  • 給食支援員による残食調査
  • 残食を減らすことの呼びかけ

食品残渣の有効活用(リサイクル)

  • 登録再生利用業者への持ち込みにによる堆肥化
  • しんぶんコンポストキットを使った堆肥化体験
  • 学校の敷地内に設置した生ごみ処理機による堆肥化

啓発活動(食品ロスを知る)

  • イベントの開催(「学んで・減らそう!食品ロス」、「親子料理教室」)
  • 食品ロス問題啓発教材の作成、配布等

 

他にも、野菜をハートや花型に調理を工夫など給食支援員のアイデアで、学校の食べ残し量が削減されるなど【65%】程度削減されるなどの効果が現れています。

 

学校で食品ロスに取り組む意義

それでは、なぜ学校で食品ロスに取り組む必要があるのか。その意義を確認していきましょいう。

食品廃棄物・食品ロスの削減は「持続可能な開発目標(SDGs)]の目標のひとつです。SDGsの目標に、「つくる責任 つかう責任」という項目があります。この目標には11項目の具体的なターゲットが設立されており、その3番目が以下です。

「2030年までに小売り・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失など生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」

 

また、令和元年10月には食品ロスの削減の推進に関する法律が執行され、地方公共団体が食品ロス削減の施策の策定や実施の責務を有することが定められました。

さらに、学校給食調理施設も、食品廃棄物・食品ロスが発生している施設のひとつです。

国が定めている「食品リサイクル法基本方針」において、学校給食調理施設は、食品関連事業者の取組に準じて食品循環資源の再利用等を促進すべき施設と位置付けられています。

 

 

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給食の「食べ残し」の本当の理由とは?

子どもたちはなぜ給食を残してしまうのか調査した結果です。

 

子どもたちが給食を残す理由の上位トップ3

  1. 嫌いな食べ物があるから
  2. 量が多すぎて食べられない
  3. 給食を食べる時間が短い

参考:日本スポーツ振興センター 平成22年度 児童生徒の食事状況等調査報告書【食生活編】

「嫌いな食べ物があるから」と答えた子どもは61%以上となり、次に多い「量が多すぎる」「時間が短い」と答えた子どもは女子に多いことがわかりました。

また冒頭で書いたように、児童・生徒1人当たりの給食の廃棄は年間約17キロです。

 

図1 児童・生徒1人当たりの年間の食品廃棄物発生量 (平成25年度推計)

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児童・生徒1人当たりの年間の食品廃棄物の発生量は、推計で約17.2kgであることが分かりました。食品廃棄物の種類別に見ると、食べ残しが7.1kg (約41%)と最も多く、次いで調理残さが5.6kg (約33%)となっています。

引用:ダノン健康栄養財団

 

しかし、食べ残す理由の中に子どもなりの様々な悩みがあります。悩みを順番に解説していきます。

 

「野菜料理」「魚料理」が嫌いな子どもが多い

野菜料理はダントツの【85%】、魚料理は【46%】とかなり多かったのに対し、「肉」や「揚げ物」を嫌いと答える子どもは【7%】以下と低いことがわかりました。

現代の子どもは、昔の子どもと比べて洋食を食べ慣れてきているため、野菜を苦手とする子どもは増えてきているようです。

 

子どもによって食べられる量は違う

たくさん食べれる子どももいれば、食べられない子もいます。大人でも小食の人は、普通といわれている量を食べるのはキツイものがあります。

ですから小食の子どもにとって、普通の量を完食することは本当にストレスの多いことでしょう。個人にあった給食の量の調整が必要であることを意味しているのではないでしょうか。

 

給食を食べる時間の平均は15分~20分と意外に短い

以前、「○○の学校の給食時間は15分しかない」といいうツイートが問題になりました。中学校のでの給食時間は15分~20分が多いようです。

給食の準備や片づけ、次の授業の準備などの時間を費やし、給食を食べられる時間は短くなるようです。

大人でもこの時間の長さでは、ゆっくり食べられない人もいるでしょう。子どもたちがこの時間の長さで、よく噛んで食べられているのか、疑問に感じます。

食べる時間の短さは、食べ残しに関係しているのではないでしょうか。

 

 

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給食で食品ロスを削減するために教育でできること

好き嫌いをせずに食べられることも、もちろん大切ですが、子どもが苦手になりがちな野菜料理や魚料理を子ども向けメニューにしていくことも必要です。

また、たくさん食べる子どももいれば小食な子どももいます。小食な子どもに対して普通の量を食べきるように無理強いすることは、その子のストレスになりかねません。

全員に普通の量を固定して食べさせるのではなく、個人の食べられる量に合わせて給食の量を調整すれば、食べ残しは減らせるでしょう。

子どもに量を決めさせることで満足感と責任感が生まれ、食べきろういう気持ちが自然に持てるのだとか。

 

食材が給食になるまでを見学し、命の大切さを学ぶ

調査によると、1週間で飲み残された牛乳の量は、706本分であることがわかりました。学校での飲み残しの多さは、問題となっています。

とある学校の食育の授業では、栄養士が牛を一頭連れてきて、子どもに搾乳体験をさせたり、牛乳は牛の血からつくられていることを説明したりしたそうです。

その結果、牛乳の飲み残しはほとんどなくなったとのこと。このように食べ物はもともとはすべて生き物でした。牛や豚、魚や鶏などの動物、米や野菜などの植物にはそれぞれ命があります。

食材が給食になるまでの過程に興味をもたせ、食事ができることのへの命の大切さを学ばせることは、食品ロスの削減に有効といえます。

 

家庭の食育を見直そう

給食の食品ロスを削減するためには、子どもに完食を無理強いせず、自然と食べ残さない工夫が必要です。

「食材が食卓にのぼるまでの過程を伝える」など、家庭での食育を見直すことで、子どもの給食への意識を変えられ、給食の食品ロス削減にできるかもしれません。

 

 

世界中で深刻化している「食品ロス」

社会問題としてクローズアップされている食品ロス。

文字通り、食べられることなく廃棄されてしまう食品のことであり、これは食べ残しなど一般家庭で捨てられた食料だけでなく、その生産過程で廃棄された食材も含まれます。

 

日本の食品ロスは年々改善の兆しを見せていますが、それでもまだ社会的な課題であることには変わりはありません。

特に、世界的に見れば飢餓に苦しみ命を落とす人も多く、日本の人口が減る一方で、世界の人口はより増加していることが危惧されています。

 

食品ロスの要因はいくつか考えられる

食品ロスの半分は家庭から出ているという調査データがあリます。

家庭から出される生ごみの中には、手つかずの食品が2割もあり、そのうち【4分の1】は賞味期限前にも関わらず捨てられているというのです。

安価であることを理由に買いすぎてしまったり、使い切れなかったりということが、食品ロスの要因のひとつになっています。

また、上記に加えて、日本の食品業界には【3分の1】ルールという習慣があります。

製造されてから賞味期限に至るまでの品質保持期間を3分割して計算し、それぞれの期限を過ぎてしまうと廃棄扱いになってしまいます。

なるべく鮮度のいい食品を消費者の手に届けたいという目的で設けられたと言われていますが、特に日本のは他国と比べて期限が短い、判断が厳しいという指摘があります。

 

SDGsの目標

世界では国連が持続可能な発展を目標に掲げる「SDGs」のひとつに食料問題があり、その中では「世界の食品ロスを半分にする」という目標が掲げられています。

日本では3分の1ルールが緩和しない限り、食品ロス改善への道のりは厳しいようです。

食品ロス問題により真剣に向き合わなければ、日本も世界から厳しい目を向けられるかもしれません。

 

 

各国の食品ロス対策と日本の課題とは

世界中で問題となっている食品ロスや貧困問題。各国では解決にどんな対策をしているのでしょうか?

 

各国での取り組み

  • ドギーバック(アメリカ)

アメリカでは外食での食べ残し食品を持ち帰ることを推奨しているのですが、その際に使用する容器を「ドギーバック」といいます。

  • 食品廃棄の量に対して罰金徴収(フランス)

2016年2月から「食品廃棄禁止法」という、大型スーパーマーケットが、売れ残りや賞味期限切れの食品を廃棄することを禁止し、廃棄量に合わせて罰金が徴収されるという法案があります。余った食品は貧困層へと行き届くようにボランティア団体へ寄付することが義務づけられています。

  • 余剰食品をシェアする連帯冷蔵庫の設置(スペイン)

地域ごとに「連帯冷蔵庫」という、一般家庭や飲食店から出る余剰食品、もしくは賞味期限の近づいた食品をこの冷蔵庫に入れ、貧困者の手へ渡るようにした大型冷蔵庫が設置されました。冷蔵庫の中身はボランティア団体によって定期的にチェックが行われています。

 

このように、まだまだ課題が残されてはいるものの、食品ロスの問題を重く受け止めた外国の行政やボランティア団体は積極的に削減対策に取り組んでいます。

 

日本での課題および現状

海外ではさまざまな対策が取られているのに、日本では目立った取り組みが行われていないのは、気候・衛生面・商習慣・または消費者の意識によって、海外での取り組みをそのまま取り入れることが非常に厳しい現状があります。

今後の日本での食品ロスの解決のためには、これらの問題を克服するためのアイディアが早急に必要とされています。

一方で、日本でも多くの取り組みがあり、身近な問題として個人の食品ロスに対する意識が高まりつつあります。

「食べ残しをしない」「冷蔵庫の中の食材を食べきる」など、私たちがすぐにできる取り組みはたくさんあります。

 

 

食品ロス対策学校でできることは!?給食を残す本当の理由とは!?まとめ

  • 学校での食品ロス対策に、食べ残しの削減(リデュース)、食品残渣の有効活用(リサイクル)啓発活動(食品ロスを知る)活動を行っている。
  • 学校で取り組む意義は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標のひとつ。SDGsの目標に「つくる責任 つかう責任」があり、学校給食・または調理施設は食品循環資源の再利用等を促進すべきと位置付けられている。
  • 給食を残すのは、嫌いな食べ物がある・量が多い・食べる時間がないのが大きな原因になっている。
  • 給食で食品ロスを削減するためには、給食が食品になるまでを見学し、命の大切さを学んだり家庭での食育を見直す取り組みが必要。
  • 世界では深刻化している「食品ロス」日本も例外ではなく家庭からの食品ロスが半分を占めているまた、3分の1ルールという習慣がありこのルールを緩和しないかぎりは食品ロスへ改善への道のりは厳しい模様。
  • 各国の食品ロス対策アメリカ・フランス・スペインなどの国では積極的に削減対策に取り組んでいる。
  • 日本の食品ロス対策には課題も多い。

食品ロスはSDGsでも設定されている世界的な目標ですが、これらを解決するために学校や個人、または地域活動を自分事として取り組む姿勢が大切です。私も記事を書くまでは、人ごとだと思っていた問題です。

今の現状に目を背けずに、まずは始められそうなことから挑戦してみてはいかがでしょうか?

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