定期的に回ってくる回覧板。正直たいした事も書いていないし、めんどくさいだけ。本当に必要なの? って思いませんか。
班長なんて当たった時にはもう大変! 次の回覧板を回さなきゃいけないのに、まだ前のものが帰ってこない! とかよくあります。
中には「お隣さんと口をききたくないから、順番を変えてくれ」なんて言う人もいて、順番がややこしくなっていたり……。
回覧板が回ってくる身としても、次の家が遠くてめんどくさい! と文句のひとつも言いたくなるものです。
新型コロナが騒がれてからというもの、仕事や生活の場でも色々なものが電子化し非接触になる今日この頃。
一部の市町村では回覧板も電子化が進んでいるそうです。
ここでは多くの人がめんどくさいと思っている回覧板の必要性と、今後について考えてみました。
Contents
回覧板めんどくさい、回す意味ってあるの?
回覧板には何が書かれているの?
そもそも回覧板には何が書いてあるのでしょうか。
私は先ほどたいしたこと書いてないし、めんどくさいだけ。なんて言いましたが実は回覧板に助けられたことがあります。
いつも通勤で使っていた橋が工事になって半年間も片道3kmの遠回りをしなければならなかった時、事前に回覧板で告知の紙が回っていたのです。
回覧板はバインダーに配布用の紙が複数枚入っている場合と、見る用に1枚だけしか入っていない時がありますが、その時は1枚しか入っていませんでした。
後になって会社へ交通費を再計算する書類の提出をするためにその紙が必要になったのです。
たまたま我が家が班長だったのでその紙が手元にあって助かりましたが、そうでなければコピーを取るなり写真を撮るなりして残しておかなきゃいけません。
回覧板をしっかり見ていないと、そういった情報も見逃して損をするところでしたね。
回覧板にはそういった工事のお知らせや断水のお知らせなど生活に関わる重要なことから、ごみ収集に関する情報、学校や地域で開催されるお祭りのような身近なことが書かれています。
その他にも献血や苗の販売のようなイベント情報や交番からの防犯に関する注意喚起など様々な情報が盛り込まれています。
皆さんもめんどくさいからといってすぐに次の家へ回したりせずに一度は目を通しておきましょうね。
地域のルール
総務省の統計によると日本には1,724の市町村があるそうです。引っ越しでもしない限りは他の地域の回覧板ルールを知ることはないでしょう。
私の地域では回覧板は月2回、1日と15日に回し始めます。
次の家へ渡す際には玄関のドアノブへ引っ掛けておくのですが、地域によっては「直接手渡し」を義務付けているところもあるようです。
頻度も、多いところでは年間40回以上も回ってくるのだとか。
お住まいの回覧板の頻度と(簡単に)内容を教えてください。 前から頻繁すぎて疲れるほどで、11年度の回覧板の回数をカウントしてみました。年43回で、ちょっと多すぎない?と疑問に思っています。
引用 YAHOO! 知恵袋
私としては手渡しとかめんどくさいし玄関にかけておくかポストに入れておけば良くない? と思うのですが、回覧板が家の外へ置いてあるのは「この家には今人が居ませんよ」と言っているようなものなのだとか。
セキュリティ面から家の外へ置いて欲しくない、という意見もあるのですね。
その他に直接手渡しをする理由としては、高齢者の安否確認のためという理由があります。
特に一人暮らしをされているお年寄りの方は、誰にも知られず倒れてそのまま亡くなってしまっていた……ということも珍しくないでしょう。
普段から回覧板を直接手渡ししていれば、何かあった際にもお互い助け合うことができますよね。
回覧板がめんどくさいと言われる理由
地域によっては自分が次の家へ回した日付を書く欄が設けられているところもあるそうです。
めんどくさいからと回覧板をため込んで早く回さない家に限って、その日付を誤魔化して受け取った日付を書くのだとか。
そのせいで次の家の方が注意される、なんてトラブルもあるようです。
回覧板が回ってきたら、すみやかに内容を確認して次のお宅へ回しましょう。
そうは言ってもすぐに回せる方ばかりではないですよね。
うちは昼間は仕事で家に居ないので、受け取れません!
共働きが一般的になって「日中は家に居ないので受け取れない」とか事情はそれぞれだと思います。
直接手渡しが義務化されているなら、渡す方も渡される方にもそういった細かなストレスが付きまとうでしょう。
回ってくるのが遅ければ、それだけ中の情報も古くなっています。
いっそのことLINEで送ってよ……なんて思ったことはありませんか?
人間関係の希薄な現代では、望まない人付き合いをしなければならないわずらわしさや、不要な外出を強いられる億劫さが回覧板をめんどくさいと感じさせる理由なのでしょう。
回覧板を廃止できない理由とは?
今時は小学生でもタブレットを持っていて会社の会議はほとんどがリモート会議、買い物は電子マネーで財布を持ち歩く必要はなく、インボイスなんて言い出して請求書も電子データでやり取りする時代。
いつまで紙の回覧板を持って、ウロウロしなきゃいけないの? と誰もが一度は思ったことでしょう。
回覧板を廃止できない理由
回覧板を廃止できない理由をいくつか書き出してみました。
理由
- 限られた地域でのみ共有したい情報が書いてあるから
- 地域の人達とのコミュニケーションの機会をつくれるから
- お年寄りの安否確認ができるから
- 誰もがスマホを持っていて電子機器を使いこなせるわけではないから
回覧板で回ってくる情報は、私たちの住んでいる小さな限られた地域の情報がメインです。
同じ市内に住んでいても町が変わればゴミ捨てのルールや不審者情報、近隣小学校の行事予定も変わってくるので、回覧板の内容はかなり変わってくるのではないでしょうか。
私の身の回りでは、回覧板の代わりにグループLINEでゴミステーションの鍵の暗証番号を伝えあっているというのを聞いたことがあります。
市の公式LINEでもごみの分別などの情報発信はしていますが、こういった小さな地域で公式LINEの担当者を作るのはちょっと大変ですよね。
普通のグループLINEの場合はご近所さんに自分の連絡先を知られるのが嫌だ、という意見もあるようです。
回覧板のためだけとわかっていても、LINEを近所の人に知らせる/知られるのは嫌なので、紙で十分です。
引用 YAHOO! 知恵袋
また、電子化のためにアプリやサービスを導入したとしても、すべての人がスマホなどの電子機器を持っていて、使いこなせるとも限りません。
私の祖母はスマホを持っていますが、LINEはできません。
回覧板の受け渡しをすることで、そういった高齢者の安否確認にも繋がるので、回覧板は簡単に廃止できないのです。
回覧板は断れないの?
「仕事などで回覧板を受け取れない」という方は、地域の自治体にその旨を伝えれば回覧板のメンバーから外してもらうことは可能です。
もちろん地域によると思いますので、まずは確認してみましょう。
中には重要な情報もありますので、LINEやアプリでの情報発信の対応をされていないか、重要な連絡のみポスト投函などで対応してもらえないかといった点も確認してみてください。
回覧板も電子化が進んでいる!導入事例
「グループLINEで情報を共有している地域もある」と言いましたがLINEやFacebookなどのSNSを使用する場合は、地域の人に普段のストーリー投稿を見られるとかストーカー行為に悪用されるのではと心配なこともあると思います。
ここでは既に電子回覧板を導入している地域の事例を見ていきましょう。
電子回覧板を使うメリット
電子回覧板とはその名の通り回覧板を電子化したものです。
専用のアプリやサービスを使ってパソコンやスマホから確認できるので様々なメリットが考えられます。
メリット
- 次の家へ渡すために外出する手間が省ける
- 対面ではなく非接触でやり取りできるため安心
- 自宅や外出先でいつでも内容を確認できる
- ペーパーレスになり環境にも優しい
- 過去に投稿された内容を確認できる
- 一斉送信できるので情報が古くなりすぎない
電子回覧板の導入事例
石川県金沢市や富山県富山市では電子回覧板を広く導入するための補助金制度を導入しています。
電子化に切り替える際にかかる費用を支援してもらえるので、自治体としても切り替えに踏み出しやすいのですね。
また富山市では電子回覧板導入に関するアンケートを集計されています。
良い点はもちろん多いのですが、電子化の悪い点として担当者の負担や高齢者の適応が難しいこと、ボリュームのある資料は紙媒体の方が良いなどの意見も挙げられていました。
北海道札幌市では「町内会の電子回覧板導入の手引き」というPDFが公開されています。
少し話がそれますが、私が以前に読んだ北海道が舞台の漫画作品で、土地勘のない主人公が隣人の家へ行ってくると言って山で遭難している話がありました。
北海道はただでさえ広いので回覧板を届けに隣人の家へ行く手間は、私の土地の比ではないのだろうと思います。
この手引きの中では様々な電子回覧板ツールを紹介し、町内会の規模の大きさや役員・会員の年齢層に応じておすすめのツールが紹介されています。
電子回覧板でできること
実際に電子回覧板アプリやサービスを提供しているサイトを見てみると、想像以上に色々な機能が充実していてびっくりしました。
どのサービスでも標準的に備わっている機能としては「メッセージ機能」「アンケート・投票機能」「既読確認機能」「災害対策機能」があります。
「メッセージ機能」は配信された内容への質問や回答が気軽に行え、「アンケート・投票機能」では行事の出欠確認や集計が簡単に行えます。
また「災害対策機能」としては災害時の避難場所の配信や被災者の安否確認がすみやかに行え、「既読確認機能」があれば災害時でなくとも一人暮らしの高齢者の安否確認が行えます。
その他に目を惹く機能としては脳トレになる「ゲーム機能」や「ポイント機能」、「web抽選くじ」や「スタンプラリー」など事務的な機能以外にもユーザーが楽しめるような機能が備わったサービスもありました。
これなら回覧板の確認以外にもこまめにアプリを開いてみたくなっちゃいますね。
回覧板って正直めんどくさい! これからの時代の回覧板を考えてみた まとめ
ここでは回覧板がめんどくさいと思われる理由とそれでも廃止されることがない理由を考察し、既に回覧板の電子化を導入している事例をいくつか紹介しました。
既存の回覧板のデメリットはいくらかありましたが、電子回覧板を導入することで解決できそうです。
ポイント
- 外出する手間がめんどくさい ⇔ スマホがあればどこでも確認できる
- 対面でのやり取り(直接手渡し)がめんどくさい ⇔ 非接触でのやり取りができる
- 後の方の家では情報の鮮度が落ちる ⇔ 一斉送信で同時に共有できる
- 直接手渡しでないと高齢者の安否確認ができない ⇔ 既読確認機能で確認できる
また高齢者には電子機器を使いこなせないのではという懸念点もありましたが、高齢者でもこれからのデジタル社会への適応が必要と考えて、導入を検討している自治体も多いようです。
これからの時代の回覧板は単なる情報共有ツールとしてだけでなく、災害時のお助けツールや地域住民のコミュニケーションツール、娯楽やサービスの配信ツールとして様々な可能性を秘めていそうです。