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スパイスには体にいい?薬として日本に来た身近な健康の味方!!

スパイスが体にいいことを、知っている人は多いでしょう。スパイスやスパイスを使ったものが、1つも無い家があるでしょうか?胡椒、七味唐辛子…今ではなくてはならない調味料です。

それに漢方薬にはスパイスが使われていることが多いのです。

もちろん、薬を美味しくするためではなく、それらのスパイスに、体にいい効果があるから、漢方薬の原料にされているのです。

ですが、全てのスパイスが体に良いとは言い切れません。中には何の効果も無いものもあります。

スパイスはその風味、香り、ピリッとした辛味などを生かして、料理をより美味しくする為のもの。体にもいいのは一石二鳥なのかも知れません。

 

 

スパイスは体にいいので、漢方薬の材料になった

 

江戸時代の漢方薬に含まれるスパイスは、シナモン、サフラン、クローブ、胡椒、生姜が主なものでした。これに、日本に自生する生薬を合わせて配合したものが、漢方薬となりました。

スパイスは、料理に使うものでしょ。それが漢方薬の材料に使われているっていうことは、体にいいってことなの?

 

 

 

風邪に効く漢方薬、葛根湯にはスパイスが入っている?

例えば、皆が知っているでしょう、葛根湯の成分を見てみましょう。

葛根湯エキス

カッコン タイソウ マオウ
シャクヤク ケイヒ
ショウキョウ カンゾウ

 

引用 ツムラ公式ホームページ

  • カッコンは葛根と書き、そのまま葛の根を乾燥させたものです。
  • タイソウはナツメの果実を乾燥させたもの。参鶏湯にも使うそうです。
  • マオウは麻黄と書き、中央アジアに生息する麻黄という植物の茎の部分です。
  • シャクヤクは芍薬の根を乾燥させたものです。
  • ケイヒはベトナムや中国南部にある楠の木科の樹皮を乾燥させたもの。別名、ニッキ、シナモンと呼ばれます。
  • ショウキョウは生姜の根を乾燥させたものです。
  • カンゾウは甘草という豆科の植物の根を乾燥させたものです。

この中にスパイスはありましたか?

シナモンと生姜(ジンジャー)がスパイスね

 

 

そうですね。他は植物から採れるものですが、スパイスとしては使いません。生薬に分類されます。

スパイスとして使わないということは、マズいのかな?

 

 

甘草は、スウェーデンやデンマークでは、お菓子に使われています。その他の生薬は多分、美味しくないと思います。元々、食用ではない植物です。

スパイスは調味料の一種で、料理に香りや辛味、色をつけるために使われる、植物の実や花、蕾、茎、葉、根、樹皮などを指します。

 

肉食の普及とスパイスを使った漢方薬

明治時代になると、肉食が始まり、それと共に多様なスパイスが、輸入されるようになりました。

この頃発売された太田胃散は、お腹の不調によく効く、といわれました。それもそのはず、日本人のお腹は、肉食に慣れていなかったのですから。

太田胃散の成分には、ケイヒ(シナモン)、ウイキョウ(フェンネル)、ニクズク(ナツメグ)、丁字(クローブ)、チンピ、と肉料理によく使われるスパイスが配合されているのです。

スパイスは薬になるのね!いっぱい使おうっと

 

 

漢方薬は、使われるスパイスと生薬の量や割合が決まっていて、たくさん飲めば、よく効くというものではありません。

スパイスを取りすぎると、体に悪いことがあります。詳しくはこちらをご覧下さい。

香辛料は健康に悪い!?!知らないと危険な適正摂取量と副作用を解説

 

ヨーロッパでのスパイスの役割

かつてヨーロッパでは、肉を腐りにくくする為に使われまし。また、匂いのキツイ獣肉や腐りかけた肉の匂いを、スパイスで和らげる為に使われてきました。

私も昔、日本カモシカの赤ワイン漬けを分けてもらったので、焼いて食べたことがありますが、独特の匂いがして、あまり美味しいとは、思えませんでした。

因みに、味は牛肉に似ていました。日本カモシカはウシ科なので、味が似ているのでしょう。

この時、胡椒や生姜を使えば、獣臭さがいくらか誤魔化されたかも知れません。

それが本来のスパイスの使い方よね

 

 

そうですが、昔の日本には肉食の文化が殆どありませんでした。

じゃあ、日本ではスパイスは必要無かったってこと?

 

 

 

日本にスパイスが来たのはいつの時代?

日本に、外国産のスパイスが来た時期は諸説ありますが、奈良時代の頃という説が多いです。この頃、遣唐使が中国から持ち帰ったスパイスが、正倉院の記録にあるからです。

結構古くからあったのね。でも、スパイスを使った料理は思い付かないなぁ

 

 

この時代中国でも、料理よりも薬として使われていたようで、料理にスパイスを使ったものは、みられません。

つまり、日本には、スパイスは最初から、薬として伝わって来たのです。正倉院には、胡椒、クローブ、シナモンが納められた記録があるそうです。

スパイスを使うと美味しいのに、料理に使ってなかったの〜

 

 

この時代には、まだ貿易というほど海外との交易がなかったので、遣唐使が持ち帰ったスパイスはとても貴重なものでした。

当然、庶民の手に入るようなものではなかったのです。

 

スパイスの香りで病魔退散?

スパイスは強い香りを持つものがあります。そこに着目して、利用された時代もありました。

どんなふうに使ってたの?

 

 

 

邪気を祓う薬玉にスパイスで体を守る

平安時代には、5月5日の端午の節供に薬玉に丁字(クローブ)が使われていた記録があります。

薬玉って良いことがあった時に割るやつじゃないの?飾りにも薬玉ってあるよね

 

 

昔の薬玉はその字の如く、薬をいれたものでした。その頃の薬玉は、じゃ香、沈香(じんこう)、丁字(ちょうじ)などのを玉にして錦(にしき)の袋に入れ、菖蒲やヨモギなどを添えて挿し、五色の糸飾りを長く垂れ下げたものと、伝えられています。

邪気を祓うために、この薬玉を柱などに掛けたという記録があります。ここにも、クローブ(丁字)が出てきます。

端午の薬玉を再現したもの

引用 弥生神社|noma

昔の暦では、端午を過ぎると、梅雨の時期になるため、疫病などが流行しやすくなり、それらを払うために薬玉が用いられていたと思われます。

香りで病気の予防をしようというわけね

 

 

 

ヨーロッパでもスパイスの香りで病気を予防

奇しくも、香りで病気を予防しようという考えは、ヨーロッパにもありました。ヨーロッパでは、度々ペストが流行しました。

その頃ペストは障気(病気を引き起こす悪い空気)が原因と考えられ、ペスト医師はクチバシ型のマスクに、スパイスとハーブを入れて、感染予防としていました。

不気味な格好ね、まるでカラスみたい!

 

 

 

 

有名なスパイス!唐辛子は体にいいから広まった?!

唐辛子が日本に伝わると全国に広がりました。

あれ?唐辛子は昔から日本にあったんじゃないの?

 

 

唐辛子は、中国の唐の時代に、日本に伝わってきたので、唐辛子という名前なのです。唐辛子の原産地は南米です。

 

日本で最初に広まったスパイス唐辛子の使い方はしもやけの予防!!

唐辛子は日本でも栽培出来たので、戦国時代から全国に普及しました。しかし、その辛味のせいで毒だと思われたため、食用ではなく足袋に入れて、しもやけの予防に使われました。

変わった使い方だけど、まあ、それも薬の一種ね。

 

 

 

日本のミックススパイス!七味唐辛子の登場

引用 八幡屋礒五郎オンラインショップ

江戸時代になると、鎖国はしていたものの、オランダとの貿易は続いていました。そして漢方薬を食事に取り入れて、普段から薬効を得ようという考えから出来たのが、七味唐辛子です。

当時は、寺社の前に店を構え、参拝の帰りに、薬効がある、ありがたいお土産として重宝されました。

七味唐辛子も薬として作られたのね、でもこれでやっと民衆にスパイスが広がったね

 

 

七味唐辛子は、当時一般的だった蕎麦に、合うということで、人気が高まりました。この、七味唐辛子と蕎麦の組み合わせは偶然、風邪の予防にピッタリでした。

蕎麦にはルチンという成分があり、身体の火照りを抑える効果があり、唐辛子にはカプサイシンという成分が新陳代謝を促進して、発熱を発汗させて解消する、というわけです。

 

七味唐辛子はどんな効能があったの?

三大七味と呼ばれる3軒の七味唐辛子の中身を見てみましょう。

やげん堀 七味屋本舗 八幡屋礒五郎
唐辛子 唐辛子 唐辛子
焼き唐辛子 青紫蘇 紫蘇
山椒 山椒 山椒
陳皮 陳皮 陳皮
黒胡麻 黒胡麻 胡麻
麻の実 白胡麻 生姜
芥子の実 麻の実 麻種
青海苔
  • 唐辛子…食欲増進、新陳代謝促進
  • 山椒…健胃、整腸、解毒、利尿、消炎効果
  • 陳皮…健胃、食欲増進、吐き気
  • 胡麻…滋養強壮、便秘、解毒、炎症
  • 生姜…発汗作用、血行改善
  • …食欲増進、皮膚炎予防
  • 芥子…貧血予防
  • 紫蘇…食欲増進、利尿作用
  • 海苔…貧血予防

スパイスだけでなく、生薬も混ざっているけど、体にいいものばかりね!よく考えられているね

 

 

 

世界のミックススパイス

 

日本で七味唐辛子のような、ミックススパイスが誕生したように、世界中に独自のミックススパイスが、存在します。

例えば、中東では「ザアタル」。
エジプトには「バハラット」。
西洋では「ピクリングスパイス」というピクルスに使うスパイスミックス。
インドでは有名な「ガラムマサラ」。
中国には「五香粉(ウーシャンフェン)」「豆板醤」があります。

各家庭で作っていたので、スパイスの配合などは、秘伝のものもあるとか、カレー粉も基本はあるけど、それぞれ違うものね

 

 

 

 

スパイスの、体にいい成分を飲み物で取る

飲み物にスパイスを入れて飲む習慣は世界中にあります。有名なものをいくつか紹介しましょう。

 

スパイスで体を中から温める「チャイ」

私もハマったチャイ。ミルクティーにスパイスを入れたインドの飲み物です。チャイにはスパイスがたくさん入っています。

チャイに入っているスパイス

シナモン カルダモン クローブ ナツメグ
スターアニス ジンジャー 胡椒

 

 

中東で飲まれるスパイスドリンク「カフワ」

中東では、コーヒーにカルダモンをいれた「カフワ」という飲み物があるそう。これを飲むと気分が高まるのだとか。

 

イスラム教徒はお酒を飲まないから、コーヒーや紅茶をよく飲むらしいですね

 

 

 

コーラもスパイスを使った薬だったの?!発売元は薬局!!

昔のクラフトコーラのレシピ

引用 NPO 法人薬育ラボ

19世紀のアメリカでは、コーラは薬局の一角で売られていました。つまり薬の一種として飲まれていたのです。

コーラの独特な味は、スパイスの風味なのかな?

 

 

昔のクラフトコーラの材料を見ると、スパイスが使われているのがわかります。もちろんコカの成分は1905年以降使われなくなりました。

コカ・コーラは近年になるまで、レシピは秘密で公開していませんでした。

 

 

スパイスをお酒に入れて体を病気に強く?

日本にお屠蘇が伝わったのは、平安時代。中国からの使者である博士が屠蘇散を朝廷に献上したとされます。

 

お正月に飲むお屠蘇も、中国から伝わったスパイスを使った薬

正月に天皇がお酒に屠蘇散を浸して飲んだことから、お屠蘇が正月の朝に飲むことが、上流階級で習慣になります。

因みに屠蘇散の中身は

参考

オケラの根(白朮)
サンショウの実(蜀椒)
ボウフウの根(防風)
キキョウの根(桔梗)
ニッケイの樹皮(桂皮)
ミカンの皮(陳皮)
トリカブトの根(烏頭)
ダイオウ(大黄)

現在はトリカブトとダイオウは使いません。

 

 

消毒薬として作られたお酒アブサンにもスパイスが

ヨーロッパで薬用酒として作られた「アブサン」(野球マンガではありませんよ〜)芸術家に愛されたお酒で有名です。詩人ヴェルレーヌ、画家ゴッホなどが愛飲していました。

元々アブサンはアルコール度数が高く、消毒のために塗る薬でした。

消毒の作用はアルコールで、スパイスは関係あったのかな

 

 

アブサンには、アニス、ウイキョウなどと、数種類のハーブが入っていました。それが、そのうち、飲用されるようになります。

アブサンには、中毒になりやすい、麻薬のような成分が入っていました。愛飲者には、中毒になる人が多くなり、製造が禁止されました。現在は中毒成分の入っていないアブサンが販売されています。

 

スパイス入りの養命酒は体にいい?

CMでも見かける養命酒。養命酒にはスパイスと生薬が入っています。養命酒に入っているスパイスは、ウコン、ケイヒ、丁字です。

私は体が弱いので、一時期養命酒を飲んでいました。飲む量はほんの少しですが、飲むと胃の辺りがカーっと熱くなりました。私には食欲増進の効果があったように思います。

洋の東西を問わず、考えることは同じね

 

 

 

スパイス入りホットワインはクリスマスマーケットで冷えた体を温める

クリスマスマーケットでお馴染み、グリューワイン(ホットワイン)温めたワインに、シナモン、クローブ、アニス、ナツメグなどを入れて、体の芯から温める飲み物です。

クリスマスマーケットは寒いものね、体の中から温めて、クリスマス用品を選びたいものね

 

 

 

 

主なスパイスの効能

スパイス名 効能
麻の実 食欲増進、便秘、整腸作用
アニス 防腐、去痰、消化促進、消臭
オールスパイス 防腐、抗菌、消炎、
胡椒 抗菌、防腐、防虫
コリアンダー 消化不良、発汗、血液浄化
ガーリック 疲労回復、体力増強、滋養強壮
カルダモン 防腐、疲労回復、整腸作用、体を冷やす
クミン 健胃、消化促進、解毒、腰痛、肝機能向上
クローブ 殺菌効果、消毒、健胃、口臭防止
芥子の実 鎮痛、便秘
サフラン 鎮静、鎮痛、婦人病
山椒 殺菌、抗菌、消化不良、鎮静、鎮痙、殺虫
スターアニス 殺菌効果、鎮静、消化促進、血行促進整腸作用
シナモン 殺菌、抗菌、発汗、解熱、鎮痛、健胃、冷え性
ジンジャー 健胃、解熱、消炎、保温、鎮吐
唐辛子 血行促進、食欲増進、消化促進、健胃、凍傷の改善
ターメリック 消化促進、新陳代謝、アルコール代謝、止血、肝機能向上、抗炎症
ナツメグ 健胃、便秘、美肌、不眠
バニラ 鎮静、不眠、婦人病、強壮
フェンネル(ウイキョウ) 消化促進、消臭、解毒、下痢、腹痛
マスタード 抗炎症、去痰作用、
ローリエ 健胃、神経痛、リウマチ

 

 

スパイスは体にいい?薬として日本に来た身近な健康の味方!!まとめ

まとめ

  • 日本では、スパイスは薬として伝来した。
  • スパイスは体にいいので生薬と合わせて漢方薬になった。
  • 日本で初めて、全国的に広まったスパイスは唐辛子。
  • 七味唐辛子の登場で、食用にも広まった。
  • スパイスを入れて飲む飲み物が世界中にある。
  • スパイスを入れて飲むお酒がある。
  • 主なスパイスの効能表

昔から、人々はスパイスの効能を、上手く生活に取り入れてきたのですね。

西洋医学もいいですが、その人の体に合わせて調合された、漢方薬も根拠があって処方されているので試してみてはいかがでしょうか。

 

 

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