広告

トルコがEUに加盟できない理由を簡単に説明?3つの問題について解説します

トルコって一体どんな国なんでしょうか?

トルコがEUに加盟をしたい理由とEUという組織についての説明します。

また、どうしてEUはトルコの加盟を承認しないのかを説明して行くとともに、トルコがEU加盟できない理由3つの問題を説明していきます。

 

どうしてトルコはEUに加盟できないの?理由は3つあった?

トルコはEUに2005年から加入の交渉をしてきましたが、現在もなおEU加盟は叶っていません。

トルコはEUの前身であるECC(欧州経済共同体)が存在した1963年からヨーロッパとの一体化を望んできたんです。

ヨーロッパの統一をモットーにするEUはなぜトルコの加盟を認めないのでしょうか?

そこにはトルコがどんな国であるか知ることが重要です。また、加盟が認められない3つの問題がありました。それらをまずお伝えしていきたいと思います。

 

トルコってどんな国?

トルコは東ヨーロッパと西アジアにまたがる国で国土の72%がアジアに属していて、アジアとヨーロッパ、2つの大州にまたがっています。

北は黒海とアナトリア海、西はエーゲ海、南は地中海に面しています。

共和制国家で首都はイスタンブールです。人口は7千万人近く、大半がイスラム教徒です。

古代ギリシャ、ペルシャ帝国、古代ローマ、ビザンチン帝国、オスマン帝国との文化的な結びつきがある国です。

ちなみに日本語名のトルコはポルトガル語で「トルコ人(男性単数)」もしくは「トルコの(形容詞)」を意味するturcoに由来しています。

 

トルコがEUに加盟できない理由①人口問題

2020年末、トルコの総人口は8,361万4,000人で2019年までに毎年約100万人ずつ増加してきましたが2020年は46万人増でとどまっています。

国内最大の経済都市イスタンブールは1,546万人です。トルコは人口が多い国であることがわかります。

なぜ、EU加盟に人口の多さがが問題になるのでしょうか?それはEUの欧州議会の議席は加盟国の人口に合わせて配分されるからです。

もし、トルコがEUに加盟できたならば、欧州議会でトルコが主導権を握ることになりかねないからです。

ちなみに加盟国のドイツは8,000万人、英仏は6,000万人のため、ここにトルコが加わるとトルコの議席が一番多くなり、それを懸念しているからと言えるでしょう。

 

トルコがEUに加盟できない理由②キプロス問題(キプロス紛争)

ギリシャ系住民とトルコ系住民の対立により1955年からキプロスで継続している紛争です。

キプロス共和国は地中海東部にあるキプロス島南部を占める島です。北部はトルコ領です。

北キプロスはトルコのみが承認しており、南部のギリシャ系のキプロスは広く国際的に承認されています。

キプロスは紀元前1600年頃から地中海交易都市として発展しました。

それ以降ギリシャ人が多く移住し、1571年にはオスマン帝国に占領されるとトルコ人が流入してきました。

1960年にキプロスはイギリスから独立していますが、憲法で大統領はギリシャ系、副大統領はトルコ系から選出されるように決められました。

しかし、トルコ系住民がキプロスの総人口位占める割合に対して、過大とも言える公務員定率を割り当てたことが問題視されました。

1963年に憲法改正を行いトルコ政府はこれを拒否しました。さらにテロによってトルコ系国会議員が3名死亡しました。

この憲法がギリシャへの併合へと繋がると強く反対したトルコ系住民が分離独立を目指して1964年に内戦へと発展しました。

北キプロスと(ギリシャ系の)キプロスの統合案が出ていましたが国民投票により再統合は叶いませんでした。

この統合が叶わず分裂状況の解消なしにキプロスのみがEU加盟したことにより、EU加盟の条件でもある加盟国すべての国の承認を得るという点でもトルコの加盟は難しくなりました。

トルコがEU加盟できない理由に本来、EU加盟とは別問題であったキプロス再統合問題が2004年以降加盟交渉の焦点になってしまったからといえます。

 

トルコがEUに加盟できない理由③アルメニア人虐殺事件

19世紀から20世紀初頭にかけてオスマン帝国の少数民族であったアルメニア人の多くが強制移住、虐殺などにより死亡した事件のことです。

ヨーロッパ諸国では特に第一次世界大戦に起きたものをオスマン帝国政府による計画的で組織的な虐殺と見る意見がほとんどです。

この一連の事件はアルメニア人ジェノサイドと呼ばれ、21世紀の現代でもオスマン帝国の主な継承国であるトルコは国際的に非難されています。

人権を重視するEUにとっては許されないことであり、謝罪をトルコに求めていますがトルコ側はその計画性や組織性は認めておらず難しい問題になっています。

 

 

そもそもEUってどんな組織なの?

EU(欧州共同体)って何?と言われてみなんさんは聞いたことはあってもちゃんと説明できますか?

そもそもEUはどんな組織なのか、どうして発足されたのか。またトルコはどうしてEU加盟にこだわるのかを解説していきたいと思います。

 

EUって?歴史や目的などを紹介

1993年11月1日にマーストリヒト条約発行(欧州連合条約)によってEUが創設されました。

EC(欧州共同体)を基礎に外交、安全保障政策の共通化と通貨の統合の定期を目的とする総合体のことです。

ヨーロッパを中心に27カ国が加盟する経済同盟です。総人口は4億4,700万人と推測されています。ちなみに単一通貨はユーロです。

EUの政策は域内市場における人、物、サービス及び資本の自由な移動を確保し、司法及び内政に関する法律を規定しています。

貿易、農業、漁業及び、地域開発に関する共通の政策を維持することを目的としています。

EUは第二次世界大戦の冷戦構造の中でソ連とその衛星国に軍事的、経済的に圧迫された西ヨーロッパ経済共同体(互助組織)として発足しました。

総合の原理はリベラルデモクラシーだが、その建前の背景にはヨーロッパキリスト教という暗黙の了解があります。

それに対し、トルコはキリスト教国家ではなくムスリムが多数を占めていることがEU、ヨーロッパの政治家は基本的に口にはしないがEU加盟に反対しています。

EUの加盟国は?条件は?

加盟国はフランス、ドイツなどを筆頭に全27カ国です。新しく加盟する国はこの27カ国すべてから承認されることが条件です。

加盟条件にヨーロッパの国であること、EU条約2条所定(※)の諸原則を尊重し、促進に尽力することの2点に加え市場経済が機能していることとEU内の競争力と市場力に耐えること。

さらにEUの政治目的と経済・通貨同盟の目標に従い、また、EU法の総体系(これまでに制定、改定されたすべての共同体法を含み、約8万の規定からなります)を受け入れうることとしています。

 

※EU条約第2条…EUの価値。人間の尊厳の尊重、自由、民主主義、平等、政治国家、少数派の権利を含めた人権の保護、はすべての加盟国は享有する価値のもとに設立されています。

 

 

トルコがEUに加盟したい3つの理由とは?

そもそもどうしてトルコはEU加盟にこだわるのでしょうか?その3つの理由を紹介します。

 

イスラム教徒を国家の規範にしようとしている人たちを抑えたい

今のトルコはムスタファ・ケマル(※)がオスマン帝国を配して成立しましたが、その過程でヨーロッパに追いつくためにイスラムは不要とされ切り捨てられてしまいました。

トルコはイスラムと無関係であればこそ繁栄できるという理念が建国の時にあり、その理念を信じて貫こうとしている人たちはEU加盟することでトルコはイスラム主義の人たちを抑えることができると考えて加盟を望んでいます。

※ムスタファ・ケマル…オスマン帝国の将軍であり、初代大統領です。

 

トルコはヨーロッパの一員なのでEUに入りたい

第一次世界大戦前まではオスマン帝国はヨーロッパの病人と呼ばれていたことからもわかるようにトルコはヨーロッパの一員に数えられていまいました。

今のギリシャがある東欧の大部分はオスマン帝国の支配下にあったのでヨーロッパであると考える人が多くいます。

そのため、ヨーロッパの一員であるトルコもEUに加盟させてと主張するのです。

 

EUに加盟することで経済的に良い

EUに加盟できればトルコはシュンゲン協定によってEU圏内に地涌に行き来することができることになります。

それに伴い就労も簡単になります。

逆にヨーロッパからもパスポートなしでトルコに入国できるようになります。

したがって観光客も増えるのでお金を落としてくれる可能性が増えます。

政府関係で言えば、EUからトルコへの経済支援や外貨獲得の機会が増えるのでEU加盟は魅力的だと考えています。

 

トルコがEUに加盟できない理由とは?3つの問題について解説しますのまとめ

  • トルコは東ヨーロッパと西アジアにまたがる国で国土の72%がアジアに属している国で大半がイスラム教徒です
  • トルコのEU加盟を阻む問題はトルコの人口、キプロス問題、アルメニア人虐殺事件の3つあります
  • トルコの人口は多く、EUのに加盟できたとすると欧州議会で主導権を握られることを嫌ったためです
  • 北キプロス(トルコ系)とキプロス(ギリシャ系)の分裂状況の解消なしにキプロスのみがEU加盟したことにより、EU加盟の条件でもある加盟国すべての国の承認を得ることが難しいためです
  • オスマン帝国の少数民族であったアルメニア人の多くが強制移住、虐殺などにより死亡した事件でEUにとっては人権を重視するため許されないこととされているためです
  • EUはヨーロッパを中心に27カ国が加盟する経済同盟です
  • 新しく加盟する国はこの27カ国すべてから承認されることが条件のためトルコがすべての承認を得ることは難しいとされ加盟がなかなか認められてません
  • トルコがEUに加盟したい3つの理由はイスラム主義の人たちを抑えることができる、ヨーロッパの一員である、経済的に良いからです

トルコのEU加盟ができるかは難しい問題であることがわかりました。

トルコは加盟のメリットは十分にありますが、EUにとってはトルコの様々な問題から慎重にならざるおえないのでしょう。

いかがでしたでしょうか。トルコがEUに加盟したいと思っているにも関わらず、EUが認めない理由を少しでもわかっていただけたでしょうか。

難しい問題ではありますが、トルコとEUが両方が良い方向に向かうといいなと思います。

少しでも、この記事がみなさんのお役に立てていたら幸いです。

マルチプル広告

© 2024 これちょっと気になる Powered by AFFINGER5