紫陽花の美しい紫色は、お庭のアクセントとして魅力的です。
しかし、紫陽花を美しい紫色に育てるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では「紫陽花を紫にするにはどうしたらいいの?」という疑問にお答えし、綺麗な花を咲かせるためのポイントをご紹介します。
紫陽花は酸性の土壌を好み、水はけの良い環境を求めるため、適切な土壌と水分管理が重要です。
また、日光と陰のバランスも考慮し、直射日光を避けるようにしましょう。
さらに、適切な剪定や手入れの方法、栄養素の補給と肥料の使い方にも注意が必要です。
紫陽花を紫に輝かせるための具体的な方法やポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
紫陽花を紫にするには水と土が大切です!
「紫陽花を紫にするためには、紫陽花の色に合わせて土のpH値を調整すればよい。」
これが答えになります。
pHとは
- pHとは水素イオン指数で、酸性か、アルカリ性かを表す尺度。
- 数値は普通1から14までの値。
- 7が真ん中で「中性」、 pHが7より小さいと「酸性」、7より大きいと「アルカリ性」となる。
では、具体的に、どのような方法で紫陽花を紫にするのかを説明していきます。
土のpH値を調べよう!
まずは、紫陽花を植える土のpH値を土壌酸度計を使って調べます。
鉢植えの場合は、鉢の中の土を調べるだけで良いです。
しかし、地面に直接植える場合は、周りの土の影響を受けるため、紫陽花が植えてある場所のみではなく、その周辺も調べておく必要があります。
家庭用の土壌酸度計ならば、ホームセンターで1,000円前後で購入が可能です。
紫陽花が紫になるように土を配合しよう!
紫陽花を紫にする場合は、青色と赤色の中間色となるため、現在の紫陽花の色により、土の配合は変わります。
紫陽花が青色の場合
土のpH値をアルカリ性に近づけていく必要があります。
そのためには、石灰や苦土石灰、牡蠣殻などを加えます。
石灰は、土に混ぜ込んで2週間ほどなじませないと根を傷めることがあるので気をつけましょう。
紫陽花が赤色の場合
土のpH値を酸性に近づけていく必要があります。
そのためには、鹿沼土やピートモスを加えます。
鹿沼土の量が多すぎると水はけがよくなりすぎ、ピートモスの量が多すぎれば、水はけが悪くなるため、配分には注意が必要です。
こんなの難しすぎるよー!
私と同じように思った、あなたには、おすすめの方法があります。
それがこれです。
引用 株式会社プロトリーフ
これは、すでに土が適切なpH値になるように配合されているのです。
そのため、青紫色に近い紫の紫陽花にするには、青アジサイの土を使い、赤紫色に近い紫の紫陽花にするには、赤アジサイの土を使います。
これにより、簡単に紫の紫陽花にするための土が作れる上に、土の入れ具合を調節すれば、自分の好きな色味の紫を作ることができるかもしれません。
プロトリーフのアジサイの土は、1袋858円(税込)となっています。
株式会社プロトリーフの公式オンラインショップでも販売していますが、楽天やAmazonでも購入可能です。
紫陽花が紫になる仕組みを知ろう!
それでは、ここで、紫陽花の色はなぜ変化するのか、なぜ土や水が重要となるのか、ここから詳しく解説していきます。
紫陽花の色を作り出しているのは何?
アジサイには、紫色以外にも赤色や青色などがあります。
色を作り出しているのは「アントシアニン」という色素です。
アントシアニンとは
- 植物が紫外線など有害な光から実(身)を守るために蓄えられる天然の色素。
- 主に赤紫や青紫などの紫色を作り出す役割を持つ。
- アルミニウムと反応し、青くなる性質がある。
- ポリフェノールの一種であり、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれている。
- 布を染めるための染料として使用されている。
紫陽花の色を変化させるために土が重要な理由とは?
アントシアニンは、通常赤色ですが、土から溶け出してきたアルミニウムと反応すると、青色に変化します。
アルミニウムをたくさん吸収したアジサイは青色、アルミニウムを吸収しなかったものは赤色、その中間が紫色になります。
アルミニウムとは
- 地殻や土の中に、多く含まれている元素。
- 酸性の土には溶けやすく、植物にも吸収されやすい。
- アルカリ性の土には溶けにくいため、植物に吸収されにくい。
紫陽花の色を変化させるために水が重要な理由とは?
アルミニウムは水と結合してアルミニウムイオンとなり、紫陽花の根から吸収され、色の変化を起こします。
そのため、土に含まれる水が多いと、アルミニウムイオンは大量に溶け出します。
しかし、土に含まれる水が少ないと、アルミニウムイオンは少量しか溶け出せません。
結果として、紫陽花全体にアルミニウムイオンが行き渡らないため、青色にならない場合があります。
土のpH値に影響されない紫陽花もある!?
もともとアントシアニンを持たない白い紫陽花は、土のpH値が変化しても色は変わりません。
また品種の特性上、花色が決まっている紫陽花も土のpH値が変化しても色は変わりません。
例えば北アメリカ東部原産の紫陽花であるアメリカノリノキの園芸品種に「アナベル」があります。
アナベルは、真っ白で非常に大きな花房の紫陽花で有名ですが、最近は、ピンクのアナベルが開発され、人気となっています。
アナベルの人気の1つが、土のpH値に左右されないため、育てやすいという点があります。
紫陽花が紫になる部分は、実は花ではない!?
紫陽花は、小さな花が集まって大きな花を形成しているように見えます。
その小さな花だと私たちが思っている部分は、正式には萼(ガク)と呼ばれ、装飾花です。
また、花びらだと思っている部分は、萼片と呼ばれるものです。
本当の花は、真花という中心部にある小さなツボミのような部分になります。
綺麗な紫色の紫陽花で人気の品種とは?
白色の紫陽花で人気があるのは、アナベルだとご紹介しました。
ここでは、綺麗な紫色に開発された紫陽花のディープパープルについて紹介します。
ディープパープルは、2013年にデンマークのスクロール社が発表した品種です。
特徴的な色合いや植物の強さ、耐病性、花持ちの良さなどが評価され、世界各国で賞を受賞しています。
ディープパープルはアナベルとは違い、花の色が決まっているわけではないため、酸性の土に植えると、青みが強く出た色合いになり、アルカリ性の土に植えると赤みが強く出た色合いになります。
また、ヴィンテージカラーを楽しめるのも魅力の1つです。
ヴィンテージカラーとは
しかし、秋色と言うと、秋に咲く品種であると誤解されることがあります。
そのためスクロール社では、秋色とは言わず、ヴィンテージカラーと表現しています。
ディープパープルの場合は、満開から1ヶ月かけて、徐々にヴィンテージカラーに変化していきます。
引用 株式会社ハクサン 公式ホームページ
さらに、土のpH値を変えて植えていると、そのpH値によって青みの強いヴィンテージカラーや赤みの強いヴィンテージカラーに変化していきます。
実は、紫陽花はドライフラワーとしても楽しめます。
特にディープパープルは、色味に人気があるため咲かせて楽しんだあとは、ドライフラワーにする人も多くいます。
私の実家でもディープフラワーをドライフラワーにして飾ってあります。味気なかった玄関が、シックでおしゃれな雰囲気になっていました。
綺麗な紫陽花を咲かせるポイントは?
紫陽花を綺麗に咲かせるためには、しっかりと手間をかけてあげることが大切です。
日当たりと適切な場所
紫陽花は日陰や半日陰を好みます。
日光が直接当たる場所では花や葉が傷んでしまうことがありますので、明るいが直射日光の当たらない場所が理想です。
水と水はけ
紫陽花は水を好みますが、水はけが悪いと根が腐る可能性があります。水はけの良い土壌を用意し、適度な水やりを心掛けましょう。
特に乾燥した時期や暑い日は十分な水を与える必要があります。
適切な肥料
紫陽花には適切な栄養が必要です。
春から夏にかけて、バランスの良い液体肥料や固形肥料を与えましょう。
ただし、過剰に肥料を与えることは逆効果となることもあるので、指示に従って適切な量を与えましょう。
剪定
紫陽花は適切な剪定を行うことで花つきを良くすることができます。
冬季の休眠期に古い茎を切り戻し、健康な新しい茎を促進させるようにしましょう。
ただし、剪定の方法は品種によって異なる場合があるので、それぞれの品種に合った剪定方法を調べて行いましょう。
害虫や病気の管理
紫陽花は害虫や病気に対して弱いことがあります。定期的に葉や茎をチェックし、害虫や病気の兆候を早めに発見して対処しましょう。
必要に応じて防除や病気予防のための処置を行います。
これらの基本的なケアを行うことで、紫陽花を綺麗に咲かせることができます。
ただし、紫陽花の品種によって好みや要求する環境が異なる場合があるため、品種ごとに専門家のアドバイスを参考にすることもおすすめです。
紫陽花は丈夫な植物ですが、品種によっての管理方法を理解し、適切なケアをすることで美しい花を楽しむことができます。
紫陽花を紫にするにはどうしたらいいの?綺麗な花を咲かせるポイントのまとめ
- 紫陽花を紫にするには、土のpH値が重要となる。
- 紫陽花を紫にするには、酸性の土では、石灰や苦土石灰、牡蠣殻を使い、アルカリ性の土では鹿沼土やピートモスを使うとよい。
- すでにpH値を調整している紫陽花用の土が販売されているため、それを使うと簡単にpH値を調整できる。
- アントシアニンを持たない紫陽花や品種の特性上花色が決まっている紫陽花は、土のpH値に左右されない。
- 紫陽花の花だと思っている部分は、実は萼と呼ばれ、正式には花ではない。
- 綺麗な紫色に開発されたディープパープルという紫陽花がある。
- 紫陽花は、基本的なケアを手間をかけて行なってあげると、綺麗に咲かせることができる。
紫陽花といえば、梅雨の花というイメージで、花言葉も「移り気」や「浮気」、「無常」といった意味があり、なんとなく私はマイナスなイメージがありました。
しかし、最近は、母の日のプレゼントをカーネーションではなく、紫陽花をプレゼントする人が増えているようです。
特に、ピンクの紫陽花の花言葉は、「元気な女性」という意味があるため、ピンクの紫陽花を選ぶ人が多いようです。
また、カーネーションの場合は専門的な知識やしっかりした環境がなければ上手に育てることができませんが、紫陽花は基本的には水やりさえ忘れなければ、きちんと花を付けてくれます。
いつもと違うプレゼントを贈りたいと思った時には、紫陽花を思い浮かべてみてください。