新しい学年になると、勉強も更に頑張りたいと思いますよね。
特に受験が控えている学生の場合、勉強したことを忘れるのではと不安になることもあるはず。
この記事では勉強の記憶を効率的に定着させるための勉強法と、記憶のメカニズムをご紹介します。
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勉強を忘れるのが不安なら勉強したあとの過ごし方に注意!
まず、勉強をしているときのことを思い出してみてください。
勉強をしたあとに、すぐにスマートフォンをいじったり、テレビをつけたりしていないですか?
実は、勉強をしたあとに行うあらゆる行動が、記憶の定着を妨げるといわれています。
ついつい気が抜けてSNSをチェックしてみたり、急いで家事を行ったりしてしまいがちですが、すべての行動を一旦お休みして、10分ほど何もせずに過ごしてみてください。
ヘリオットワット大学の研究でも、実際に10分何もしなかったほうが、より物事を正確に記憶していたことが証明されています。
この10分間に、勉強したことがすでに知っていることと結びつくなど頭の中が整理されて記憶が定着しやすくなるといわれています。
勉強をしたあとは、10分ほどはぼーっとしたり、目を閉じてみたり、何もしないように心がけましょう。
勉強を忘れるのが不安なら休憩は必ずとろう
一度勉強に集中すると、休憩も忘れて没頭することもありますよね。
しかし、あまり長いこと休憩をとらずに勉強をしていると、効率が落ちてしまうことにもなりかねません。
東京大学の研究によれば、60分続けて学習をするよりも、15分おきに休憩をとったほうが長期的な記憶に有効だったのだとか。
60分学習のときには40分を過ぎた頃から集中力が低下していることがわかっていますから、長くても40分勉強をしたら一度休憩を挟むのが良さそうです。
そのほか、ポモドーロ・テクニックと呼ばれる方法では25分作業をし5分休憩をするという方法もあります。
このテクニックには仕事術として世界に知られていますが、勉強にも応用できると思います。
ついついそのまま勢いで続けて勉強してしまいがちですが、記憶の定着を確実に行いたいのなら、自分のペースでこまめに休憩をとりながら勉強をしたほうが良さそうです。
勉強を忘れるのが不安でも大丈夫!?まず忘れてみる勉強法
せっかく勉強したことを忘れるのはとても怖いものです。
ですが、思い出そうとする(想起といいます)ことでより記憶が定着しますので、一度忘れかけるのも、一つの勉強法だといえるでしょう。
一度授業やテキストで勉強したことを、自分で思い出しながらノートを取ったり問題を解いたりしてみましょう。
繰り返し思い出すことによって、より記憶が定着しますので、問題集なども日をおいて何度か解いてみることをおすすめします。
問題を解く中で、間違えることもあると思いますが、むしろ間違えることで記憶に残りやすいので、間違ったからといって落ち込む必要はありません。
実際に私も資格試験の際には問題集の間違えた問題を、日をおいて何度も解くようにしています。
最初はなかなか覚えられなかった内容も、何度も繰り返し思い出すことで試験本番で間違えずにすみますよ。
勉強を忘れるのが不安なら復習は4回しよう
勉強には復習がつきものですよね。
ですが、一体どのタイミングで復習するのがより効果的かはご存知でしょうか。
よく知られるものに、「エビングハウスの忘却曲線」というものがあります。
エビングハウスという研究者が、ものごとを忘れる度合いを曲線で表したもので、これによれば一度覚えたことも、1日経つと大半を忘れ、1ヶ月後には完全に忘れてしまうそうです。
引用:Wikipedia
この曲線を参考に、
- 学んだ翌日
- その1週間後
- さらにその2週間後
- さらに1ヶ月後
で復習をすると効果的だといわれています。
覚える内容や個人差によって多少の差はあると思いますが、より効率的に勉強を進められると思います。
勉強を忘れるのが不安でも大丈夫!?暗記系は寝る前に
よく、試験前に徹夜をしたという話をききますが、実は記憶の定着から考えると良い方法ではありません。
なぜなら、寝る前が記憶の定着力が高いからです。
寝ている間にも、脳の中で記憶をつかさどる「海馬(かいば)」は働いています。そしてこの間に、記憶の整理をしています。
だからこそ、特に暗記系の科目は、寝る直前に勉強することで効果が高まります。
私が実際に学生時代に実践した方法は、
- 寝る前に覚えたい単語などをリストに書き出して、自分でテストをする
- 起きた直後に、寝る前に使ったリストを元に再度テストをする
という方法です。
ただし試験直前にのみ行うと、その後また忘れてしまいますので、期間をおいて何度も繰り返す必要があると思います。
勉強を忘れるのが不安なら能動的に学ぼう
せっかく勉強をするのなら、試験だけでなくその後の人生にも活かしたいですよね。
そのためには、ただ受け身の姿勢で勉強をするのではなく、能動的に学ぶ姿勢が大切になってきます。
ラーニングピラミッドということばをご存知ですか?
アメリカ国立訓練研究所の研究が、学習の定着率を図に表したものです。
数字に科学的な根拠がないとも言われていますが、皆さんの体験的にもわかりやすい図かと思います。
授業やテキストからの学びでは、記憶の定着率はおよそ【5〜10%】。
対して、グループ討論、体験、教えるなど能動的な学習の姿勢(アクティブ・ラーニング)をとると、定着率は【50%以上】になるといわれているのです。
実際に、クラスメイトと話し合ったり、教え合ったりした事柄をよく覚えているということはありませんか?
私も、大学時代にクラスメイトや友人に自分の学んだことを共有した事柄を今でも覚えていることがあります。
特にクラスで発表したことや、質問をされて更に調べたことはなかなか忘れません。
発表をするという場は限られるかもしれませんが、友人や家族に教えるという方法は比較的気軽にできますので、ぜひ試してみてください。
また、経験上ですがさまざまな感覚を使うとより効果的です。
人に教えるときも、口頭だけでなく図を使って説明してみる、実際に自分でデモンストレーションを行いながら説明する、といった工夫をすると、より記憶に残りやすいので参考にしてみてください。
勉強を忘れるのが不安なら知っておきたい!忘れるしくみと記憶の定着の仕方
そもそも私たちは、なぜ勉強したことを忘れてしまうのでしょう。
短期記憶と長期記憶
記憶には、大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。
短期記憶は、数十秒で消えてしまう、数字でいうと【5〜9桁】ほどの容量しかありません。
例えば電話番号をメモするときや、計算問題を解いているときに繰り上がりの数字を覚えておく時などに使用するのがこの短期記憶です。
短期記憶は、妨害を受けると簡単に忘れてしまいます。
買い物をしている途中で、何を買うべきか忘れてしまうことがあるのはこういった理由があるのはこのためです。
この短期記憶は、そのままでは定着しません。
長期記憶として定着させるには、記憶をつかさどる海馬が「この情報は生きるために必要だ」と認識してくれないといけないそうです。
自分に関することや自分の感情が大きく動いた時以外にも、繰り返し覚え込もうとしていることについても、必要時な情報だと認識するのだとか。
つまり勉強したことを定着させるには、繰り返し学習することが大切なのです。
嫌なことは忘れやすい
自分の興味のあることはすぐに覚えられるのに、苦手な教科になると覚えが悪い、ということはありませんか?
実はこれも、脳の働きが関係しています。
興味のあることを学んでいる時は、脳波が海馬の働きを助けるため、より覚えが良くなるのだとか。
また、先ほど紹介したように、海馬は生きるために必要な情報を記憶しようとしますから、イヤイヤやっていることをなかなか覚えられないのも納得できますよね。
対策としては、苦手なものにも興味が持てる箇所を見つけることが早いと思います。
例えば歴史を勉強するとき、登場する人物の人生や感情に興味を持つことからはじめてみると記憶に残りやすいのではないでしょうか。
記憶力をより高めるためには運動も必要?!
実は記憶をつかさどる海馬は、運動をすることで働きがより高まることがわかってきています。
筑波大学の研究によれば、軽い運動を10分間行うと、その後の記憶力が向上することがわかったのだそうです。
ここでいう軽い運動とは、ゆっくりのペースのウォーキングやヨガのこと。
勉強を始める前に家の周りを少し散歩してみたり、簡単なヨガのポーズなどをとってみてはいかがでしょうか。
オンとオフの切り替えにもなって、慣れてくると集中しやすくなるかもしれませんね。
勉強を忘れるのが不安でも大丈夫!?記憶が定着する勉強法とは?まとめ
今回は勉強した内容を覚えておく効率的な勉強法と、忘れてしまうメカニズムと対策についてご紹介しました。
- 勉強する前に軽い運動を10分程度行う
- 休憩をこまめに取る
- 勉強した後は10分ほど何もしない時間をつくる
- 暗記系は寝る前に勉強する
- 復習は1日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後に行う
- 記憶を呼び起こすことも効果があるので忘れても気にしない
- 能動的に学ぶことを忘れない
- 苦手な部分は興味が持てそうなところを探す
以上のようなことに気をつけながら、勉強を進めてみてください。
繰り返し勉強することで、自分の自信にもつながりますので、不安になった時は自分の勉強の道のりを振り返ってみるのもおすすめです。
また、記憶をつかさどる海馬は、脳の中でもストレスに弱い部位だといわれています。
息の詰まるような時は、軽い運動やリラックスできる音楽やアロマを楽しむなどして、気分転換をすることも忘れないようにしてください。