ちりめんじゃこは栄養豊富で人気の食材です。
頭から尾っぽまでの全てを食べることができるので、ちりめんじゃこに含まれるすべての栄養を摂取することができます。
ご飯にかけて食べたり野菜のおひたしにかけて楽しんだりと、振りかけるだけで料理の栄養価をぐっと引き上げてくれる素晴らしい効果があります。
ですがインターネットやテレビで、ちりめんじゃこはコレステロールが高いと聞いたことがありませんか?
結論から言うとちりめんじゃこは食べ過ぎなければ心配いりません。
コレステロールが高いと言われる理由や1日の摂取量、栄養についてお伝えしていきます。
Contents
ちりめんじゃこのコレステロールは?高いって本当?
ちりめんじゃこ100gあたりに含まれるコレステロールの量は380mgです。
ちなみに、他の食品の100gあたりのコレステロール量は
- 野菜:0g
- 大豆製品:0g
- 魚介類:60〜110g
- 肉類:50〜90g(レバーを除く)
- 乳製品:10〜20g(生クリームやチーズは80〜100g)
他の食材と比較してみると、ちりめんじゃこの方が少し高いことが分かります。
ただ、100gのちりめんじゃこの量は両手でも持ちきれないほどの量です。
1食の目安の量はその1/4の量ほどといわれているので、その量を基準に考えるのも良いと思います。
ちりめんじゃこの1日の摂取量は?
ちりめんじゃこの1日の摂取量は大さじ1杯程度です。塩分量が多いので、食べすぎには注意して下さい。
基本的にはちりめんじゃこの塩分だけで、生活習慣病を引き起こすことはありません。
しかしコンビニ弁当やジャンクフードを頻繁に食べる方は、塩分量が高めであることが多いので要注意です。
ちりめんじゃこはコレステロールを下げる!?主な栄養と効能は?
ちりめんじゃこはコレステロールが高いですが、カルシウムやDHA・IPAなど魚特有の成分が豊富です。
そのため、コレステロール値を下げてくれる効果を期待することが出来ます。
ちりめんじゃこに含まれる主な栄養と効能についてまとめました。
カルシウム
カルシウムはミネラルに分類される栄養です。
骨や歯を作ったり、筋肉を動かしたりする働きがあります。
ちりめんじゃこにはカルシウムが多く含まれるため、健康維持に適した食品とされています。
しかも丸ごと食べられるので、ちりめんじゃこの栄養を全て摂取することができます。
お酢や梅干しと一緒に食べると、さらにカルシウムが体内に吸収されやすくなります。
ちりめんじゃこに含まれているカルシウムの含有量は、牛乳の約4倍といわれています。
DHA
脳を元気にするため健康維持に欠かせない栄養素です。
コレステロールや中性脂肪を下げる、動脈硬化の予防が期待できます。
さらに、DHAは記憶力の向上や乳幼児の脳神経発達、アルツハイマー病発症予防にも役立ちます。
抗うつ作用やストレス軽減の効果もあるので、脳を活性化させ健康的になることができます。
ちなみに、DHAとはドコサヘキサエン酸の略で主に魚の脂に含まれている不飽和脂肪酸のひとつです。
「日本の子供の知能指数が高いのはDHAを含む魚を良く食べるから」と海外でいわれるほど脳の働きにとても効果があるとされています。
花粉症やアトピーなどのアレルギーを抑制する力もあり、血をサラサラにする作用があるのでコレステロール値を下げる効果も期待できます。
EPA
代表的な働きは「血栓」の生成を抑える作用です。
血栓とは血の塊のことで、血の流れによどみがあると心臓で作られやすくなります。
作られた血栓は、心臓や脳にある血管を詰まらせる危険性があり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。
高度飽和脂肪酸なので、血液の粘度を減らし血液をサラサラにしてくれます。
ちりめんじゃこに含まれるEPAは生活習慣病予防に有効とされています。また、アレルギーの緩和や精神を安定させる効果があるので、多く摂取することで元気を保つことができます。
EPAはダイエットサポートの効果もあります。
EPAを摂取すると脂肪酸感受性細胞を刺激し、痩せるホルモンを放出します。このホルモンが出ることで、食欲抑制、消化スピードの低下、血糖値を安定させるなどの効能があります。
消化のスピードが低下することにより、満腹感を持続させることができます。
さらに血糖値を安定させ、急激な上昇を防いで体脂肪の増加を防ぐことにもなります。
ビタミンA
抗酸化作用、皮膚や肌の粘膜を作る、人間の視覚情報の伝達に関わるビタミンです。
体の中にある活性酸素を協力に除去し、肌の生成にも関わるため美肌作用、体内へのウイルスや細菌の侵入を防ぎます。
視覚情報に関わる、神経伝達に不可欠なロドプシンの生成の主成分にもなっています。
ビタミンD
カルシウムの働きをサポートし、主に骨の形成を助けます。
筋肉や神経伝達において不可欠なカルシウム濃度の調整も担っています。
最近の研究では、ウイルスや細菌に対する免疫効果の向上や抗うつ作用も注目されています。
ビタミンB12
細胞分裂に関わり、特に乳児や人間の血球に不可欠な栄養素です。
貧血を予防する、肩こり・腰痛対策、睡眠を促す、目の疲れを回復させます。
細胞分裂のDNAの複製に関わるため、不足すると正常な組織が作られず体の機能維持に影響が出ます。神経伝達や脂質代謝に関わる補酵素です。
マグネシウム
健康な骨を作る上でビタミンDを活性型にする働きや、エネルギー代謝、たんぱく質の合成を担います。
体内の酵素の要になる、触媒や酵素反応を助ける働きを含めると300種類以上サポートしています。
血圧の調整機能もあり、片頭痛や冷え性の改善にも効果があるといわれています。
コレステロールだけじゃない!?ちりめんじゃこを食べすぎると体に悪い理由は?
健康食材でもあるちりめんじゃこは栄養豊富な健康食材ですが、食べ過ぎると体に悪いとされています。
その理由は塩分、プリン体、コレステロールの過剰摂取です。それぞれの項目別に病気や症状についてまとめました。
塩分
塩分過多が原因で起きやすい病気や症状は高血圧、尿路結石、腎臓病、浮腫みです。
塩分を取り過ぎるとカリウムが不足し喉が渇くため、水分を取り過ぎてしまい浮腫みに繋がります。
脳梗塞や心筋梗塞を誘発させ交感神経活性を刺激し、結果的に高血圧に繋がります。
老廃物や塩分を濾過(ろか)して尿を作り出す役割を果たしている腎臓にも負担をかけ、更には尿内のカルシウムも増えるので尿路結石を引き起こす恐れもあり注意が必要です。
プリン体
プリン体の過剰摂取が原因で起こりやすい病気は痛風、高尿酸血症です。
プリン体は肝臓で代謝され、尿酸となって体外に排泄されます。
通常は約1,200mgの尿酸が蓄積されますが、1,500mgを超えると痛風や高尿酸血症を引き起こすリスクが高くなるといわれています。
突然関節が腫れ、2~3日動けなくなるほどの激痛に襲われるのが痛風の代表的な症状です。
痛風の予備軍とも言われている高尿酸血症は、自覚症状がないのが特徴です。
コレステロール
コレステロールの過剰摂取が原因でおこる病気は脂質異常症です。
しらすやちりめんじゃこに限らず、生しらすに関しても同じです。
コレステロールは血液中の重要な脂肪なので、本来は必要不可欠な物質です。しかし数値が高すぎる脂質異常症の状態になると様々な合併症を引き起こします。
代表的なものは代動脈硬化、心臓発作、脳卒中です。
似てるけど少し違う!ちりめんじゃことしらすの違いは?
ちりめんじゃことしらすの違いは乾燥の度合いです。
ちりめんじゃことしらすは、どちらもカタクチイワシの稚魚を使用して作ります。
食塩水で茹で上げた後に多少乾燥させたものをしらす、茹で上げ後に天日でしっかりと乾燥したものをちりめんじゃこと呼んでいます。
含まれている栄養成分に差はほとんどありませんが、含有量には大きな差があります。
しらすよりもちりめんじゃこの方が10倍多くカルシウムを含んでいます。同じ量でも栄養量が違うため、効果的に栄養素を摂りたい時は、ちりめんじゃこがオススメです。
ちりめんじゃこもしらすも、高栄養で低脂質なのでヘルシーなので、ダイエット中にもオススメの食材です。
ちりめんじゃこはコレステロールが高い?数値やしらすとの違いは? まとめ
- 他の食材と比較してみると、ちりめんじゃこの方がコレステロールが少し高い
- ちりめんじゃこの1日の摂取量は大さじ1杯程度
- カルシウムやDHA・IPAなど魚特有の成分が豊富なので、コレステロール値を下げてくれる効果が期待できる
- 食べ過ぎると体に悪い理由は塩分、プリン体、コレステロールの過剰摂取
- ちりめんじゃことしらすの違いは乾燥の度合い
ちりめんじゃこ自体が体に悪いのではなく、食べ方によっては注意が必要です。
体に悪い食べ方にならないよう注意しながら、美味しく上手に日常生活に取り入れられるといいですね。