スマートフォンやタブレットのキーボードでよく使われる文字入力方法は「フリック入力」と言い、日本発祥の文字入力方法です。
日本ではフリック入力が一般的ですが、世界的にみるとフリック入力を使用している国は稀なようです。
では、世界的にはどんな文字入力方法を使用しているのでしょうか?
本記事では、世界的に使われている文字入力方法やフリック入力が日本で普及した理由、フリック入力以外の文字入力方法について紹介しています。
スマートフォンの入力方法に悩んでいる方や、新しい入力方法を探している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
フリック入力は日本だけ?海外より普及した理由とは
フリック入力は、日本発祥の入力方法であり、日本で広く使われています。
しかし、世界的にはグライド入力で入力することが多くフリック入力を使用する国は稀です。
そのため、フリック入力を「Japan typing」と言われることもあり、高速フリック入力を海外の方に見せると驚かれることもあるようです。
フリック入力が日本で普及した理由
画像:なぜケータイのキーの配列はちょっとずつ違うのか – makitani.com
スマートフォンが普及していないガラケー時代では「トグル入力」が主流でした。
ガラゲーのキーの配置は上記の写真のように「0」から「9」のボタンに「あ」から「わ」の記載があり、トグル入力とは、「お」を打つときは「1」のキーを5回押し、「き」を打つとき「2」のキーを2回押し入力していく方法です。
フリック入力と比べてボタン押す回数が多く、時間が掛かるのが特徴でした。
また、スマートフォンが普及しキーボードでのローマ字入力もできるようになりましたが、トグル入力と同様ボタンを押す回数が多く、時間が掛かるのが特徴でした。
そこに2008年にiPhoneでフリック入力採用されたことで、急速に広まったことや、スマートフォンの文字入力のスピードが格段に速くなったのが普及した要因の1つと考えられます。
フリック入力とは何か?メリットとデメリットも紹介
画像:フリックから進化する文字入力方法 『アルテローマ字入力』と『ターンフリック入力』を解説|KDDI トビラ
例えば「お」を入力したいときには、入力画面上で「あ」をタップすると、上記の写真のように上下左右に「あ」行の文字がパネル表示され、その内の「お」をタップすれば入力できます。
先ほどもお伝えしましたが、フリック入力は、従来のトグル入力やキーボード入力に比べて入力速度が早く、タイピング数を減らすことができるため、スマートフォンの操作性を改善するため広く使われています。
また、フリック入力は覚えやすい入力方法であるため、初心者でも比較的簡単に使いこなすことができるのが特徴です。
メリットとデメリット
その他にも、フリック入力のメリットやデメリットもあるのでご紹介していきます。
メリット
メリットは上記の4点です。それぞれご紹介していきますね。
早く入力できる
何度もお伝えしていますが、1番のメリットは早く入力できる点です。キーボードのキーを一つずつタップするよりも、指を滑らせるだけで文字を入力できるため高速入力が可能となります。
手が疲れない
フリック入力は、1つのキーから複数の文字を入力でき、キーボードのキーを押し込む必要がないため手の動きが少なくて済み疲れにくいとされています。
片手で操作しやすい
タップ入力と異なり、1回の操作で複数の文字を入力できるため、手の動きが少なくて済みます。
予測変換機能がある
フリック入力は、使い慣れると文脈から次に入力する単語を予測してくれます。
デメリット
こちらもそれぞれ詳しくご紹介しますね。
慣れが必要
キーボード入力と異なるため、英語圏など日本語を使用しない地域の方は使い慣れるまでに時間を要すでしょう。
また、文字数が多い文章を入力する場合は、慣れていないと入力速度が低下する可能性があります。
誤変換が起こりやすい
フリック入力は、スワイプの軌道や入力の速さによって、誤変換が起こりやすい場合があります。
英語入力には向かない
フリック入力は、日本語の50音表に基づいて作られた配列なので、26字の英語のキーボード配列とは異なります。
そのため、英語入力には向いていません。
フリック入力以外の入力方法には何がある?
日本では、フリック入力が主流ですが世界的にはグライド入力が多く使われています。
また、グライド入力の他にも以下の入力方法があります。
詳細をご紹介していきますね。
グライド(スワイプ)入力
画像:スマホの新しい文字入力「グライド入力」とは? Googleのキーボードアプリで体験しよう | Androidスマートフォン | できるネット (dekiru.net)
グライド入力とは、パソコン配列と同じQWERTYキーボードを使い、入力したい文字を上記写真のように指を滑らせ画面をこすって入力する方法のことです。
フリック入力より早く入力できるのが魅力であり、その他、英語力アップのトレーニングになるとされています。
しかし、慣れるまで時間を要すことや、普段から英語を使う習慣のない方にはあまりメリットを感じにくいでしょう。
アルテローマ字入力
画像:スマホの日本語入力、3つの「最新方法」――ダントツに速いのは“あの方法”! | 文春オンライン (bunshun.jp)
アルファベットの26文字に比べ、日本語のかな文字は50文字もあり、QWERTYキーボードのように50文字を表示した状態で一筆書きのようなスワイプ入力は難しいとされていました。
そこで、スマホのキーボード指を滑らせるときに余計な子音や母音に触れないような配列のローマ字表示にし、スワイプ入力を実現したのがアルテローマ字入力です。
フリック入力では、「きょう」を入力するためには「き」→「よ」→小文字ボタン→「う」と、画面に触れる→離れる動きが計4回必要になります。
一方、アルテローマ字入力では、キーボードの画面上で「K→Y→O→U」と指を滑らせるだけで済みます。
アルテローマ字入力は独自のキーボード配列のため慣れるまで時間を要しますが、パソコンでローマ字入力を使う方であれば、慣れるまでそれほど時間を要すことはないでしょう。また、慣れればフリック入力のように高速入力も可能です。
ターンフリック入力
フリック入力で濁音(「がぎぐげご」など)や半濁音(「ぱぴぷぺぽ」など)、小さい「っ」や「ゃ、ゅ、ょ」などを打ちたいときは、一度文字を打ってから別キーを打つ必要がありましたが、ターンフリック入力は1つのパネル内で濁点や小文字などを入力することが可能です。
濁点「〃」と半濁音マーク「゜」
一方、ターンフリック入力では、上記の写真のようにパネル内に濁点マーク「〃」や半濁音マーク「゜」が表示されます。「が」を打ちたいときは、「か」をタップし、濁点マークが表示されている方にスライドすると「が」が入力できます。
また、「ぺ」を入力する場合は、
「は」をタップ→「へ」へスライド→半濁音マーク(゜)へスライド」で「ぺ」が入力できます。
小さい仮名文字入力
小さい仮名文字も濁点マークと同様に「小マーク」がパネル内に表示されます。
- 例1.小さい「ぁ」を入力する場合
「あ」をタップ→小マークへスライドで「ぁ」を入力することが可能です。
- 例2.小さい「ぇ」を入力する場合
「あ」をタップ→「え」へスライド→小マークへスライドで「ぇ」を入力することが出来ます。
拗音(ようおん)の入力
濁点や半濁音の他に、「きゃ、きゅ、きょ」などの拗音(ようおん)も一発で入力することができます。
上記の写真のように「き」へスライドすると、濁点マークの他、小さいや行の文字が表示されます。
そのまま小さい「ゃ」や「ゅ」へスライドすると「きゃ」、「きゅ」などの拗音を入力することができます。
また、パネル内に「う」も表示されており、続けてスライドすると「きょう」や「きゅう」と入力することができます。
「ぎ」のパネル内にも上記の写真のように同様の表示がされます。
ターンフリック入力は、パネル内中で濁音や半濁音、小文字、拗音も打てるので、文字を打つ手間がフリック入力よりも省略されている点や入力スピードも速くなる点が魅力です。
ターンフリック入力内の画像:極めれば鬼のような爆速タイピングを可能にする進化型フリック入力キーボードアプリ「アルテ on Mozc 日本語入力キーボード」を使ってみました – GIGAZINE
音声入力
今回ご紹介中で一番なじみの音声入力は、スマートフォン画面に表示されているキーボードに上記の写真の様なマイクアイコンがあります。そのアイコンをタップすると入力モードが音声入力へと切り替わります。
話しかけるだけで話した内容を文字に変換してくれるので、もっとも速く文字を打てる方法といえます。
音声入力の聞き取り精度や漢字変換精度はかなり高くなっていますが、両手話で喜べるものではなく、校正作業は必要と言えそうです。
最も速く文字を打てる音声入力ですが、フリック入力より普及しない理由として、屋外や店内など周りに人がいる場面で利用するのに抵抗を感じる人も多いことがあげられます。
フリック入力は日本だけ?それ以外の文字入力方法って何があるの?のまとめ
- 文字の多さの違いから、世界的にはグライド入力が主流であり、フリック入力は主に日本で使用されている。
- パソコン配列のキーボードでのローマ字入力やガラゲー時代からあるトグル入力があったが、ボタンを押す回数が多く時間を要することからスマートフォンでは普及しなかった。
- 文字の入力方法は、グライド入力の他、アルテローマ字入力やターンフリック入力、音声入力などがある。
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