「自分の老後の準備は自分でやらないといけない」と言われる時代。
老後の心配は膨らむばかりです。
そんな中、気になるワード『iDeCo(イデコ)』
気になるけど金融商品はなんだか怖い・・・
iDeCoのデメリット・メリットを知ることによって不安を解消し、自分に合う商品なのか判断していきましょう。
Contents
iDeCoのデメリット6つ!年金が減るって本当?
iDeCoはデメリットしかない?
デメリットをみていく前にiDeCoとは何かのおさらいしておきましょう。
iDeCo(イデコ)とは
「個人型確定拠出年金」の愛称で、老後資金を自分で積み立てる制度です。
毎月掛金を積み立てて金融商品を運用し、自分で老後に必要な資金を積み立てていきます。
iDeCoの運用商品には、定期預金や保険、投資信託があり、運用の結果次第で老後に受け取る金額が変わります。
iDeCoのデメリット:元本が減る(元本割れ)可能性がある
iDeCoをやって運用を失敗した場合の一番のデメリットは元本(元手となるお金・預けたお金)が減ってしまう可能性があることではないでしょうか。
iDeCoには「元本確保型」と「価格変動型」2種類の運用商品がありますが、それぞれデメリットがあります。
iDeCo「元本確保型」商品のデメリット
定期預金や保険商品など利息や配当が少ない代わりに元本が保証される商品です。
元本が保証されるなら安心!と思うかもしれませんが、インフレになると直接的ではないものの利息や配当が少ない商品は損をすることになります。
特に長期運用という性質を持っているiDeCoではその影響が顕著です。
インフレとは
物の値段が上がり続ける状況のことです。
例えば子供のころには100円で買えていたチョコレートが、大人になった今では110円になっていたとします。
その場合、100円では20年後にはチョコレートは買えなくなるので、100円の価値が下がったということになります。
iDeCo「価格変動型」商品のデメリット
一方「価格変動型」はiDeCoでは投資信託という商品を利用することになります。
投資信託とは、運用会社の専門家が株式や債券等に分散して投資したものを1商品としてまとめたものです。
こちらは株や債券が値上がりした際に多くの利益を得ることができますが、値下がりした際には元本が減ってしまう可能性があります。
iDeCoのデメリット:関係機関に支払う手数料は個人負担になる
iDeCoを利用するにあたっては手数料の存在も無視できません。
iDeCoで資産運用を始める場合、手数料はもちろん自分で支払わなければなりません。
手数料には大きく分けて4つあります
- iDeCoに加入するとき又は移動するときの手数料
- 口座を管理していくときの手数料
- 給付金を受け取るときの手数料
- 還付の(掛け金を返す)ときの手数料
1.iDeCoに加入するとき又は移動するときの手数料
- 「国民年金基金連合会」に加入時の又は移動時に手数料として2,829円(税込)
- 金融機関に支払う加入手数料(金融機関によって異なる)
2.口座を管理していくときの手数料
- 「国民年金基金連合会」に事務手数料として毎月105円(税込)
- 「信託銀行」資産管理手数料として毎月66円(税込)
- 口座管理手数料(金融機関によって異なる)
3.給付金を受け取るときの手数料
- 「信託銀行」に送金1回あたり440円(税込)
4.還付の(掛け金を返す)ときの手数料
国民年金を支払っていない月にiDeCoの掛け金を払った、iDeCoの加入資格がないのに支払った、法令の限度額を超えて支払た場合など発生した場合のみ。
- 「国民年金基金連合会」に1回につき1,048円(税込)
- 「信託銀行」に1回につき440円(税込)
- 運営管理機関手数料(金融機関によって異なる)
最低でも1・2・3この手数料分も含めた利益を出さないとトータルでマイナスになってしまいます。
iDeCoのデメリット:60歳を過ぎるまで引き出すことができない
iDeCoは「個人型確定拠出年金」という名前からもわかるように年金です。
公的年金が一定の年齢にならないと受け取ることができないのと同じように、iDeCoも原則は60歳まで引き出せないことになっています。
減額や停止という方法はありますが解約はできません。
iDeCoのデメリット:掛金を定められた範囲内でしか設定できない
iDeCoには毎月の掛金に範囲があり最低拠出額は5,000円、上限は職業や会社によりますが1万2,000円~6万8,000円までと異なります。
つまり「月々3,000円くらいから始めたいな」と思っても5,000円以下では無理ですし、たくさん掛けたくても上限を超えて掛金を支払うことができません。
さらに上限の金額は主婦か?自営業か?公務員か?会社員か?会社員なら会社に企業年金があるかないか、その企業年金に入っているか?会社のルールはどうなっているか?など様々な条件によって異なっています。
iDeCoのデメリット:金融商品が金融機関ごとに決まっている
iDeCoは選べる金融商品が決まっています。
自分で調べてこの会社の株が買いたい!この投資信託を購入したい!と思っても選べません。
iDeCoを申し込んだ投資会社が準備している商品の中から選ぶようになっています。
iDeCoのデメリット:投資の知識と定期的な商品の見直しが必要
iDeCoは投資の知識がなくても始めることはできます。
しかし数十年にわたって続けていくもので、大きなお金が動いていきます。
せめて投資の基礎知識は学んでおいた方がいいでしょう。
自分の将来設計や貯金の有無なども考慮に入れつつ、どのような金融商品に投資していけばいいのか考えていかなければなりません。
また、一度商品を決めたら終わりではありません。
始めるときリスクを考えて決めた「元本保証型」商品と「価格変動型」商品の割合も、一定期間が過ぎると価格変動で配分が変わってきます。
この配分を自分が決めた割合に直す(配分が多くなった商品を売り、少ない商品を買い足す)、「リバランス」という作業が必要になります。
また、転職や結婚・家族が増えるなどライフステージの変化があった時も見直しが必要です。
iDeCoはデメリットしかない?いいえ!メリットもたくさん!
それではiDeCoにはデメリットしかないのでしょうか?
いいえ、使い方によってはメリットもたくさんあります。
iDeCoのメリットをみていきましょう。
iDeCoのメリット!運用が好調なら将来受け取るお金が増える!
現在、銀行の預金はかなりの低金利で、銀行に預けていても増えることはありません。
普通預金の平均年利率は0.001%、定期預金は0.002~0.003%(10月時点)
引用 日本銀行
そしてインフラが続けば少しずつ物やサービスの価格が上がっていくので実質お金の価値が減っていきます。
預金に預けるだけで何もしないというのは確実に、少しずつマイナスになっているということです。
iDeCoのデメリットでは運用が上手くいかなければ将来受け取るお金が減ると説明しましたが、メリットはその逆で運用が上手くいけば将来受け取るお金の金額が増やしていくことができます。
iDeCoのメリット!所得税や住民税・受取りの際の税金が安くなる
税金が安くなることもiDeCoに加入するメリットの一つです。
iDeCoで支払った毎月の掛金は、全額が所得控除の対象です。
運用中に増えた利益には、税金がかかりません。
年末調整や確定申告を行い、所得税や住民税の課税対象となる所得から、1年分のiDeCoの掛金を差し引くことで、所得税や住民税の負担が減ります。
通常は、投資信託の売買などによって得た利益や定期預金の利息には20.315%(所得税(復興特別所得税含む)15.315%+住民税5%)の税金がかかります。
しかし、iDeCoで購入した投資信託による売買益や、定期預金の利息などにはこのような税金がかかりません。
また、iDeCoで積み立てたお金を受け取るときも控除が受けられます。
- 一度にまとめて受け取る場合は「退職所得控除」:退職金のようなまとまったお金を受け取った場合に、税金の負担が大きくなりすぎないように適用される
- 分割で受け取る場合は「公的年金等控除」:国から支給される老齢年金などを受け取った場合に適用される
税の負担が減るのは確実に全員が受けることができるメリットですね。
iDeCoのメリット!手数料のコストの低い商品が用意されている
iDeCoの掛金は、月5,000円から1,000円単位で設定できます。
毎月少しずつ積み立てられるので初心者でも負担が少なく始められます。
投資初心者におすすめされている「長期投資」と「分散投資」が手軽に始められるのはiDeCoのメリットと言えます。
また、資信託を購入するときに購入手数料がかかる場合があるだけでなく、運用中にもプロに投資信託を管理・運用してもらう手数料として信託報酬を支払わなければなりません。
iDeCoで取り扱われている投資信託は、ほとんどの場合購入手数料がかからず、信託報酬も一般で販売されているものと比較してコストが低いものが厳選されています。
iDeCoのメリット!貯金ができない人でも貯めることができる!
あればあるだけ使ってしまう人、将来の為の貯金がなかなかできない人にもお勧めです。
iDeCoの60歳まで絶対引き出せないという特徴を使って、将来に向けての資金をためることができます。
iDeCoデメリット?主婦などメリットを受けにくい人たちがいる?
iDeCoにはデメリットとメリットがそれぞれありますが。さらにその人の状況でiDeCoのメリットを受けにくい場合もあります。
そこも加味しながらiDeCoの利用を検討しましょう。
iDeCoを始めてもメリットを受けにくい人:歳を取っている人
歳を取ってからiDeCoを始めてもあまり増えない可能性があります。
iDeCoの良い面は、投資初心者におすすめされている「長期投資」と「分散投資」ができリスクを抑えた投資ができる点です。
しかしiDeCoに加入できる年齢は60歳未満と決められています。
あまり歳をとってから始めても長期間、コツコツ投資ができないためメリットが少ないかもしれません。
iDeCoを始めてもメリットが受けにくい人:専業主婦(主夫)の人
節税効果という点でのiDeCoメリットが受けられません。
扶養内で働いている専業主婦(主夫)は所得税や住民税が発生しない場合が多く、iDeCoに加入し掛金を支払っても、所得税や住民税の負担が減るといった節税効果が期待できません。
iDeCoを始めてもメリットが受けにくい人:住宅ローンがある人
節税効果という観点では、住宅ローンを組んでマイホームを購入し、住宅ローン控除を利用して所得税を納めていない、またはほとんど納めていない人もメリットが少ないです。
控除が終了するまでは、メリットを受けにくいといえるでしょう。
iDeCoを始めてもメリットが受けにくい人:必要分の貯金がない人
貯金がまったくない人はもちろんですが、子どもの教育費やマイホームの購入など、ライフイベントでの資金が十分に確保できていない人もおすすめができません。
iDeCoは60歳まで解約することができないためお金が必要になった時も、60歳より前に起こるライフイベントに使用することができません。
必要な時に利用できる換金性の高い金融商品を選ぶ必要があります。
iDeCoを始めてもメリットが受けにくい人:転職が多い人
iDeCoは掛金の支払い期間中に転職しても、積み立てたお金を転職先に持ち込み、運用を継続できます。
一方で、転職先によってiDeCoの掛金の上限額が減る可能性があることや、持ち運ぶ場合は運用商品を一度売却しなければならないこともあります。
会社員がiDeCoで拠出できる掛金の上限や加入できるかどうかは、勤務先の企業年金などの有無や、企業型確定拠出年金の導入状況によって変わるからです。
もちろんきちんと手続きを済ませている場合は大丈夫ですが、もしも移管手続きを忘れた場合は国民年金基金連合会へ自動移換され、手数料を取られたり、税の優遇を受けることができないなど様々な問題が出てきます。
iDeCoはデメリットしかない?年金が減る可能性があるの?まとめ
iDeCoのデメリット
- 金融商品の為、運用が上手くいかなければ元本が減る。手数料を取られる。
- 60歳まで引き出せない
- 掛け金や運用できる商品の範囲が決まっている
- 投資の知識と定期的な見直しが必要
iDeCoのメリット
- 一番のメリットは「運用が上手くいけば将来受け取るお金が増える可能性がある」と「所得税や住民税が安くなる」
- 手数料コストの安い商品がそろっている
- 将来の為に貯金ができない人でも申し込めば自動で引き落とされることと、60歳まで解約できないので強制的に貯めることができる
iDeCoのメリットを受けにくい人たちもいます
- 長期投資と分散投資のメリットを受けにくい「歳をとってから始める人」
- 所得税や住民税の優遇を受けにくい又はすでに受けている「扶養内で働いている人」や「住宅ローンを組んでいる人」
- 「ライフイベントの積立資金ができていない人」は将来の資金の前に今の資金の準備が先です。
- 「転職が多い人」は転職の度に手続きが必要なことと、手続きを忘れると損になります
iDeCoは人によってデメリットとメリットになる状況が様々で分かりにくいですと思います。
ですが特に若い人、投資を始めてみたかった人や将来に向けての資金を貯めたい人にはメリットになることもたくさんあります。
投資はiDeCoだけではないですが、メリットを受けられそうな人は選択肢の一つとして入れてみるのもよいと思います。
iDeCoだけでなく投資自体を始めると、私も自分の将来のことをきちんと考えるようになったり、社会情勢に気を配ったりとお金が増える以上に自分の為になっています。
今はYouTubeなどでもお金についての説明動画がたくさん出て気軽に勉強もできるので始めてみてはいかがでしょうか。