年配の方に「大人になったら認印・銀行印・実印が必要だ。」と言われる一方、母親や同性の友人や同僚に聞くと「実印を使ったことない」と言われたりもします。
大事なものみたいなので作るならちゃんと選びたいし、かといって作って使う機会がないのももったいない。
実印が必要な時を知って、自分に必要か不要か判断していきましょう。
Contents
実印は女性に必要ない?そもそも実印は他の印鑑と何が違うの?
そもそも実印とは他の印鑑と何が違うのでしょう?
実印とは
各市町村区に印鑑登録がされている、公的に認められている印鑑
重要な契約書を作成する場合に「確かに本人が作成したもの」だと証明するために使われます。
実印が認印や銀行印と違うのは各市町村区に印鑑登録がされている、という点です。
そのため、実印は本人のみしか使用できません。
基本1人につき1本までと決まっており、たとえ姓が同じ親子や夫婦であっても、自分の実印以外を使用することはできません。
既製品として販売されている実印は「実印として登録ができる印鑑ですよ」という意味で、それだけでは実印としての役割を果たすことができません。
印鑑登録が終了して初めて実印としての効果を発揮できるのです。
また、実印の利用の際はセットで印鑑証明書の提出が求められます。
(よって以下、実印が必要=印鑑証明書が必要という意味で書いていきます)
印鑑証明書は役所で申し込めば発行してくれます。
実印は女性に必要ない?実印でないといけないのはどういう時?
実印が必要な場面を知らなければ必要か不要かは判断しづらいです。
必要な状況を見ていきましょう。
実印が必要な場面:不動産を売却する時
マンションや戸建て住宅・土地など不動産を売却する際に実印が必要となります。
売買が成立した場合、不動産の所有権が売った側から買った側に移ります。
その際に所有者を記入している登記簿(登記簿謄本)を書き換えます。
その際に売った側は役所から実印を求められます。
実印が必要な場面:家やマンションを借りるとき
賃貸物件を借りる際には賃貸契約を結びます。
この際に取り交わす賃貸契約書に押印する印鑑は認印でも良い場合もありますが、不動産会社によっては実印を求めてくるところもあります。
実印が必要な場面:ローンを組む時
金融機関との住宅ローン契約時も実印や印鑑登録証明書が必要です。申込人と担保提供者の「印鑑登録証明書」を提出しないといけません。
住宅ローンの借り換え時には実印でなく印鑑登録証明書が必要です。
実印が必要な場面:遺言書を書く時
自分で書く「自筆証書遺言」には押印が必要になります。
しかし法律上は必ず実印でなければいけないということはありません。
ただ、遺言の効力が争われた際に、実印を押してあれば本人が書いたものだと判断される可能性が高くなります。
家族間の揉め事防止の観点から言っても実印の方が良いと思われます。
実印が必要な場面:遺産相続の時
遺産を相続する際には実印が必要になります。
不動産の相続登記や被相続人の預貯金の払い戻しなど手続きの際に使用されます。
また、遺言書が無い場合や遺言書に記載がない財産が見つかった場合に、相続人全員で遺産分割協議して遺産の分け方を決めなければなりません。
その際には相続人全員が遺産分割の内容に同意したことを証明する書類「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書自体は絶対に実印でないといけないという規定はありません。
しかし、実際に不動産の相続登記や被相続人の預貯金の払い戻しなどの相続手続きの際には、相続人全員の実印が押された遺産分割協議書+印鑑証明書を求められることがほとんどです。
実印が必要な場面:自動車の購入・売却・廃車の時
普通自動車を購入する際は実印が必要になります。
普通自動車を購入する際は、国交省への登録が必要となり、この登録の際に実印が必要です。
ローンで購入する際にはその時点では車の所有者ではないので(払い終わるまではローン会社が所有者のため)実印は不要ですが、ローンを払い終わった際の手続きには必要になります。
一方、軽自動車を購入する場合は、軽自動車審査会に必要書類を提出するのですが、そちらは署名や認印等のみで大丈夫なため実印は不要です。
また、車を購入た後に、登録手続きを販売店に代行してもらう際に必要な「委任状」を書く際にも実印が必要です。
ナンバー登録・名義変更などの登録手続きは自分でも行うこともできますが、申請手続きには時間や労力を要しますので、販売店へお願いする方が多いでしょう。
車を売却する場合にも名義変更の為、実印が必要ですし、廃棄の場合も必要になります。
実印が必要な場面:生命保険や自動車保険の加入・受け取り
生命保険の加入の際は必ずしも実印が必要ではありません。
受け取りの際には生命保険会社より実印を求められる場合が多いようです。
自動車保険も同じように必ず実印が必要な場合と必要で無い場合があります。
保険会社によっても違うようですが、自動車保険の名義変更の場合は必ず実印が必要です。
実印が必要な場面:お金を借りるとき
銀行や消費者金融のカードローンでは、実印は不要です。
必要なのは住宅ローンや不動産を担保としてのローンを組む場合は必要になります。
実印が必要な場面:会社を立ち上げる時
会社を立ち上げる際にも実印が必要になる手続きに必要です。
金融機関の融資を受ける場合や不動産取引などその後の手続きにも使用します。
会社としての実印を作成する場合もありますし、個人事業主なら個人の実印を使用する場合もあります。
実印が必要な場面を見ていくと大きなお金が動くとき、人生の節目において必要になる場合が多いようです。
女性だからいらない、結婚していたらいらないという事は無いと思います。
現代は共働きの夫婦も多く、夫の方が稼ぎが大きくても自営業やフリーランスの際は、妻が安定した収入がある場合、家を借りたりローンを組みやすくなります。
また、夫婦連名の住宅ローン(ペアローン)などを利用する場合は、夫だけでなく妻の実印も求められる場合があります。
仕事をしている人は、専門的なスキルを活かして会社を立ち上げたり、銀行から融資を受けたりという可能もあります。
親からの遺産相続なども突然やってくるかもしれません。
特に遺産相続や生命保険の受け取り等、身近な人が亡くなって落ち込んでいるときに、実印を選んで役所に申請してと手続きをするのは心身共に負担になります。
余裕のある時にじっくりと選んで申請手続きを済ませておくのをお勧めいたします。
実印は女性にも必要な時がある!フルネームにしない方がいいって本当?
女性が実印を作る際はフルネーム(苗字と名前)ではなく、名前のみがいいと聞いたことはありませんか?
苗字だけならともかく、名前だけなんて正式な印鑑として登録できるのだろうか?
できるんです。
なぜならそのような規定になっているからです。
実印に彫る名前の規定
実印に彫るものは『住民票に記載されている「氏」「名」「氏名」のいずれか』とされています。
苗字でも名前でもその両方でも、住民票に登録されている名前なら実印登録は可能です。
※多くの自治体では名前のみの登録が可能ですが、一部例外もあります。
作成前にお住いの自治体に確認してください。
本当はフルネームの方が画数が多い分、デザインが複雑になるため偽造などの防犯性が上がります。
ただ、女性は、男性と違い結婚で名前が変わります。そうなると以前の苗字では実印を使えなくなってしまい、新しい実印をまた作り直さなくてはいけません。
そのような意味からも、結婚後も使えるよう「名前だけ」で実印を作っておくことがおすすめなのです。
実印に女性用ってあるの?サイズや書体や素材なども気になる!
実印に女性用として法的な規定はありません。
一般的に女性用として選ばれているサイズや書体などを見ていきましょう。
実印のおすすめサイズ:女性用は13.5mm、15.0mm
まず、実印登録ができる印鑑のサイズは一般的に8mm~25mmという規定があります。(市区町村ごとで若干の差はあります)
このサイズの中で実印の大きさを決めていくのですが
女性の実印のサイズは13.5mm、15.0mmあたりが多く選ばれています。
大きさを選ぶ基準としては
まず、女性の実印は男性のものよりも一回り小さく作られる傾向があります。
理由は2点
女性の手の方が小さいため小さめに作った方が握りやすいということ
夫婦の場合は夫の実印の大きさよりも小さめに作ることで、サイズで見分けやすくなるということ
があります。
また、すでに銀行印や認印をお持ちの場合は実印>銀行印>認印の大きさで揃えると一般的であるとともに、サイズで見分けがつきやすいのでおすすめです。
実印のおすすめ書体:女性用に人気なのは太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)
実印の書体ですが基本的は自由に選ぶことができます。
ただ、実印の役割を考えると簡単に複製されにくいものにしなければいけません。
出来るだけ複雑で簡単に代わりを作ることができない・解読し難い書体を選ぶ必要があります。
また、耐久性を考えて印鑑の淵などが欠け難いデザインというのも重要です。
複製されにくい・解読し難い・耐久性を考えると実印におすすめの書体は以下の3つとなります。
篆書体(てんしょたい) | 印相体(いんそうたい) | 太枠篆書体(細篆書体)(ふとわくてんしょたい) |
象形文字から誕生したと言われる篆書体は、印鑑書体の元祖とされている、歴史的の古い書体。
印鑑以外にも日本のお札などに使われている書体で、威厳や風格があり、実印などの個人印鑑や、法人印鑑で人気の書体です。 |
篆書体をベースに誕生した印鑑の書体。力強い印象と合わせて、印影が複雑でセキュリティ対策となり、枠も欠けにくい実用的な印鑑書体です。
吉相体(きっそうたい)とも呼ばれる縁起の良い書体で、特に銀行印に最適です。 |
特に女性に人気が高い書体が太枠篆書体(細篆書体)。
篆書体がベースですが、他の印鑑書体と比べると文字が細身で、柔らかく軽やかな印象を与えることが、女性に人気の理由でしょう。 文字の部分とは対照的に、印影の枠が太いため強度もあり、女性用の実印や銀行印などの印鑑の書体としておすすめです。 |
引用 印鑑.com
自分の名前を書体に変更してみることができるサイトもありますので選ぶ時の参考にしてみてください。
「はんこ祭り」 書体サンプルのプレビューサイト
実印のおすすめ材質:「木製」は女性に人気!他にも「角・牙製」「金属製」
実印の材質についても迷うことが多いかと思います。
実印の5,000円~30,000円程度と幅広いです。
もちろん店舗によってや、手仕事なのかオリジナルデザインなのかなによっても価格は変わってきます。
ただ、一番の価格差はどの材質を選ぶかによって大きく変わってくるからです。
印鑑の材質は大きく分けると
- 樹脂製
- 木製
- 角・牙製
- 金属製
の4つに分けられます。
この中で実印に適しているのが「木製」「角・牙製」「金属製」になります。
それぞれの代表的なものを見ていきましょう。
実印のおすすめ材質:見た目の美しい木製
木製は素材の特性を生かし木目が美しく手になじみます。
高級な柘植や白檀からなじみのある桜まで種類も多く価格帯も様々です。
実印のおすすめ材質:重厚感を感じる角・牙製
黒水牛は重要な書類に押すのにふさわしい黒々とした光沢があります。
牛角は白っぽいものから黒っぽいものまで様々で濃淡の美しさを楽しむこともできます。
ちなみに象牙は1989年のワシントン条約締結により商取引は全面的に禁止され、そのあとは限定的に輸入される場合もありますが数が希少です。
格安で象牙と販売されているものは偽物の可能性が高いので購入しないようにしましょう。
実印のおすすめ材質:圧倒的な耐久性の金属製
最近人気があるのがチタン製です。
お値段は上がりますが、他の材質と違って圧倒的な硬さを持っている為、耐久性があり摩耗の心配もありません。
さびないので朱肉が詰まったり、汚れたりした場合も歯ブラシなどを使って水洗いも可能です。
画数や文字数の多い複雑な名前で、印鑑の線が細くなり他の素材では欠けてしまう恐れがある場合にもおすすめです。
他の素材よりも少し重さがあるというデメリットがあります。
価格と耐久性・見た目を考慮に入れながら納得のいくものを選びたいですね。
実印は女性にも必要!インターネットでも買えるおすすめ印鑑サイトはこちら
実印を購入するのに、相談しながら決めたい場合は実店舗に行って内容を確認しながら決めるのもいいでしょう。
ですが、今はインターネットでも購入できます。
実店舗のように家賃や人件費がかかっていない分、お得に購入できたり、品ぞろえも多く出来上がりも早い場合もあります。
購入の際には選択肢として入れてみるのはいかがでしょうか。
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年間47万件の出荷実数のある大手印鑑サイト。
楽天市場でも販売されており、ユーザーからも高評価を受けています。
一部の商品にはかけてしまった場合に彫りなおしてもらえる「印鑑の30年保証」がついているようで安心ですね。
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こちらも「10年の安心保証サービス」がついています。
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印材数日本一とあるように特に高級印材が豊富です。
どうせ作るならこだわって作りたい方に。
関東にお住いの方なら実店舗もあるので実際に目で見て確認することもできます。
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実印は女性に必要ない?そもそもどんな時に必要になる印鑑なの?まとめ
- 実印とは「各市町村区に印鑑登録がされている、公的に認められている印鑑」のこと。実印は基本「印鑑証明書」とセットで提出することを求められます。本人しか利用することができません。
- 実印は購入したら即使えるものでなく、申請をして初めて実印となります。時間の余裕のある時に作成しておいた方がいいでしょう。
- 実印を利用するときは大きなお金が動く場合や人生の節目になるようなときに必要になることが多いです。家や自動車の購入・遺産相続や会社の立ち上げまで必要な時は様々です。
- 女性が実印を作成する場合は結婚などで苗字が変わる場合もあるために「名前のみ」での作成をおすすめします
- 実印は市町村の規定内のサイズや氏名で作成すれば、女性用としての特別な規定はありません。書体は解読や複製が難しい篆書体(てんしょたい)や印相体(いんそうたい)がおすすめです。素材は耐久性・見た目の好みや価格でお好きなものを選びましょう。
実印は人生の大事な時に利用するものです。
一生に何度も作り直すものでもないので、必要になって焦って適当に作ってしまうと後悔しそうです。
高すぎるものは必要ありませんが、自分の決断に責任と自信が持てるように後押ししてくれるような実印を、きちんと選んで作っておきたいですね。
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