可愛らしいフォルムとまったりした声が特徴的なくまのプーさん。
小さい子供から大人まで幅広い層に人気のあるとても癒されるキャラクターでグッズを集めるファンも多くいますよね。
そんなくまのプーさんの原作はどのようなものかご存知ですか?
馴染みのあるディズニー版のプーさんとはビジュアルもストーリーも少し違います。
今回はくまのプーさんの原作についてまとめてみました!
Contents
くまのプーさんの原作は4冊存在した!
くまのプーさんといえばディズニー作品を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は原作のくまのプーさんはあのミッキーマウスよりも先に誕生しています!
原作のくまのプーさんシリーズは
- 『ぼくたちがとてもちいさかったころ』(1924年)
- 『クマのプーさん』(1926年)
- 『ぼくたちは六歳』(1927年)
- 『プー横丁にたった家』(1928年)
の4冊からなっています。
『ぼくたちがとてもちいさかったころ』(英:When We Were Very Young)
日本語版は『クリストファー・ロビンのうた』。1924年にA.Aミルンによって刊行された童謡集です。
ミルンが当時3歳であった息子のクリストファー・ロビン・ミルンのために童謡44篇を集めて作りました。
ミルンが初めて児童向けに作った作品で、後にプーさんとなるクリストファー・ロビンのテディベアも『エドワード・ベア』という名前で登場します。
『クマのプーさん』(英: Winnie-the-Pooh)
1926年に刊行され、前書きには『エドワード・ベア』から『プー』に改名された理由や、前作では登場しなかったピグレットについても記述されています。
本編は10篇のエピソードで構成されており、第1章目は後にディズニーで制作される短編映画の1作目となります。
『ぼくたちは六歳』( 英:Now We Are Six)
1927年にミルンの第二童謡集として刊行されました。
6歳に成長した息子クリストファー・ロビンのために作られた35篇を集めたもので、いくつかの詩に前作で人気を集めたプーさんが登場します。
序文には『プーさんがピグレットを探しているうちにこの本に迷い込んでしまった』と記述されています。
とても可愛く遊び心のある作者の序文ですね!
『プー横丁にたった家』
1928年に刊行され前書きと10篇のエピソードで構成されています。
前書きには今作でシリーズが完結する事が記されています。
最終章ではクリストファー・ロビンが成長しプーさん達のいる子供の世界、100エーカーの森を去り大人の世界に旅立つエピソードで物語は終わりを迎えます。
切なくもあたたかい完結の仕方で子供だけでなく大人も魅了する作品となりました。
登場キャラクターや100エーカーの森が実在した⁉︎
くまのプーさんシリーズでお馴染みの、森の仲間たちや物語の舞台である100エーカーの森には、それぞれモデルが実在しました。
クリストファー・ロビン
物語の中で唯一人間の男の子で賢く思いやりがあり、森の仲間たちから信頼されるリーダー的な存在です。
モデルは原作者A.Aミルンの息子です。
プー
100エーカーの森に住み、のんびりやで友達思いのくまのぬいぐるみです。
ハチミツが大好きで食いしん坊なのも有名ですよね。
モデルはクリストファー・ロビンが1歳の誕生日に貰ったテディベアで、元々は『エドワード・ベア』と言う名前で呼ばれていました。
クリストファー・ロビンが初めて訪れたロンドン動物園で人気だった黒熊の『ウィニー』、またロンドン郊外で出会った白鳥の『プー』から名前をとり『ウィニー・ザ・プー』に改名されました。
ピグレット
100エーカーの森に住む体が小さい子豚でプーの親友です。気が弱く臆病ですが仲間思いの優しい性格です。
モデルはクリストファー・ロビンが幼い頃隣人にプレゼントされた豚のぬいぐるみです。
イーヨー
100エーカーの森に住む暗くてひねくれ者のロバで、悲観的な言葉を発することが多くありますが、仲間たちから愛される存在です。
モデルのぬいぐるみはクリストファー・ロビンが1歳の年のクリスマスにプレゼントとして贈られたものです。
ティガー
ある日突然100エーカーの森にやって来た子供のトラです。体は大きいですがルーと同じくらい幼く、後にカンガにルーと一緒にお世話になることになります。
モデルは新しいキャラクターを登場させ物語を進展させるためにA.Aミルンがクリストファー・ロビンに買い与えたトラのぬいぐるみです。
カンガ&ルー
100エーカーの森にいつの間にかやって来て、住みつくようになったカンガルーの親子です。
子のルーはまだ幼くやんちゃで、母のカンガは後にティガーの面倒も見ることになります。
モデルはティガーと同じく物語の進展のために買い与えられたカンガルーのぬいぐるみです。
これらのぬいぐるみ達にクリストファー・ロビンの母であるダフネが声と性格を与え一緒に遊んでいたことからぬいぐるみ達に生命が吹き込まれたのです。
自分はそのように生み出されたキャラクター達を描写しただけだと作者のミルンは記しています。家族の微笑ましい光景が想像できますね!
物語の登場キャラクターのうちモデルが存在しないのは、ウサギのラビットとフクロウのオウルだけです。
100エーカーの森
物語の舞台である子供の世界『100エーカーの森』のモデルも実在します。
ロンドン郊外の田園地帯、アッシュタウンの森です。
ミルンはこの地に別荘を建て家族と何度も訪れ、クリストファー・ロビンはぬいぐるみ達も連れて行きました。
作品が有名になって以降、現在も愛読者が訪れる人気スポットになり、別名『ファーストロビンの森』と呼ばれています。ファンにはたまらない場所ですね!
『クマのプーさん』に続編が存在する⁉︎
クマのプーさんシリーズは前述した通り『プー横丁にたった家』で完結しました。
成長したクリストファー・ロビンに森の仲間達が別れの決議文を渡し、クリストファー・ロビンがそれを読んでいるうちに1人ずつその場を去って行きます。
最後にプーとクリストファー・ロビンだけが残り、プーに『なにもしない』をすることが出来なくなったと告げ、再開を約束してお別れをするところで物語は終わります。
しかし2018年に原作の続きとなる実写映画『プーと大人になった僕』が公開されました!
大人になったクリストファー・ロビンが仕事の難題や多忙による家族との溝に悩んでいるところに、かつての親友プーさんが現れ、"大切なもの"を取り戻すというファンタジー映画です!
映画を観た人からは「見て数分で泣いた」「ちっちゃい頃にプーさんを見てた大人は全員泣くのでは…」「忙しくて心がしんどくなった時にまた見たい映画」と絶賛の声があがりました。
くまのプーさんの原作にはぬいぐるみのモデルがいた!続編も存在する!のまとめ
今回は
- くまのプーさんの原作には4冊ある。
- 登場キャラクターや100エーカーの森はそれぞれ実在するものだった。
- A.Aミルンが息子のために書いた作品がくまのプーさんだった。
- 『クマのプーさん』に続編が2018年に公開されている。
についてまとめました!
世界中で愛される作品には作者の息子への愛が詰まっていたんですね!
ほっこりした可愛らしい魅力が溢れる原作版の『クマのプーさん』の作品もぜひ見てみてくださいね♪