オートファジーという言葉をご存じですか?
これを利用したダイエット法が16時間断食としても注目される体の細胞に起こる現象のことですが、健康効果とともに常識を覆す理論に対しデメリットもささやかれています。
デメリットを制してこそ健康が見えてくる!!
ここではオートファジーのデメリットに焦点を当てて解説していきます✨
Contents
オートファジーのデメリット&効果を得るためのポイントとは?
オートファジーという言葉のイメージがダイエットと結びついている方も多いと思います。
そのことから、オートファジーが起こると痩せる‼16時間断食はダイエット効果抜群‼
そんなイメージが強いのが事実です。
しかし、ダイエット法としてだけでなく、オートファジーが起こることで体にどのような影響が出るのか知っておくことは真の健康を目指すうえでとても大切です。
書籍やYouTubeで取り上げられ16時間断食を決行される方が多いようですが、噂だけで良い悪いを判断しては健康法としてもダイエット法としても失敗に終わってしまいます😱
オートファジーの仕組みは後程簡単にご説明するとして、まずはオートファジーを起こすこと、または起こす過程で体が受けるデメリットにはどんなことが考えられるのか、そしてどうすればデメリットを避けて効果を得られるのかを一緒に学んでいきましょう✨
空腹感
体は最後にものを食べてから10時間ほどで肝臓に蓄えられた糖を使い果たし、脂肪や筋肉を分解してエネルギーとして使い始めます。
16時間を超えると体に備わっているオートファジーが働くようになり、空腹の時間が長くなればなるほど体内の余分な脂肪が分解され減っていくと言われています。
このことから、オートファジーを利用したダイエット法は16時間断食とも言われています。
つまり、何も食べない時間がオートファジーを起こすには不可欠なのです。
それによって細胞が生まれ変わり、ダイエットや美肌、若返りや認知症などの病気にまで効果があることがわかっている体にとって大変重要な機能でもあります。
しかし、1日24時間の内16時間は食事をとらず、残りの8時間で食事を済ますということは、慣れないうちはかなり空腹感に悩まされることになります。
空腹は頭をボーっとさせたり集中力を欠く原因にもなります。
書いていて思い出しましたが、私は子どもの頃、卒業式の練習中にお腹が空きすぎて倒れたことがあります(笑)
恥ずかしくてお腹が空いたせいだとは決して言えませんでしたが💦空腹が思わぬ事態を引き起こすこともなくはないと悟りました・・・
8時間で食事を済ませるとすると以下のようなイメージになります。
- 朝食を8時にとる→昼食を14時までに済ませる
- 昼食を12時にとる→夕食を20時までに済ませる
朝食を摂る習慣がない方にとってはそれほど無茶なスケジュールではないかもしれませんね。
辛いのは1日3食きっちり食べているという方。
現代は飽食の時代で、1日3食は食事のとりすぎ、そのせいで生活習慣病患者が増え続けているとも言われています。
食事の量やタイミングの見直しを兼ねて、オートファジーの効果を実感するべく16時間空腹、8時間ないで食事の摂取というサイクルを試してみることをおすすめします。
空腹時間をコントロールできるようになり、16時間食べないことに慣れてくると、空腹状態が快感になってくるといった意見も見られます。
ご自分の生活スタイルに合わせてこの8時間をどこに設定するのかよく考え、仕事の時間など頭や体を使うエネルギーが必要な時間に空腹に気を取られることのないようにしましょう。
空腹を「あぁ、今全身の細胞が生まれ変わろうとしている・・・快感✨」
なんて思える頃には、あなたは立派な健康オタクです(笑)
間隔が空いた後の食事の摂取での血糖値の急上昇
血糖値の高い状態は糖尿病の方だけの症状ではありません。
普段は正常値でも食後の短時間だけ血糖値が急上昇する現象を血糖値スパイク(食後高血糖)と言います。
時間がある程度経つと血糖値が落ち着くことから自覚症状のない方が多いのですが、この血糖値スパイクによって以下のような体の不調が現れることがあります。
血糖値スパイクがもたらす現象
- 血糖値を下げようと分泌されるインスリンが引き起こす眠気やだるさ
- インスリンの分泌過剰による気絶
- 血糖値急降下による頭痛
- インスリン量増による記憶力の低下や認知症の誘発、癌細胞の増加
- 血糖値スパイクの放置で糖尿病へ
血糖値は空腹時の食事の摂取で急激に上がりやすいとされています。
また、空腹時間明けの食事は体への吸収率も高くなっています。
オートファジーには空腹の時間が絶対に必要ですが、そこから1食目の食事に入る際には血糖値を急上昇させない以下のような工夫が必要です。
血糖値を急上昇させないために
- 血糖値を上げやすいおにぎりやカップラーメンだけといった炭水化物オンリーの食事は避ける
- 炭水化物の小腸での吸収スピードを穏やかにするためにタンパク質、脂質、食物繊維を含むおかずやサラダを最初に食べる
- ナッツを食事前に食べることも効果的
- 炭水化物は低GI食品の中から選ぶと良い(玄米、全粒粉パン、そばなどの精製度の低いもの)
- 食後1~2時間後に軽い運動を行うと食後の血糖値や中性脂肪の値の上昇を穏やかにできる
実は上記の工夫の中に「欠食しない」「過度の空腹状態を作らない」と書かれた文献も多いのです・・・
それだけ空腹状態摂取する食事には注意が必要であるともいえます。
しかし、オートファジー自体には細胞内の不要なタンパク質を分解して健やかさを保ち、インスリンの正常な分泌を助けてくれる働きがあることがわかっています。
したがってインスリンが正常に作用しないことが原因の一つとされる2型糖尿病の治療にこのオートファジーの機能が役立つ可能性があるのです。
オートファジーの効果を得ると同時に、血糖値スパイクに陥るリスクを減らす食事の仕方や生活の工夫をしていけば、現代人に多い病気への効果も期待できる、とても優秀な体の機能であるといえます。
デメリットを知って「なら意識するのはやめよう」とするのはまだ早い!!仕組みややり方を知るのがいかに重要かわかります🎶
「好きなものを食べていい」の罠
オートファジーのダイエット成功者のコメントを見ていると
「好きなものを好きなだけ食べて痩せた」
「ファストフードもお肉も食べ放題」
「8時間は何でも我慢せず食べてOK。ストレスなし」
こんな言葉が非常に多く見受けられます。
嘘とは言いませんが、これを真に受けて好き放題食べれば当然太ります❌
先程もご説明したように空腹時間を置いた後の食事は体に吸収されやすく血糖値を上げやすいので注意が必要です。
食事時間を限定することで食事量が自然に減って摂取カロリーの総量が減ればいいのですが、食べられる8時間の間にここぞとばかりに詰め込むのはもちろんNGです。
食事の間隔と食事の内容はセットであると考えて、オートファジーの効果をより体全体に還元できる食事内容を見直していきましょう。
オートファジーの効果を得るという目的のためだけでなく、血糖値を上げにくくする食事内容や食事のとり方は、普段の私たちの健康のためにとても役に立つものです。
今は大丈夫でも将来生活習慣病を患って後悔することのないように、知ったこの瞬間から食事について見直してみませんか?
筋肉量の低下
オートファジーのデメリットとして筋肉が落ちたという意見がよく聞かれます。
これは、16時間食事をしないことで体の飢餓状態を作り出すと脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得ようとする機能が発動するということから危険視されていることです。
食事量自体も減るので、食事のコントロールをして減量しようとする他のダイエット法と同じように脂肪の減り筋肉も減ってしまうというわけです。
つまり、オートファジーのせいというわけではなく、オートファジーによって余分な脂肪がなくなった状態からさらに飢餓状態を作り出すことで、体がエネルギー源を求めて筋肉の分解を始めてしまうという事なのです。
そこで、8時間の食事をとれる時間の食事内容の質がここでも大切になってきます。
良質のタンパク質や脂質、炭水化物、食物繊維をバランスよく取り入れることで筋肉の減少を最低限に抑えることができます。
そしてさらに大事なのが軽い運動と組み合わせること‼
オートファジーが行われている空腹時に軽い運動や筋トレを取り入れることで、動かした部分のオートファジーがより活性化することもわかっています。
オートファジー+軽い運動は細胞の生まれ変わりと筋肉量の維持のためにベストな組み合わせであると言えます。
食事だけ、筋トレだけでの健康法は複雑な体の仕組みを考えてもわかるようにほぼ不可能なことです。
色々な体の機能や健康法のメリット、デメリットを組み合わせながら、自分にベストな方法をチョイスしていくのが健康への近道です✨
便秘になりやすい
これもオートファジーが直接的な原因なのではなく、オートファジーを意識して16時間断食をした結果、単純に食事量が減り、排便の助けとなる食物繊維などが足りなくなり便秘を起こす方がいるというのが正しい解釈です。
どうしても空腹に耐えられないときの間食としてナッツやヨーグルトはOKとされているのは、ナッツやヨーグルトの整腸作用を上手く利用するためでもあります。
8時間の間にとる食事内容を意識するとともに、食事をとらない間の水分補給にも意識を向けてみましょう。
食事をとらないと喉が渇きにくくなり水分補給がおろそかになりがちですが、人の体の50%~70%は水分でできており、水だけでも1か月以上生きられるなんてことも言われる大事な存在。
オートファジーの効果をより体に求める場合には、糖分の入ったジュースやカフェオレ等は避け、水が一番おすすめではありますが、それ以外を飲みたい場合は無糖のコーヒーや紅茶を選びましょう。
短期間での効果を求める方には不向き
オートファジーダイエットの効果に関しては、早い方で1週間で体重の変化や体の軽さを感じるようです。
オートファジーは体の中で起こるタンパク質のリサイクルにおいて重要な役割を果たしてくてる機能です。
混同されやすい部分ですが、オートファジーの機能が直接脂肪や糖を分解してくれるわけではありません。
オートファジーが関与するのはあくまでタンパク質。
食事から得るタンパク質などの栄養素を制限することで体の中にあるタンパク質を再利用しようとして細胞内の古いタンパク質を自ら食べ、新しく作り出すことができるのがオートファジーの仕組みです。
オートファジーが活性化することで脂肪燃焼を促し新陳代謝が上がることやインスリンの分泌を正常に戻す効果が健康へとつながるのです。
オートファジーで細胞が生まれ変わっていく過程で体が健康になったと感じるまでにはそれなりに時間がかかります。
バランスの良い食事を口にした習慣に健康体に生まれ変わるわけではないのと同じですね💦
何事も継続が大切、そして自分の体の状態と相談しながら断食やダイエットを進めていくことも大切です。
16時間の断食を行うことで食事量が減り、その中で必要な栄養素を摂取できていなければ、体重は減るかもしれませんが健康への影響も受けかねません。
無理のない範囲で体の声を聴きながら、オートファジーの効果を得られるよう試していくのがいいでしょう。
オートファジーのデメリットはナッツで解消!!
16時間間隔を空けて内臓を休め、外からのタンパク質供給を制限することによって活性化するオートファジー。
でもどうしても空腹が我慢できない💦
そんな時に複数の文献やYouTubeで推奨されている間食がナッツです!
ナッツがおすすめな理由には以下のものが挙げられます。
ナッツがおすすめな理由
- 食物繊維を多く含み、腹持ちがいい
- 咀嚼回数を稼げて空腹感を和らげることができる
- 低糖質で良質な脂肪が多く含まれる
- 食事を制限した際に不足しがちなビタミン・ミネラルの補給ができる
- ナッツに含まれる不飽和脂肪酸がオートファジーを活性化させる(研究段階)
ナッツの健康効果はご存じの方も多いかと思います。
脂質が多めですので量は1日の適量(片手一握り分くらい)に収め、空腹を満たしながら健康効果も狙えるナッツを効果的に取り入れていきたいですね✨
オートファジーの効果を得たいならタバコやお酒はNG!?
タバコやお酒・・・やめられない方いらっしゃいますよね?
今ダイエット中なんだぁ🎶といいながらそのイライラをタバコで紛らわしたり、おつまみの質は気にするけれどお酒の量は気にしなかったり。
オートファジーの活性化のために16時間断食をしようとする場合にも、もちろんタバコやお酒はよくありません。
それぞれが悪影響な理由をまとめていきたいと思います。
オートファジーの阻害だけじゃない・・・タバコの害
タバコのリラックス効果は実際には脳内が酸欠状態になり多くの細胞が死滅している状態なのだそうです💦
頭が働かなくなってボーっとしている状態を快感と誤って認識しているようなもの。
タバコにはタールやニコチンをはじめとする約200~300もの有害物質が含まれています。
発がん性や様々な疾患を引き起こす原因となるそれらの物質を取り入れることは、オートファジーの効果をかき消すどころが逆に健康とはかけ離れていくだけです。
これでは16時間断食をして食事を気をつけていても意味がありません。
オートファジーの効果を意識した場合に限らず、タバコは百害あって一利なしということは覆しようのない事実です。
健康のことを考えるのであれば、是非喫煙習慣の見直しをされることをおすすめします。
適量は良薬・・・とは言い難いお酒の害
適量は体や精神面にいいんだよ🎶
よく聞かれる言葉です。
確かにワインなどに含まれる体にいい成分も知られていますし、適量を飲むのがいい場合もないとは言えません。
しかし、断食などをする際にお酒を飲んでしまうとアルコールの分解に肝臓が忙しくなり、オートファジーがストップしてしまって不要なタンパク質の分解がされなくなってしまいます。
また、食事量を制限しているところにアルコールを流し込むのは胃の粘膜を傷めることになり大変危険です。
また、空腹時の飲酒は悪酔いしやすくその後の体調不良にもつながりかねません。
私も断食していたわけではないのですが空腹にワインを数杯、おつまみもまともに食べずに楽しんだ結果、大いに苦しんだ過去があります💦
オートファジーの活性化をさせて健康に近づきたい!オートファジーダイエットを成功させたい!
そんな方はやはりお酒も控えることをおすすめします。
オートファジーは細胞のリサイクル⁉わかりやすく解説します!!
ここまでオートファジーのデメリットについて解説してきました。
正確には「オートファジーの活性化を目的に食事制限や食事サイクルを変えた際に起こるデメリット」であることがお判りいただけたかと思います。
オートファジー自体は体にとって必要な機能です。
ここで改めてオートファジーとは何なのか、まとめておきたいと思います。
オートファジー (Autophagy) は、細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つ。下記のギリシャ語から自食(じしょく)とも日本語訳される。酵母からヒトにいたるまでの真核生物に見られる機構であり、細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成したときや栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原微生物を排除したりすることで生体の恒常性維持に関与している。このほか、個体発生の過程でのプログラム細胞死や、ハンチントン病などの疾患の発生、細胞のがん化抑制にも関与することが知られている。
2016年に当時東京工業大学特任教授であった大隈良典氏らがオートファジーの仕組みを解明した功績からノーベル生理学・医学賞を受賞したことで一躍注目のワードとなりました。
auto-はギリシャ語の「自分自身」、phagyは「食べること」の意で、合わせて「自食作用」と日本語訳されます。
つまり、細胞内で余分なタンパク質を自ら食べて新しく生まれ変わらせるリサイクル機能のようなものです。
私たちの体の中にある小さな細胞一つ一つの中でさらにそんな複雑なことが行われているんですね。
この要らなくなったタンパク質を自ら食べてリサイクルするという流れを活性化させるために、外からのタンパク質や栄養素の供給を一時的に制限するのが、昨今話題になり続けている16時間断食・オートファジーダイエットというわけです。
痩せるためにやる!!では、オートファジーのせっかくの効果を実感する前に挫折してしまう方も多いと思います。
オートファジーは痩せるために必要なだけでなく、もっと重要な任務を体の中で担っているという事を頭において、オートファジーの活性化を得るための断食や食事サイクルのコントロールに臨みましょう。
【オートファジー】デメリットを制する者こそが真の健康を手に!!のまとめ
ダイエット法として話題となり広く知られるようになったオートファジー。
オートファジーダイエットは楽に痩せられる‼
そんな情報ばかりが先行してしまい肝心のオートファジーの健康面での効果や体に与える影響の知識が遅れているように感じます。
オートファジーにもデメリットがあるのか?
答えは、「オートファジーは体に必要なとても重要な機能である」です。
デメリットと言われるのは、オートファジーの活性化を狙って断食をした場合に体に表れる不調のことを指します。
そのデメリットやオーファジーを活性化させるために気をつけたいことをまとめるとこのようになります。
まとめ
- 16時間の空腹の辛さの先にオートファジーの素晴らしい効果の実感がある
- 食事間隔をあけることによる食事の際の血糖値の上昇は食事内容の見直しで回避
- 好きなものを好きなだけは❌食事内容が重要
- 筋肉量の低下は断食や食事制限による栄養不足が原因 オートファジー+筋トレでオートファジーの活性化をより促すことができる!
- 便秘になりやすいのはオートファジーを狙った食事制限による食物繊維等の不足が原因 食事に食物繊維や整腸作用のある食材を取り入れよう
- オートファジーは1日にしてならず 健康のことを考えるなら長い目で栄養バランスを考えながら生活の中で意識しよう
- 16時間断食の間食には栄養豊富なナッツがおすすめ
- タバコ・お酒は❌ オートファジーを阻害する可能性が!!
オートファジーダイエットのデメリットと混同されがちですが、オートファジーの機能は体の健康にとって重要なものです。
この記事でご説明したデメリットをしっかりととらえ、正しい知識を身につけてダイエットや健康増進に取り組んでいきましょう✨