コロナ禍(か)で外食の機会が減り、気分を変えたいときにテイクアウトやデリバリーを利用している人もいるのではないでしょうか。
私もフードデリバリーサービスを利用していますが、中でもよく使うのは「ウーバーイーツ(UberEats)」です。
仕組み自体が新しく、消費者にとっては便利な一方で、配達員への待遇が整っていないなどといったネガティブな内容も含めて最近話題に上ることが多いウーバーイーツ。
そんなウーバーイーツの由来ってなんだろうと考えたことはありませんか?
実はウーバーイーツの親会社「ウーバー(Uber)」の語源はドイツ語で、「優れた〜」という意味があります。
更に、ウーバーがもともと始めたフードデリバリーサービスの名前は違う名前だったようです。
ウーバーイーツの国内外での広がりや課題点についてもまとめましたので、あわせてみていきましょう。
Contents
ウーバーイーツの由来や語源はドイツ語? 「優れた〇〇」という意味
「ウーバー」の由来や語源は「優れている」という意味
そもそも社名にも使われている「ウーバー(Uber)」という言葉は、英語のスラングでは「超」とか「すごい」という意味があるそう。
この Uber の語源はドイツ語の「Über」から来ており、英語での「Over」に近い意味になります。
また、名詞の前につけることで「極めて良い」や「優れた」という意味で使われるようです。
これにならえば、「ウーバー○○」というサービスは「優れた○○サービス」という意味になると考えられます。
つまり、「ウーバーイーツ」とは「優れたフードデリバリーサービス」という意味になるというわけです。
「ググる」に続くか? 「ウバる」
アメリカでは配車サービスのほうが認知度の高いウーバー。
元は英語のスラングが名前の由来とお話しましたが、最近では造語ができているようです。
有名なサービス名は動詞として使われるようになるとも言われ、ウーバーもこの例に漏れなかったというわけです。
例えば「ググる」などは日本語でもネット上でよく使われますね。
アメリカでも「Google」は動詞として使われるので、”I will google it. (それググってみるよ)”のような使い方ができるわけです。
ウーバーも同様で、”I ubered home.(ウーバーを使って帰宅した)”のような使い方をされるようです。
元はドイツ語語源のスラングが由来だったウーバー。
今や社名が由来の造語までできたのですから、言葉って面白いですね。
ウーバーイーツの由来や語源:元々はウーバーフレッシュという名前だった
もともとは「ウーバーフレッシュ」だった
実は「ウーバーイーツ」はもともと「ウーバーフレッシュ(UberFresh)」という名前で、ロサンゼルスでサービスをスタートさせていました。
Business Insider誌によれば、新たなビジネスを求めて人以外のものを運ぶことを検討する際、生鮮食品やコンビニの商品などを配達する実験も行ったのだそう。
はじめは配車サービスのノウハウを活かし、かなり限られた範囲でのみ注文が可能でした。
しかし、実験からもフードデリバリーには配車サービスとは異なる様々なニーズがあることがわかってきたため、注文できる範囲を広げるなど消費者が満足するための改良を行いました。
そして、ブランド名もわかりやすさを重視し「ウーバーイーツ」に変更されたのです。
ところでウーバーイーツって何?
運営会社はアメリカのテクノロジー企業
ところで、ここで一度ウーバーイーツがどのようなサービスかおさらいしておきましょう。
ウーバーイーツはフードデリバリーサービス(食事の出前サービス)のひとつ。
運営会社はアメリカのサンフランシスコを拠点とするウーバー・テクノロジーズです。
ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies, Inc.)は、「Rides」「Eats」「Freight」「その他の投資」「ATG(Advanced Technologies Group)」とその他の技術プログラム」の5つのセグメントで事業を展開している。
引用:Strainer
アメリカでは配車サービスの「ウーバー(Uber)」が一番良く知られています。
例えば、行ったことのない旅行先で乗ったタクシーで、運賃を水増し請求されたり、わざと遠回りをされたりといったボッタクリに合った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は私も旅行先でボッタクリに合ったことがあります。現地の友人の助けがなければ何十倍もの運賃を払う羽目になっていた…ということがありました。
ウーバーの誕生はこういったボッタクリを防ぐサービスを作ることが前提にあったようです。
その同社が2014年に立ち上げたフードデリバリー事業が「ウーバーイーツ」なのです。
ウーバーイーツのサービスの仕組み
ウーバーイーツでは、料理を注文する消費者・料理を提供する飲食店・料理を運ぶ配達員の三者をつないでいます。
注文者はアプリやブラウザから自分の食べたい料理を注文します。
飲食店は注文を受けたら調理をし、注文された料理を配達員に渡します。
配達員は飲食店に自転車もしくはバイクなどで向かい、料理を受け取った後、注文者の指定した場所に料理を届けます。
なお、注文者は支払い方法を現金やクレジットカード決済などから選ぶことができます。
対面で受け取る必要もないことから、コロナ禍で利用者が伸びているのだとか。
実際に以下の調査データを見てみても、新型コロナウイルスの流行前後でウーバーイーツの利用が大きく増えていることがわかります。
コロナ前の2019年の利用率が【12.0%】だったのに比べ、コロナ禍の2020年では【27.8%】にまで伸びています。
引用:MMD研究所
また、配達できる手段(自転車やバイクなど)を持っていれば比較的簡単に配達員になることができることから、コロナ禍で働く場の減った人が配達員に登録する事例も多かったとか。
消費者でも簡単に配達員として働けることが仕組みとしては新しいため、今後の制度の整備が課題として挙げられる理由のひとつなのです 。
ウーバーイーツの由来や語源:国内外でのウーバーイーツの広がりと課題
世界500都市以上で利用可能
日本では2016年にサービスがスタートしたウーバーイーツ。
公式ホームページによれば、2021年3月現在、国内では北は北海道から南は沖縄まで、ウーバーイーツが利用できるのだそうです。
まだ都市部に利用が限られている印象ではありますが、次第に利用できる範囲が広がっているのは嬉しいですね。
海外でも、アメリカだけでなく中南米やヨーロッパをはじめ世界【69ヶ国】で利用できるようです。
ちなみに、日本ではピザなどの直営店を除けば利用度1位のウーバーイーツですが、海外では少し様相が違います。
アメリカでは「GrubHub」や「DoorDash」といったサービスのシェアが大きい地域のほうが多いですし、アジアの地域でも「GrabFood」や「foodpanda」といったアプリの利用が目立ちます(Reproより)。
日本でも、今後はもしかしたら他のサービスがよりシェアを伸ばして来て、様々なサービスが展開していくかもしれませんね。
労働環境などに課題も多いウーバーイーツ
日本でも度々話題になるのが、配達員に対する労働環境面での問題点です。
配達員は個人事業主となるため、日本に参入した当初は満足な労働組合や災害補償もありませんでした。
現在は労働組合もでき、配達時の災害補償も拡充されています。
労働組合の報告では、報告された事故のうち4割のケースで1ヶ月以上の休業が必要だったとのこと。
悪天候や交通事情など配達員としての労働は危険も伴う仕事ですから、こういった補償については充実させたいところです。
しかしながら、2021年3月には実質的な報酬の値下げになると話題になり、配達員への待遇の厳しさが再び話題となる形になってしまいました。
フードデリバリーは配達員の安心・安全が確保されて初めて成り立つサービスでもあります。
会社側が今後どのように配達員の待遇の改善に努めていくかも注目していきたいところです。
ウーバーイーツの由来や語源についてのまとめ
今回はウーバーイーツの由来や語源についてお伝えしました。
- 「ウーバー」はドイツ語語源のアメリカのスラングで「超」や「すごい」の意味。
- 元のドイツ語の意味と合わせて考えれば、「ウーバーイーツ」は「優れたフードデリバリーサービス」という意味になる
- 今では企業名自体が動詞として使われるまでにウーバーのサービスは世界に浸透しつつある
この「優れたフードデリバリーサービス」は今後も世界に広がっていくでしょうが、同時にそのサービスを担うドライバーや配達員が安心して働ける環境づくりがますます必要になっていくと感じます。
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