東京の大動脈と呼ばれる山手線。中央線とか京浜東北線には快速があるのに、山手線には快速がない!
何故なんでしょう。そんなところをあらためて真面目に考えてみました。
山手線に快速がないのは何故本当の理由は?
山手線に快速列車が設定されていない理由は、その路線の特性と運行目的によります。以下に主な理由を挙げます:
- 路線の環状性: 山手線は東京の中心部を一周する環状の路線で、すべての駅が重要な接続点となっています。快速列車を設けると、一部の駅を通過することになり、利便性が下がってしまうため、全駅停車のみの運行となっています。
- 駅の密集: 山手線は駅間距離が短く、平均して1駅あたり約1.3キロメートルしかありません。このため、快速列車を走らせても、大きな時間短縮効果は得られない可能性が高いです。
- 輸送の効率化: 山手線は東京都心を移動する多くの人々にとって、重要な交通手段です。すべての駅で停車することにより、乗客の流れを最適化し、混雑緩和にも寄与しています。
- 車両との兼ね合い: 山手線は総武線快速や中央線快速など、他の線との接続も考慮する必要があります。すべての列車が全駅停車とすることで、他線との接続がスムーズに行われ、ダイヤ管理が容易になります。
このような理由から、山手線は効率的かつ平等なアクセスを提供するために全駅停車のサービスを提供しているわけです。
京浜東北線に快速がある理由は?
京浜東北線に快速列車が設定されている理由は、その路線がカバーする広範な地域と、通勤・通学のニーズを効率的に満たすためです。以下に主な理由を挙げます。
- 広範なカバーエリア: 京浜東北線は、東京の大手町から神奈川県の横浜、さらに埼玉県の大宮までを結ぶ長い路線です。この長距離をカバーするためには、一部の駅を通過して速度を上げることが効率的です。
- 通勤・通学の需要: 京浜東北線は、大都市圏の重要な通勤路線であり、特に朝夕のピーク時には多くの通勤者や学生で混雑します。快速運転により、利用者がより速く目的地に到達できるようにすることが求められています。
- 駅間距離の違い: 京浜東北線の駅間距離は山手線と比べて長い区間もあります。そのため、快速列車を運行することで、特に長距離を移動する乗客の所要時間を短縮できます。
- 路線の役割: 京浜東北線は、都心部だけでなく、郊外のベッドタウンとの間を結ぶ重要な路線としての役割も担っています。快速列車により、郊外から都心へのアクセスが向上し、利便性が高まります。
京浜東北線に快速列車が設定されているのは、これらの理由により、広範囲にわたる利用者のニーズに応え、通勤・通学時間の短縮を図るためです。
山手線に快速を走らせた場合のメリット
実は鉄道会社の立場から考えると、快速運転を実施したほうが経費は削減できるはずなんです。というのも、電車は家電製品と一緒で、起動するときに最も電力を消費し、いったん高速走行に移れば慣性で動くので、それほど電力を消費しないものなんです。
同じ距離を走行するものであっても、あまり多くの駅には停まらずに走り続けたほうが消費電力が少なくて済み、経済的ということができます。ただし、これは、ある程度の距離、所要時間がかかる場合の話。山手線の場合、
快速の通過待ちができる駅がほとんどなく、ダイヤをどのように工夫しても、大幅な時間短縮ができない。こういったところが、山手線に快速運転が開始されない大きな理由なのでしょう。
山手線に快速を走らせた場合のデメリットについて
おそらく、メリットより、こっちのデッメリットの方が目立ってしまうでしょう。まず、快速の通過待ちによって、通過駅で各駅停車に乗る人の待ち時間が必要になり、目的地までの所要時間は、かえって長くなってしまうことが予想されます。
そして、ラッシュ時には、特にホーム上に大後の乗客が溜まった状態になっていまし、混雑が悪化してしまう。それにともなって、到着した列車の乗り降りに返って時間がかかり遅延の原因になってしまう可能性が高い。
それから、これも、大きな問題と思いますが、山手線は、世界でも最高の過密ダイヤと言われ、ここに快速運転を実施するとダイヤがより一層複雑になり、小さなトラブルが発生した際に復旧がこれまで以上にかかってしまうという問題が発生するでしょう。
確かに、複数路線が乗り入れている路線や、快速運転を実施している路線はトラブル発生時の復旧により時間が掛かる傾向にあり、過密ダイヤの山手線に快速運転の実施は難しいと考えられる。
当然、ダイヤ面以外にも、路線の移設はホーム等の増強も必要になってくると快速運転は見合わせたほうが良いのだろうというのは、よく分かることです。
そんなわけで、山手線に快速が運転されるということは、当面ないはずなので、どんなに急ぎの時でも、諦めて、各駅停車でいきましょう。