この記事では、アパレル業界を退職する時の、手紙の書き方、お客様への手紙をどのようにしたら良いかお教えします。立つ鳥跡を濁さずで、円満退社のために必要な情報を網羅しています。アパレル業界の退職を考えている、もしくは退職が決まった方には必見の内容です!ぜひ最後までご覧ください。
Contents
アパレル退職時お客さまへのお手紙の書き方
ここからは、退職時のご挨拶でもっとも重要で時間もかかる、お客さまへのお手紙の具体的書き方をお教えします。
お客さまへの手紙は手書きがおすすめ
まず、何に書くか、ですが、大抵の場合お店がサンクスレターやDM用に用意している葉書や封筒と便箋を使って書くと思います。退職するとはいえ、この時点ではまだあなたはそのお店の店員なので、お店のロゴが入った用意されたものを使いましょう。
次にどうやって書くか、は、できる限り手書きがおすすめです。ご連絡する人数が多すぎて物理的に無理、という場合であっても、最後の署名や一言は必ず手書きで行いましょう。
退職、ということは、お客さまとはほぼ完全なお別れです。今までの感謝の気持ちを伝えるためには、ワープロの文字だけでは不足します。実際に、ワープロ文字だけのDMやお手紙はポストに届いても見ずに捨てる、という方も多いと思います。
お客さまにきちんと見ていただくためにも、できる限り手書きで書きましょう。
お客さまへの退職の挨拶手紙の例文
それでは具体的な手紙を例文でお教えします。手紙の長さ別に、2つの例文と構成要素をご説明しますので、例文をもとにお客さまとのエピソードなどを交えて、ご自分なりの挨拶をお考えください。
お客さまへの手紙例文ショート版
例文
○○さま、いつも▲▲店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
突然のお手紙にてのご報告となり、不躾で申し訳ございませんが、この度私●●は、一身上の都合で✖️月✖️日で退職させていただきます。○○さまには、長い間ごひいきにしていただき、誠にありがとうございました。○○さまのご健康とご多幸を心からお祈りしております。今後とも▲▲店をご愛顧いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
構成要素
- お客さまのお名前と、お店ご利用へのお礼
- 退職の報告(退職の時期を必ず入れる)
- お客さまへメッセージ(ポジティブな内容で)
- 結び
まずは、どなたへのお手紙なのかを最初に書きます。ショート版では、いつもお店をご利用いただいているお礼で書き始めましたが、ここを季節のご挨拶にしても良いですし、前回ご来店時に購入いただいたアイテムをその後楽しめているか?など、そのお客さまならではの内容にすると、ぐっとオリジナリティが増すので、より読まれる手紙になります。
次に、退職の報告をします。必ず入れなくてはならないのは、いつ退職するのか、ということとなぜ退職するのか、の理由です。具体的にいつ退職する、と書けば、お客さまが退職後に来店してしまうことを防げます。
最後が、お客さまへのメッセージです。基本的には今までのお礼と、これから先もお幸せにお過ごしください、ということを伝えるポジティブな内容にしましょう。
結びは、退職後もお店をご利用くださいというお願いを入れるのが一般的です。ここで後任者を紹介できると、お店にとってもお客さまにとってもより良いので、可能な限り後任者を紹介しましょう。
お客さまへの手紙例文ロング版
例文
新緑が薫る季節となりました。○○さまはいかがお過ごしでしょうか?先日ご来店の際には、●●のお買い上げありがとうございました。○○さまのワードローブにぴったりで、これからの季節に活躍すると思います。ぜひたくさん着て、お楽しみください。
本日は、突然お手紙を差し上げて申し訳ありません。本来直接お伝えすべきところ、お手紙でのご報告となりましたことも、重ねてお詫び申し上げます。
私この度、一身上の都合で▲▲店を、✖️月✖️日で退職することになりました。○○さまには、長い間ごひいきにしていただき、誠にありがとうございました。○○さまは、いつも気さくにお話ししてくださるので、ご来店されるのをいつも楽しみにしておりました。
▲▲店で、お会いできることがなくなるのは非常に寂しい限りですが、今後、○○さまには、●●という者が対応させていただきます。今までのお買い上げ情報やお好きなテイストなども、すべて引き継がせていただいておりますので、ご安心いただきご来店ください。今後とも▲▲店をご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
末筆になりますが、○○さま、これまで本当にありがとうございました。○○さまのご健康、ご多幸を心からお祈りしております。
構成要素
- 季節のご挨拶+顧客とのエピソード
- 退職の事実
- 後任の紹介
- 結び
ロング版は、より丁寧なお手紙の内容になりますので、季節のご挨拶からスタートさせます。お手紙をお送りする時期に合わせて、季節のご挨拶を選んでください。
その後、顧客のお名前とともに、その方ならではのエピソードを入れます。前回購入の商品について、ですととても書きやすいと思いますが、共通の話題であればなんでも良いと思います。
退職の事実に関しては、ショート版と同様、いつ退職するのかを必ず入れます。ここでも、お客様とのエピソードを入れられるととても良い印象を与えます。
後任の紹介は、後任者にも承認を取った上で名前を入れてお伝えしましょう。すでに顔見知りのスタッフでしたら、○○さまとも仲良くしていただいておりました、などと枕ことばを入れて紹介するとより安心です。
結びには、お客さまにとってポジティブな印象を与える内容を入れてまとめましょう。健康、ご多幸をお祈りする、というのが無難ですが、何かエピソードがあればそれを入れると尚良いです。趣味の話や、お子さまの話などが入るととても親しみやすい印象になります。
アパレル退職時の挨拶は誰にする?
まず、ご挨拶すべき方は誰なのかを確認しましょう。複数のご挨拶先がありますので、一つ一つ丁寧にご説明していきます。
アパレル退職時のご挨拶先「お客さま」
まず、絶対に忘れてはならないのがお客さまです。店舗でお名前を頂戴した顧客一人一人に、必ず退職のご挨拶をいたしましょう。方法としては、お手紙が一般的です。具体的なお手紙の書き方は、後ほどご紹介します。
また、顧客の名簿を見ながら、お客さまと取り寄せや修理などのお約束をしていないかも、必ず確認しましょう。
万が一お約束を忘れ、引き継ぎもせずに退社してしまうと、お客さまにも同僚にも大迷惑ですし、代金をいただいておきながらお渡しする商品がない、というような事態になれば、弁償などの金銭的な被害をお店に与えることにもなりかねません。
また、この方は最近来ていないから、とご連絡しなかったお客さまが、あなたの退職後にあなたに会いにご来店してしまった場合、同僚が理由を説明してご連絡しなかったことを謝罪しなくてはならず、非常に迷惑をかけてしまいます。
ですので、必ず全てのお客さまへ退職のご挨拶をすること、お約束していることがあれば、退職後にどのように引き継ぐのかまでを含めてご挨拶することが必要です。
アパレル退職時のご挨拶先「同僚」
上司以外の同僚にも自分の口から退職の挨拶をしましょう。アパレル業界は狭いので、転職の場合また顔を合わせる可能性が高いです。
また、退職によって職場には穴をあけることになり、多少なりとも迷惑をかけます。そのお詫びという意味と、今までの感謝の気持ちをこめて菓子折りを持参するのが良いでしょう。
アパレル退職理由で非常に多いのが人間関係に悩んで、というものがあります。もしかしたらあなたも職場の人間関係に悩んでの退職かもしれません。
それでも、職場の同僚には必ず挨拶することをおすすめします。なぜならば、ここできちんと人間関係を清算することで、退職後のあなたの気持ち、暮らしをさらに爽やかにスタートさせることができるからです。
同僚の顔も見たくない、という状況だとしても明日からあなたとその同僚たちは他人になります。きちんと挨拶しておけば、堂々と他人として接することができるので、街で会おうが、今後違うアパレル店で会おうが、あなたが逃げる必要はないわけです。
しかしながら、挨拶せずに退職してしまうと、どうしても、逃げた、という気持ちが残り、万が一偶然会ってしまった時に思わず逃げたくなったり、元職場の近くに近寄れなくなったりしてしまうかもしれません。
そんな、今後の暮らしへの負債を退職時に抱えないためにも、気持ちよく挨拶して退職しましょう。
アパレル退職時のご挨拶先「関連店舗スタッフ」
アパレル販売の場合、同系列店間での応援などで自店舗以外のお店のスタッフとも顔見知りのことがあると思います。なんらかの仕事で顔を合わせていた方々には、できる限り直接ご挨拶を、直接の挨拶が難しければ、メールなどでも構いません。
また、百貨店やショッピングセンターなどに入っていたお店の場合は、隣の店舗の方々へもご挨拶しておく方が良いです。毎日のように顔を合わせて挨拶していた間柄だと思いますので、ぜひ自分でご挨拶されることをおすすめします。
退職後にも、どこで顔を合わせるかもわかりませんし、アパレル販売をしていた方は総じてファッション好きな方々だと思いますので、いろいろなお店で退職後もショッピングを楽しむと思います。
その際に、あ、この人知っているけど挨拶しなかったから気まずいな、という思いをしないためにも退職時には一言挨拶しておくと安心です。実際に、アパレル業界は狭いので退職後に会うことは本当に多いです。
アパレル退職挨拶のマナー
ここまでで、誰に、どうやって挨拶をすべきかが理解できたと思います。最後に、退職時の挨拶マナーをお教えします。これができれば、退職後も好印象を与えられ、円満退社ができると思います。
退職の挨拶は2週間前までにする
法律上は、退職希望を2週間前までに伝えれば良いということになっていますが、実際のところは2週間前では現場としては困ってしまいます。退職挨拶をするのが2週間前まで、というのが適切ですので、逆算して最低1ヶ月前には会社に退職希望を伝えるようにしましょう。
その上で、お客さま・同僚・関連店舗スタッフすべてへの挨拶を2週間前までに済ませるのがマナーです。2週間前までに伝えられていれば、その後お客さまが会いにきてくれたとしても対応できますし、何か忘れていたことがあっても自分で対応できます。
ですので、退職を考えたら、お客さまへの手紙を書くのにかかる時間を考えて退職時期を決めるべきです。一人一人お顔を思い浮かべて丁寧に書いていくと、かなり時間がかかることを踏まえて、スケジュールを検討してください。
可能な範囲で直接挨拶する
これも、時間的余裕があればこそ可能なことですが、お客さまにも直接ご挨拶できるに越したことはありません。
フェアなどのご来店を促進するDMなどで、「お似合いになりそうなものが入荷しているのでぜひご来店ください。そして、もしも直接お会いできたらご報告したいことがあります。」などと書いておいて、報告できると好印象です。
同僚には、基本的には直接挨拶がマストです。もしもスケジュール上どうしても会えない人がいる場合、お手紙を残しておくことをおすすめします。最終出勤日に持っていく菓子折りを、個別で用意して、それぞれに感謝のメッセージを添えて用意しておくと好印象です。
思いつく限り、挨拶すべき人をリストアップして、直接会える機会をスケジュール化しておくと安心です。
アパレル退職時の挨拶ルールとマナーのまとめ
- 挨拶は、お客さま・同僚・関連店舗スタッフにする
- お客さまにはお手紙をお書きする
- 挨拶は2週間前までに、できるだけ直接する
いかがでしたか?アパレル退職時の挨拶について、よく理解できたのではないでしょうか。退職時の挨拶でもっとも大切なのは、相手に感謝の気持ちを伝えることです。そのためには、余裕をもったスケジュールで、ぬけもれのない挨拶をしなくてはなりませんね。
気持ちよく退職していけるよう、退職時の挨拶のルールとマナーを守って、立つ鳥跡を濁さず旅立ちましょう!