高校生が補導されたらどうなる?学校に連絡がいく?将来への影響は?

暮らしの知恵

高校生くらいの年齢になると、アルバイトができるようになったり、行動範囲が広がったりして、大人への一歩を踏み出すことになります。すると、ついつい深夜まで外に出てしまって補導されてしまった…なんてことも。

そんな時、親や学校に連絡がいってしまうのではないか…!?何か将来に影響してしまうのではないか…!?と不安ばかりが募り、対処を間違えて大問題に発展してしまう恐れも考えられます。

補導された本人に限らず、警察から「お子さんを補導しました」と連絡が来た保護者の方も、逮捕との混同から、過度に悪い想像をしてしまう方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、補導の概要や対象者補導の対象となる行為親や学校への連絡の有無就職などの将来に及ぼす影響子どもが補導された時に親が取るべき行動、について解説します。

 

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高校生が補導されたらどうなるのか?親や学校に連絡がいくのか?

結論から言えば、補導されたからといって、必ずしも親や学校に連絡がいくとは限りません

身元の確認が必要と判断される場合や、親からの指導が必要と判断される場合には、親に連絡をとることになりますが、警察から直接、学校に連絡をとるということは、基本的にはありません

しかし、学校への連絡は基本的にはないとはいっても、例外はあります

補導をされたときに反抗的な態度をとっている場合、過去に何度も補導されている場合、親と連絡がとれない場合などには、学校に連絡されてしまう可能性があります。

学校に連絡されてしまった場合には、それぞれの学校によって対応は異なりますが、停学や退学になってしまう場合も考えられます。そのような事態を避けるためにも、補導された本人や親の警察への対応はとても重要であるといえます。

また、連絡の時期についてはまちまちですが、補導の際に保護の必要がある場合には補導の際に、保護の必要がない場合には数日中に連絡がいくことが多いようです。

連絡の内容については、あくまでも業務連絡として、補導理由補導された時の状況今後の指導の必要性などを端的に示される程度のものになります。

 

 

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高校生が補導されるのはどんなとき?

 

補導とは

補導とは未成年20歳に満たない者)の非行を防止するため警察が行う活動の総称です。

可能な限り任意で行い、少年が非行に走らないように、警察官や補導員が問題行動を発見した際に、未成年者本人に注意をしたり、親や学校に連絡をしたりと、臨機応変に対応します。

そして、補導には「街頭補導」と「継続補導」の2種類がありますが、一般的に、補導といえば、「街頭補導」を指します

  • 街頭補導:少年非行が行われやすい場所(道路・駅などの公共の場所、繁華街等)を警官が見回り、問題を発見した際にその場で行う補導
  • 継続補導:少年相談にかかっている少年を対象として、犯罪や非行を未然に防ぐことを目的に、保護者の同意を得た上で、対象者の改善が見えるまで、継続的に指導を行うもの

補導の対象者

街頭補導の対象となるのは、非行少年不良行為少年被害少年要保護少年です。

 

非行少年

  • 犯罪少年罪を犯した14歳以上の少年
  • 触法少年刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年
  • 虞犯少年犯罪を犯してはいないが,少年法で規定する一定の不良行状(保護者の正当な監督に従わない・正当な理由なく家庭に寄りつかない・犯罪性のある人や不道徳な人と交際している・いかがわしい場所に出入りしている、自己や他人を害する行為をする性癖があるなどの事由)が認められ,性格や環境からみて、将来において罪を犯すおそれがある20歳未満の少年

 

不良行為少年

非行少年には該当しないものの、飲酒や喫煙、深夜はいかいなど他人の徳性を害する行為(不良行為)をしている少年をする少年

 

被害少年

犯罪や不良行為などで被害を受けた少年

 

要保護少年

  • 児童虐待を受けた児童
  • 保護者のいない少年
  • その他児童福祉法による福祉の措置やこれに類する保護の措置が必要と認められる少年

 

補導の対象となる行為

  • 飲酒
  • 喫煙
  • 薬物乱用
  • 粗暴行為
  • 刃物等所持
  • 金品不正要求
  • 金品持ち出し
  • 性的いたずら
  • 暴走行為
  • 家出
  • 無断外泊
  • 深夜はいかい(全国的にみて23時~4時までの時間としているところが多い)
  • 怠学
  • 不健全性的行為
  • 不良交友
  • 不健全娯楽
  • その他(上記の行為以外の非行その他健全育成上支障が生じるおそれのある行為で、警視総監または都道府県警察本部長が指定するもの)

出典:警察庁丙少発第33号「不良行為少年の補導について」

 

補導と逮捕の違い

補導法律による定めがなく、上記で説明した通り、臨機応変な対応が求められる幅広い活動であるのに対し、逮捕は、法律で定められた制度であり、犯罪者や被疑者に対してこれ以上の被害を出さないために、警察や検察によって身柄を拘束する行為です。

法的な強制力によって身柄を拘束するか否か、という点に違いがあります

 

 

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高校生で補導されたら将来への影響はある?

 

補導歴とは

補導歴とは犯罪以外の理由で警察に補導された記録であり、補導歴から非行歴を除いたものを指します。

警察が親や学校などに連絡すると、その事実が「少年補導票」に記録され、警察署で保管されて補導歴となります。そして、補導歴は、少年事件の審判や、警察が対処を決める際の参考資料とされます。

逆に言えば、保護者や学校・職場などへの連絡がなく、注意や助言で済んだ場合は補導歴になりません。

また、補導歴が記録されたとしても、20歳になると破棄されるので、成人後は履歴として残らず、前科前歴にも該当しませんので、将来への影響を過度に心配する必要はありません。

 

非行歴との違い

非行歴とは、20歳未満の未成年者が非行少年として補導または検挙された経歴のことです。

非行歴は、補導歴と違って成人しても破棄されず、前歴として残ることになりますそのため、成人になってから刑事事件を起こした場合、起訴・不起訴の判断や量刑判断が厳しいものとなる可能性も出てきます

しかし、刑事裁判で有罪判決を受けた経歴である前科と異なり、職業や海外渡航の制限といった法律上の不利益を受けることはありませんが、再度非行をして少年審判にかけられたときには、家庭裁判所の裁判官は非行歴も踏まえて判断するため、厳しい処分になる可能性があります。

 

就職への影響

補導歴や非行歴に関する情報が、一般に公開されることはありません

非行歴は前歴ではありますが、前科ではないので、履歴書の賞罰欄へ記載する必要はありませんし、資格制限などもありません

ただし、非行が原因で退学処分などを受けた場合には、なぜ退学になったのか面接などで経緯を聞かれる可能性があります。そこで虚偽の回答をすると経歴詐称といわれてしまうため、その場合の対応を考える必要があるでしょう。

 

 

高校生の子どもが補導されたら親が取るべき行動は?

警察から突然、「お子さんを補導しました」と連絡が来たとき、親としては、動揺を隠せないような状況となってしまうことでしょう。しかし、補導された当人であるお子さんは、親以上に動揺していることもあります

まずは、親として、大人の対応を心がけ、冷静に対処することが重要です。動揺している状況では難しいかもしれませんので、お子さんが補導された際に取るべき行動について、順序立てて解説していきます。

 

落ち着いて、警察の方から話を聞く

突然の警察からの連絡に動揺し、警察の方に対し感情的になってしまう…なんてこともあるかと思います。しかし、警察の方に感情的になっても、状況は何も改善されません。警察の方はお子さんの状況を伝えるために、あくまでも業務連絡として話をしているのです。

そこで、まずは、「なぜ補導されるに至ったのか」「どのような状況で補導されたのか」など、落ち着いて警察の方から話を聞きながら、現状を把握しましょう

この時、警察の方に、これまでに自分のお子さんが補導されたことがないか確認することも大切です。補導の状況によっては親に連絡をせず、注意のみでお子さんを返す場合もあるためです。

 

感情を抑えて、お子さんから話を聞く

警察の方から現状を聞き、客観的な状況を把握した上で、必要があれば、お子さんの身柄を引き取ります。ここで、重要なのは、頭ごなしに怒ったりしない、ということです。

どんなお子さんであっても、理由なく、補導されるような問題行動を起こすことはありません。行動には必ず原因があります

頭ごなしに怒ってしまっては、お子さんとしては「話を聞いてくれない…」「理解してくれない…」と感じ、自分の殻に閉じこもってしまい、親子の溝は深まるばかりです。

お子さんも1人の人間ですので、言い分はあります。警察の側が勘違いをしていた、なんてこともあるかもしれません。

まず、親として「私は貴方の味方だよ」「私は貴方を理解したいんだよ」という気持ちを示しながら、落ち着いた姿勢で、お子さんの話を聞くことに徹しましょう。この時も、感情的になってはいけません

 

親としての対応を考え、これからの未来ついて話し合う

いくらお子さんに言い分があったとしても、「補導された」という事実は変わりません。心を鬼にして叱ることも必要になってきます。

お子さんの将来にも関わることなので、警察の方から聞いた話とお子さんから聞いた話、両面から勘案し、事態を放置せずに、親として取るべき行動を熟考しなければいけません

例えば、保護者の方が、未成年者(18歳未満の者)のお子さんがタバコを吸っていることを知っていて、これをやめさせない場合は処罰の対象になりますし、万引きは、頻度や態度次第で、お子さんが収容施設に送致されてしまいます。

起こってしまった事実は変えられませんが、これからの未来は変えられます

場合によっては、親の側に原因があるかもしれません。その場合は、自己の改善も必要になってきます。

お子さんとしっかり向き合い、親子共々、同じ過ちを繰り返さないよう対処するのが親の役目です

また、行状にもよりますが、お子さんの将来のために、補導歴になるのか非行歴になるのか等、弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。

 

 

高校生が補導されたらどうなる?学校に連絡がいく?将来への影響は?のまとめ

  • 補導とは未成年(20歳に満たない者)の非行を防止するため警察が行う活動の総称
  • 補導の対象となる行為は飲酒・喫煙・薬物乱用・粗暴行為・刃物等所持・金品不正要求・金品持ち出し・性的いたずら・暴走行為・家出・無断外泊・深夜はいかい怠学・不健全性的行為・不良交友・不健全娯楽・その他(上記の行為以外の非行その他健全育成上支障が生じるおそれのある行為で、警視総監または都道府県警察本部長が指定するもの)
  • 補導されたからといって必ずしも親や学校に連絡がいくとは限らない。
  • 補導歴とは犯罪以外の理由で警察に補導された記録であり、補導歴から非行歴を除いたものを指し、補導歴が記録されたとしても、20歳になると破棄されるので、成人後は履歴として残らず、前科前歴にも該当しない
  • 補導歴や非行歴に関する情報が、一般に公開されることはない。
  • 子どもが補導された場合、親がとるべき行動は、落ち着いて警察やお子さんから話を聞き、今後について話し合い、冷静に対処する

本記事では、高校生が補導されたらどうなるのか?という観点から、補導についての基礎知識や補導された場合の対処法について解説しました。

補導という事態が起こったとき、補導された本人であるお子さんや、その親御さんは動揺してしまうことでしょう。お子さん自身の将来や自分たちの生活、これからの親子の在り方について不安に感じることもあるでしょう。

しかし、動揺したり、不安を募らせるばかりでは事態が改善しません。大切なのは、親子共に、補導された事実を受け止め、お子さんがどのように更生していくか話し合い、考えることです。起こってしまった過去にばかり目を向けるのではなく、未来に向けて事態を改善していくためには、ご家族のスピーディーな対応も重要です。

本記事を親子の未来に役立てて頂ければ幸いです。

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