高級食材として人気の高い海の幸・ウニ。
インパクトの強い見た目からは想像できない綺麗な色の身や甘みのある味わいは、一度食べたらやみつきになり、多くの日本人を虜にしています。
その証拠に、日本人の消費量が世界一と言われるウニ。
普段はなかなか手を出せない食材だからこそ、せっかく食べるのであれば、旬のウニを堪能したいですよね。
しかし、ウニにはさまざまな種類があり、その味わいが異なることを皆さん知っていますか?これを知らないと、せっかくの豪華な食事でも美味しいウニを食べる機会を失っているかもしれません。
ここでは、ウニの種類ごとの特徴や加工方法の違いなどをご紹介していきます。これを知れば、あなたのウニレベルが上がること間違いなし!
Contents
黒いウニなのにムラサキウニ!?ウニの種類と違いについて
日本近海に生息しているだけでもウニの種類は、160種類と言われています。
ウニにそんなに種類があることにも驚きですが、それ以上に衝撃なのは160種類のうち食用として用いられているのはわずか数種類ということ。
私たちが口にしているあの美味なウニは、選ばれし種類なんですね。まずは、そんな食用ウニの主な5種類をご紹介します。
①ムラサキウニ
私たちがウニと言われて一般的にイメージする形をしているのがムラサキウニです。トゲが長く黒っぽい見た目ですが、太陽にかざすと濃い紫色に見えることから、この名が付けられています。
甘さもそこまで強くなく、さっぱりとした味わいを楽しめるのが特徴です。
②キタムラサキウニ
名前同様見た目もムラサキウニに似ていますが、サイズがやや大きく、身も大きいためボリューム感が魅力です。
ほんのりとした甘さとクリーミーな食感が特徴です。寿司ネタとしてもよく使われています。
③バフンウニ
短いトゲで小ぶりな見た目がタワシに似ていますが、そもそもは馬糞に似ていることが名前の由来です。
身も小粒ですが、その味は非常に濃厚で甘い味わいは食べ応え十分。ウニの中で最も味が濃厚とも言われています。
④エゾバフンウニ
バフンウニよりも大きいサイズで、緑色の殻に濃いオレンジ色の身が特徴的。色だけでなく味わいもしっかり濃厚です。
北海道を中心に獲れますが、漁獲量が少ないことから「最高級のウニ」との呼び声高いウニです。
⑤アカウニ
名前の通り、赤褐色で平べったい形をしています。
九州沿岸に生息するアカウニは甘みが強く濃厚なため評価も高いのですが、漁獲量が他のウニより少ないため「幻のウニ」としても知られています。
人気の高いムラサキウニとバフンウニ
食用ウニの中でも、好きなウニとして名前が多く挙がるのがこの2種類。ウニ対決として食べ比べをされることも多々あります。
改めて紹介をすると、ムラサキウ二は殻の色がやや紫がかった黒い色、身の色は薄いイエロー。バフンウニは殻の色が薄茶色、身の色は濃いオレンジです。
見た目も違うこの2種類のウニは、ムラサキウニがナガウニ科、バフンウニがオオバフンウニ科と属性が異なる生き物なのです。
味にも違いがあり、上品な甘みを楽しみたい方はムラサキウニ、濃厚な甘みを楽しみたい方はバフンウニがオススメ。
まず、ウニを楽しむ一歩目として何にしようかと悩んでいる方はここから食してみるといいと思いますよ。
より高級ウニはエゾバフンウニとアカウニ
漁獲量の少なさから価値の高いウニとして知られているエゾバフンウニとアカウニ。強い甘みで味わい深く、多くのウニ通を唸らせています。
アカウニに関しては、九州地方の西側で多く獲れるのですが、ほとんど九州で消費されてしまうため東日本にあまり流通しません。これが「幻のウニ」と呼ばれる理由です。
中でも長崎県の壱岐(いき)で獲れるアカウニは珍味としても称されています。希少価値がゆえに、お値段も少し上がりますが、ここでしか食べられない高級ウニは絶品です。
ウニの旬はいつ?ムラサキウニと他のウニで違いはある?
ウニの漁獲量日本一である北海道では、一年を通してウニが獲れますが、産地とウニの種類によって旬の時期も異なります。その他、各地域での旬も要チェックです。
①ムラサキウニ
北海道の利尻島や積丹では6〜8月、越前ウニで有名な福井県では7月中旬〜8月頃に旬を迎えます。南下すると時期は少し異なり、中国地方・九州地方では4〜6月が旬です。
②キタムラサキウニ
松前では、秋以降から12月頃までキタムラサキウニの漁が盛んになります。東北地方では4〜6月、三陸地方では6〜8月頃が旬です。
③バフンウニ
北海道から九州まで、比較的どこにでも生息しているバフンウニの旬は3・4月。ただ北海道東部の羅白では、1月中旬〜6月と長期にわたりバフンウニが獲れます。
④エゾバフンウニ
北海道南部の襟裳・日高などでは3月に入るとエゾバフンウニが獲れ、4〜6月になると東北地方でも旬になります。
⑤アカウニ
先ほども述べた通り、九州地方の西側で多く獲れ、旬は9・10月頃です。北海道では穫れませんので、アカウニを食べたい方は九州に向かってくださいね。
一言にウニと言っても、その見た目や味わい、旬はさまざまです。ベストな時期を把握して、最高のウニを召し上がりましょう!
ウニの違いは加工方法にも!
美味しいウニを食するためには、加工方法も把握しておくことが重要です。同じウニの種類でも、加工方法によって風味は大きく異なるからです。
では、一体どんな加工方法があるのか?
それについて紹介をする前に、ウニの生体について少しだけ説明します。
ウニは、攻撃的なシルエットからは想像できないほど、とても繊細で脆い生き物です。水揚げ後、何もせずに空気に触れさせてしまうと溶けてしまいます。
ですので、何かしらの加工を施す必要があります。
ちなみに、私達が食べているウニの身って、どの部分か知っていますか?
実は、生殖巣なんです。つまり、精巣や卵巣です。あの美味しい身が生殖巣とは、とても驚きですね!
溶けやすいウニには塩が効果的!
加工方法の違いには、先ほど説明した、溶けやすいというウニの生体が開係しています。
加工方法のポイント、それはズバリ塩です。
ウニの加工方法は、大きく2種類あり、塩を加えて加工しているか、していないかに分けられます。
塩を加えて加工しているウニを「塩ウニ(しおうに)」、加工されていないウニを「生ウニ(なまうに)」と呼びます。
生ウニは、水揚げ後の加工が最低限のみで、殺菌処理などが一切されていません。名前の通り、限りなく生のウニに近く、本来の味を楽しむことができます。
しかしその反面、日持ちをせず、食べられる期間がとても短いウニです。
塩ウニは生ウニに塩を振り、水分を飛ばしながら熟成させたものです。塩の効果でウニに含まれる水分が抜け、旨味が凝縮されます。
さらに身が溶けるのを防ぐこともできるため、未開封での長期保存が可能です。
もちろん塩ウニも美味しいのですが、やはり本来の味と聞いたら、生で食べたくなってしまうのが人間の性。
また供給面から見ても、産地から離れたお寿司屋さんやスーパーでも生ウニを提供できる技術が重要になります。
生ウニの定番加工方法・ミョウバン
現在、生ウニを多くの人に食べてもらえるように、加工方法として用いられているのがミョウバンです。
料理のアク抜きや煮崩れ防止などに使用されるミョウバンは、ウニに対してもその効果を発揮し、ウニが溶けにくくなり身崩れを防ぎます。
日持ちをするので、産地以外のウニにはミョウバンが使われていることが多いです。
テレビなどで、箱にたくさん詰まっているウニを見かけることがあるかと思います。あのウニを、板ウニ(いたうに)と呼びます。
あのウニがいっぱいの、まるで宝石のような板ウニに、目を輝かせたことがあるのは私だけではないはず。
多くの板ウニはミョウバンが使われており、そのおかげで、産地から離れていても生ウ二を食べることができるんですね。
しかしミョウバンを使用するデメリットとしては、ミョウバン自体の苦みを感じることが挙げられます。
ウニの味を苦手としている人は、このミョウバンが関係していることも多いようです。
塩水のみの加工方法・塩水ウニ
近年人気の加工方法として「塩水ウニ(えんすいうに)」があります。
これは海水しか使用しないシンプルな加工方法で、水揚げしたウニを海水濃度と同じ塩水に浸します。
塩ウニのように塩を振るのではなく、塩水に浸すというのがポイントです。
そうすることで身崩れを防げるので、ミョウバンを使う必要がなく、ウニ本来の味を損なわないことから、人気が高まっています。
しかしミョウバンを使用していない分、賞味期限が短いのと高価であることが特徴です。
ウニの種類と違いについてまとめ
- 食用ウニの種類は5種類
- その中で人気の高い2種類のウニがムラサキウニとバフンウニ
- 希少価値の高い2種類のウニがエゾバフンウニとアカウニ
- 産地や種類によってウニの旬は異なる
- ウニの加工方法は塩ウニと生ウニに分けられる
- 生ウニの加工方法でミョウバンが多く使用されている
- ミョウバンを使わない塩水ウニが近年人気
ここで紹介した情報を基に、美味しいウニを堪能しましょう。ウニを知らずして、ウニを食するのはもったいない!
私自身、ウニと言えば北海道と思っていたので、まさか九州で多く獲れるウニがあるとは思いませんでした。旅行で行った際には、アカウニをいただきたいと思います!
種類や味の違い、産地による旬などを知っていれば、その食事は格段に充実するはずです。自分好みのウニを見つけるのも楽しいですね。
お取り寄せや旅行先で海の幸を堪能するときの参考にしてください。