「人生100年時代」といわれるようになり、定年を迎えてマンションに住み替える方が増えてきています。
しかし、いざ引っ越そうと思っても、どこに住むべきか迷う方も多いと思います。
この記事では、老後にマンションをおすすめする理由や間取りなどをご紹介します。
Contents
老後はマンション住まいがいい理由とは?間取りのポイントもご紹介!
子供も独り立ちして、広い家に夫婦ふたりだけだと何だかさみしいですよね。
「定年後は田舎暮らしをしたい。」という方もいますが、最近は利便性の高い都市部のマンションに住む方が多いです。
実際、私の両親は「富士山を見て過ごしたい。」と老後の住まいに富士宮のマンションを選んだので、田舎と都市部のどちらがいいかはお好みです。
では、老後の住まいに一戸建てではなくてマンションがいい理由とはなんでしょう。
夫婦二人暮らしに最適な間取りのポイントもご紹介します。
老後はマンションに住むべき!その理由とは一体なに?
マンションだとワンフロアで生活できる
一般的なマンションはワンフロアなので、リビングやキッチン、寝室やお風呂などへの移動に階段を使いません。
まだ60代のうちなら大丈夫だと思いますが、70代、80代と年を取ってくると足腰も弱り、階段の上り下りが辛くなってきます。
そのため、階段の上り下りがないマンションがおすすめなのです。
外出する場合も、マンションにはエレベーターがついていることが多いですから、負担なく外出することができます。
マンションだと鍵1本で外出できる
マンションは「鍵1本」で外出できるといわれるほど、外出するときの戸締りが楽です。
戸建てだと、外出するときに2階の窓が締まっているか階段を上って見に行ったりしなくてはいけませんし、
遠出をする際は、1階のシャッターを締めたり、と手間がかかります。
その点、マンションは戸締りの手間が少ないので、おすすめする理由の一つとなります。
マンションだと住まいの管理が楽
マンションに住む場合は、管理費や修繕積立金を支払わなければいけません。
しかし、これらのお金を支払っておけば、共用部の清掃や建物の修繕は管理会社が行ってくれます。
戸建ての場合だと、清掃は自分でしなくてはいけないですし、建物の修繕も自分で業者に依頼しなくてはいけません。
これも、どんどん年を取るたびに面倒になってくることですので、管理をお任せできるマンションのほうがいいですよね。
マンションだとセキュリティ面で安心できる
多くのマンションでは、オートロックが導入されており、防犯カメラが設置されているところもあります。
また、警備会社と提携していたり、24時間管理人が常駐していたりするマンションもあります。
戸建てだと、ここまでのセキュリティは難しいでしょう。
最近は高齢者を狙った「アポ電強盗」なども多いので、セキュリティは重視しておいたほうが安心して暮らせます。
マンションだと駅に近い便利な場所に住める
戸建てよりもマンションのほうが駅に近い物件を見つけやすいですよね。
価格面でも二人暮らしなら、手に入れやすいと思います。
私の両親が選んだマンションも富士宮駅から徒歩2分くらいの超駅近マンションです。
駅近なので商業施設や病院も揃っているし、富士宮だけど車なしで生活できるということで選んだそうです。
老後の二人暮らしに最適な間取りのポイントとは?
老後の二人暮らしに最適なマンションの広さは55㎡
マンションなどで豊かな生活を送るのに必要とされている「都市居住型誘導居住面積水準」では、
夫婦二人世帯で55㎡とされています。
部屋数や広さを抑えた間取りのほうが光熱費の負担も減りますし、マンションを購入する場合は個性資産税の負担も抑えられます。
ただ、夫婦二人だけとはいえ、「自分だけの部屋が欲しい。」「子供が孫と帰ってきたときに泊まる部屋が欲しい。」という方もいると思います。
そういう場合は、「どれくらいの広さの部屋が欲しいのか。」を考えてマンションの広さを決める必要があります。
しかし、あまり広すぎると掃除も大変ですし、部屋が余ると物置になってしまってもったいないですので、程よい広さと部屋数にすべきです。
ちなみに私の両親も私と私の子供が帰ってきたときのために1部屋空けてくれていますが、普段は雨が降った時の部屋干し用の部屋として使っているそうです。
老後の二人暮らしに最適な間取りのポイントとは?
バリアフリーのマンションを選ぶ
多くのマンションではバリアフリーを意識した作りが主流になっていますが、それでも脱衣所から浴室の間や部屋とベランダの間に段差がある物件もあります。
年を取るとちょっとした段差でもつまずきやすくなりますし、もし車いす生活になったとしたら暮らしにくくなります。
なので、老後のマンションを選ぶなら「高齢者向け優良住宅」に認定されているところをおすすめします。
私の住んでいるところがまさに「高齢者向け優良住宅」なのですが、玄関から部屋に上がる段差や脱衣所から浴室への段差、
部屋からベランダへの段差など、あらゆる段差がありません。
ただ、脱衣所と浴室への扉を開けていると水が脱衣所に流れ込みやすかったり、ベランダの窓をあけていると葉っぱが入ってきたりと少し不便なところはあります。
しかし、今、私の子供がアンパンマンの手押し車で段差を気にすることなく家じゅうを駆け回っていることからも、車いすの方はとても暮らしやすいと思います。
家事や生活が楽になる動線になっている間取りを選ぶ
キッチンから洗濯機のある脱衣所への移動、脱衣所からベランダへの移動など水回りの動線を中心にした間取りがポイントです。
家事の際に必要な動線は「回遊する動線」と呼ばれ、動きを止めないことを意識しています。
そのため、水回りの動線上にはスペースにゆとりを持たせ、家具や壁などで邪魔をしないようにしましょう。
また、玄関からリビングやトイレにいくための動線は直線にしておくと転倒などのリスクを減らすことができます。
引き戸で仕切られている間取りを選ぶ
引き戸はその場で開け閉め出来るため、開け閉めの度に体を後ろに移動させるドアと違い、足腰の不自由な方や車いすの方でも開閉しやすいので、
ぜひ老後のマンションに取り入れたいポイントです。
また、いずれ車いす生活になったときのために、引き戸や可動式の壁で仕切られている間取りにして、生活の変化に合わせて間取りを変化させられるように
できると更にいいですよ。
老後のマンションは購入と賃貸どっちがいい?
老後の住まいにマンションがいい理由をご紹介しましたが、マンションは購入するのと賃貸するのはどちらがいいでしょう。
結論から言うと、人によって購入と賃貸のどちらがいいかは変わってきます。
では、老後にマンションを購入する場合と賃貸する場合では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
老後にマンションを購入するメリット・デメリット
老後にマンションを購入するメリット
老後に合わせた立地のマンションを選べる
今までだと、子供が学校に通いやすい場所や通勤に便利な場所を選んでいました。
しかし、定年を迎えて子供が独り立ちしたのであれば、それらにとらわれることはありません。
私の両親が富士宮を選んだように、住みたい場所を自由に選ぶことができます。
マンションを購入することで終の棲家という安心感が得られる
マンションを購入して終の棲家を手に入れることで、「ここにずっと暮らせる」という安心感が得られます。
これは、賃貸にはないマンション購入ならではのメリットといえます。
マンションを購入することで自由にリフォームができる
マンションの部屋を自由にリフォームができるのも賃貸にはないメリットです。
マンションを買った当時は元気でも、そのあとに何があるかは分かりません。
生活の変化に合わせてバリアフリー化したり、手すりを付けたりなどをすることができます。
バリアフリーリフォームが所定の要件を満たしていれば、所得税や固定資産税の軽減措置を受けることができます。
老後にマンションを購入するデメリット
マンションを購入するのにまとまった自己資金が必要
定年後にマンションを購入する場合、ローンの審査も厳しくなるほか、ある程度の自己資金も必要になります。
「そもそも定年後にローンを組めるのか。」と疑問になりますが、フラット35だと、申込時の年齢が70歳未満で、
80歳までに完済するものであれば、組めないことはありません。
しかし、60歳をすぎて35年ローンは組めませんので、自己資金がないとマンションを購入するのは難しくなります。
マンションを購入してしまうと住み替えの自由がなくなる
定年後にマンションを購入してしまうと、賃貸と違って気軽に引っ越しができなくなります。
しかし、現役時代では子供が大きくなって部屋が必要になったりしますが、老後の暮らしではそこまでライフスタイルに
変化が起こることはありません。
夫婦二人そろって老人ホームに入所する以外に住み替えが必要になることはほとんどないと思いますので、
あまり気にする必要はありません。
老後にマンションを賃貸するメリット・デメリット
老後に賃貸マンションにするメリット
老後に賃貸マンションだと住み替えの自由度が高い
賃貸マンションの大きなメリットは自由に住み替えができることです。
最初は夫婦二人で暮らしていても、いずれはどちらかが先に亡くなることも考えられます。
その場合、持ち物を減らして単身用のマンションに住み替えることができます。
また、賃貸だと固定資産税がかからないのも、メリットの一つです。
老後に賃貸マンションにするデメリット
賃貸マンションだと一生家賃を払い続けなければならない
賃貸マンションに住む場合、長生きすればするほど家賃を支払う額も増えます。
近年は医学の進歩や食生活の変化などから、平均寿命が長くなっています。
購入マンションであれば、ローンを完済すればその分お金の負担が減りますが、賃貸マンションはずっと同じ金額を
払い続けなければならないのでデメリットといえるでしょう。
賃貸マンションだと年齢を理由に入居を断られることがある
最近は孤独死が問題になっていますよね。
賃貸の場合、大家さんには入居者を決める権利があるため、家賃を支払う資産があっても高齢であれば年齢を理由に
断られる可能性があります。
賃貸でも入居希望者が少ない物件だと住めるかもしれませんが、人気の物件だと年齢はリスクになります。
老後にマンションへ住み替えるには資金計画が大切!
老後に今まで住んでいたところからマンションへ住み替えるには、余裕を持った資金計画が必要です。
老後の資金計画には「住宅ローン」「今住んでいる住宅の売却資金」「退職金・その他預金」が重要になります。
老後のマンション購入には住宅ローンが使える
「定年後にローンが組めるのか。」と不安になる方もいると思います。
しかし、60歳以降であっても健康に問題がなく、安定した収入があれば、ローンを組むことが可能です。
実際に、フラット35の60歳以上の利用者は2007年には【3.1%】でしたが、2017年には【7.0%】と増えています。
しかし、多くの金融機関では、住宅ローンを組むときに「申込時に70歳未満であること」「80歳未満で完済すること」という条件が課されます。
そのため、返済年数も自ずと短くなりますから、ある程度の自己資金が必要になります。
住み替えのために今の住まいをできるだけ高く売る
先ほどの住宅ローンの話でお伝えしたように、住宅ローンはできるだけ早い完済が求められます。
そのため、今の住まいをできるだけ高く売り、自己資金にしなければなりません。
しかし、不動産会社によって得意分野が違うため、近所の不動産屋に行けばいいというわけではありません。
住み替えが生じる物件の知識が豊富で、かつ物件を高く売る能力のある不動産屋を選びましょう。
住み替えのときには退職金や貯金の一部を使う
老後のマンション購入の際の自己資金には、退職金や貯金の一部を使うようにしましょう。
この「一部」というところが大切です。
定年後に入ってきた退職金や子供が独り立ちした後にコツコツと貯めていたお金があると思います。
早く住宅ローンを完済したくて、その退職金や貯金を全部ローンに使いたくなる気持ちはわかります。
しかし、老後は何かと病院に行く機会も多くなりますから、その分の医療費や生活費などを計画的に残しておく必要があります。
老後の住まいはマンションがおすすめ!住みやすい間取りはどんなの?のまとめ
- 老後はマンションに住むべき理由は以下の5つ
- ワンフロアで生活ができる
- 鍵1本で外出できる
- 住まいの管理が楽
- セキュリティ面で安心できる
- 駅に近い便利な場所に住める
- 老後の二人暮らしに最適な間取りのポイントは以下の4つ
- 夫婦二人暮らしに最適な間取りの広さは55㎡
- バリアフリーのマンションを選ぶ
- 家事や生活が楽になる動線になっている間取りを選ぶ
- 引き戸で仕切られている間取りを選ぶ
- 老後のマンションを購入するメリットとデメリットは以下のとおり
- (メリット)老後に合わせた立地のマンションを選べる
- (メリット)マンションを購入することで終の棲家という安心感を得られる
- (メリット)自由にリフォームができる
- (デメリット)マンション購入にまとまった自己資金が必要
- (デメリット)住み替えの自由がなくなる
- 老後にマンションを賃貸するメリットとデメリットは以下のとおり
- (メリット)住み替えの自由度が高い
- (デメリット)一生家賃を支払い続けなければならない
- (デメリット)年齢を理由に断られることがある
- 老後にマンションへ住み替えるための資金計画には「住宅ローン」「今住んでいる住宅の売却資金」「退職金や貯金」が重要
老後の住まいを都市部のマンションにしておくと、自分のためだけでなく将来の相続対策にもなります。
いままで家族のため子供のために頑張ってこられたのですから、老後は便利な暮らしを手に入れて悠々自適なセカンドライフを送ってください。