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しいたけのうま味はグルタミン酸?グアニル酸?三大うま味成分を調査

生しいたけと干ししいたけの違いをご存知でしょうか?

スーパーで買い物をする時やご飯のメニューを考える時、新鮮な物を選んだり、栄養バランスを考えたりしますよね。

しいたけを買う時も、干ししいたけではなく、生しいたけを買う人は多いと思います。

 

確かに生しいたけは、そのまま調理できて、水で戻す必要がないので便利です。

しかし、同じしいたけでも「生しいたけ」と「干ししいたけ」では、うま味や栄養成分が全然違います。

 

 

しいたけなんて、どれも一緒でしょ!

 

 

なんて、思うかもしれません。ですが、

「うま味」にはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の3つがあり、これを三大うま味成分といいます。

世界でも「umami」という世界共通語が出来るほど、「うま味」は注目されています。

 

今回は、しいたけのうま味について調査していきます!

 

 

しいたけにグルタミン酸はあるの?三大うま味成分を紹介

しいたけにはグルタミン酸が、含まれています。

グルタミン酸は、ほぼ全ての食材に含まれている成分です。

 

グルタミン酸含有量(mg/100g) グアニル酸含有量(mg/100g)
生しいたけ 70 なし
干ししいたけ 1060 150

引用:特定日営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

 

すごい数値の違いですね。しいたけは干すことで水分が減ってうま味栄養成分がギュッと凝縮されます。

しかも、干ししいたけには三大うま味成分が2つも含まれています。

ここからは三大うま味成分を紹介していきます。

 

グルタミン酸

グルタミン酸は、体内で合成することができる非必須アミノ酸の1つです。体内では、興奮系の神経伝達物質として働きます。

脳の活性化、利尿効果、アンモニアの解毒の効果、皮下または内臓の脂肪の蓄積の抑制、そして、筋肉や免疫力を上げるたんぱく質を構成する働きを持っています。

 

また、赤ちゃんに飲ませる母乳にもグルタミン酸が入っています

味覚は、身体に必要な栄養を摂り入れるためのセンサーを搭載しています。赤ちゃんが苦味や酸味を嫌がるのはそのためで、甘味やうま味を好むのは、美味しい味をわかっているからです。

 

グルタミン酸を多く含む食材

昆布、チーズ、アーモンド、大豆製品、玉ねぎ、緑茶、トマト、長ネギなど

 

イノシン酸

イノシン酸は核酸を構成成分の1つです。

私たちの体内に存在し、新陳代謝に貢献してくれています。毎日、身体の細胞を生まれ変わらせてくれているのが核酸です。

イノシン酸は、最初からうま味として食材の中にありませんが、熟成させる過程で生成されていきます。

 

イノシン酸を多く含む食材

かつお節、煮干し、鶏肉、牛肉、豚肉、魚介類など

 

グアニル酸

グアニル酸もイノシン酸と同じ核酸の1つです。

しかしグアニル酸が含まれている食材が少なく、他の2つより影が薄い存在です。

 

グアニル酸を多く含む食材

干ししいたけ、海苔、乾燥ポルチーニ茸など

 

グアニル酸を特に多く含むのが「干ししいたけ」です。

しいたけは乾燥させると細胞が破壊され酵素の働きによって、核酸から変化してグアニル酸がになります。

同じしいたけでも、生しいたけにはグアニル酸は含まれていません。乾燥させることによって初めてグアニル酸は生成されます。

その上、生しいたけに元々含まれているグルタミン酸は、乾燥させることで15倍に増加します!

干ししいたけには、グルタミン酸とグアニル酸の2つのうま味が入っているのです!

 

 

「うま味」と「旨味」の違い

 

一見、漢字と平仮名の違いにしか見えませんが、それだけで意味が変わってきます。

 

うま味は基本味の1つ

うま味は「基本味」と言われるものの1つです。

基本味とは、うま味、甘味、塩味、酸味、苦味のことで、独立した味のことを言います。この5種類を「五味」と言います。

この五味を感じることは人間にとって、危険な食物を避け、安心して栄養を取るために欠かせない感覚です。

 

・甘味→エネルギー源

・塩味→ミネラル

・酸味→腐敗

・苦味→毒物

・うま味→アミノ酸

こうしてみると、人間に好き嫌いがある理由がわかります。本能的に酸味や苦味は、危険なものと判断しているんですね。

 

辛味と渋味も「味」なんじゃないの?

 

 

確かに、食べ物の味を形成する重要な2つではありますが、辛味は痛覚、渋味は収れん感覚と考えられている補助味に分けられます。

どちらも味覚神経ではなく、痛覚や温度覚で感じとるものなので、厳密に言えば味ではありません。

 

一方「おいしい」とは、味覚のことだけではなく、料理の見た目や色合い、香りや食感、周りの環境など、五感を通して感じるものです。

例えば、カフェに行った時にお店に入った瞬間、コーヒーの香りが広がっていたら「いい香りだな~」と感じて、ちょっと落ち着きますよね?その後、コーヒーを注文して飲んでみると、「すごく美味しかった」と感じたら、それは旨味の方になります。

  • 旨味=おいしさ
  • うま味=基本味

「うま味」があってこその「おいしさ」ですね。

※収れん感覚…渋柿や赤ワインなどを口にした時に、口の中がキュッと引き締まるような痺れた感覚のこと

 

うま味を発見したのは日本人

うま味は、東京手帝国大学(現・東京大学)教授だった池田菊苗博士によって1908年に昆布から発見された。最初に発見されたうま味はグルタミン酸である。

うま味となるだし昆布やかつお節を使用した出汁は、日本料理の基本となる伝統的調理手順のひとつである。そのため、日本の学者は「ダシがきいていない」という味覚は塩味や酸味が足りないのとは違う感覚であることを経験的に知っており、うま味の存在に早くから気づいていた。

引用:Wikipedia

 

うま味は相乗効果を生む

「うま味の相乗効果」という言葉まであるように、異なるうま味成分を組み合わせると、うま味が倍増する効果のことです。

代表的なのが、

・グルタミン酸(アミノ酸)×イノシン酸(核酸)

・グルタミン酸(アミノ酸)×グアニル酸(核酸)

 

このように組み合わせると、うま味が飛躍的に強くなることが科学的にも証明されています。魚料理や肉料理に野菜を入れたら、簡単に「うま味の相乗効果」が利用できます。

そして、有名なのが昆布とかつお節の合わせ出汁!この組み合わせが、高い「うま味の相乗効果」を生み出します!

 

相乗効果を生み出すには、「1:1」の割合がオススメだそう。

 

 

うま味の相乗効果は、料理のおいしさを飛躍的にアップさせてくれるだけでなく、健康面でも役割を果たしてくれます。

例えば、塩分は人間の身体には必要不可欠なものですが、接種し過ぎれば生活習慣病になってしまいます。

とはいえ、塩分のない料理は美味しくないし、毎日我慢して食べ続けることも出来ないです。ですが、うま味の相乗効果を利用して味の満足感が高まれば、少ない塩分で美味しくて健康的な食事が続けられます。

「素材のうま味を生かす」とは、こういう事なんですね。

 

 

生しいたけと干ししいたけの栄養成分

しいたけには、子供から大人まで全ての年代の人たちに必要な栄養素がたくさん含まれています。

乾燥させると、うま味や栄養成分が大幅アップし、グアニル酸も生まれます。

しいたけに含まれる栄養素は私たちにどんな働きをしてくれるか見てみましょう。

 

こんなに違う!栄養素

生しいたけ(菌床栽培) 干ししいたけ
食物繊維 4.9g 46.7g
ビタミンC 0㎎ 20㎎
ビタミンD 0.3ug 17.0ug
カルシウム 1㎎ 12mg
葉酸 49ug 270ug
カリウム 290㎎ 2200㎎

引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

 

うま味だけではなく、栄養成分まで干ししいたけの方が数値が高いですね。食べ物としてかなり優秀な存在です。

カロリーも低く食物繊維も豊富なので、美容を意識する方にはぴったりです。

そんな、魅力的な栄養とうま味成分がたっぷり詰まった干ししいたけは、1日50gを目安に食べることをオススメします。

 

成長期の子供の大切な栄養食材

成長期の子供たちには、積極的に食べてほしい干ししいたけです。

成長期の子供は、大人と比べて骨の成長が活発なので、成長段階の時期に骨を丈夫にしておくと、将来、骨粗しょう症の予防になります。丈夫な骨や歯を造るには、バランスの良い食事や運動も大切ですが、しっかりと栄養を摂ることも大切です。

 

カルシウムの利用効率を高めるためには、ビタミンDが必要です。カルシウムは骨を作る素材なので、ビタミンDが不足すると吸収を助ける働きが悪くなり、健康的な骨を作ることができなくなってしまいます。

ですが、干ししいたけにもビタミンDが豊富に含まれています。他のキノコ類、魚類にもたくさん含まれているので、意識して摂り入れていきましょう。

そして、人間は日の光を浴びることで体内でビタミンDを生成することができます。遊びに出掛けたり、散歩や日光浴を心掛けてみてはいかがですか?

ただし、熱中症には十分気を付けて下さい!

 

お腹の調子を整えてくれる

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。どちらも体内に吸収されませんが、健康のためには重要な役割があり、第六の栄養素と言われています。

水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、小腸からの栄養素の吸収速度を緩和し、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。また、血中のコレステロール値の低下、高血圧の予防にも効果があります。

水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容量を増やしていきます。増えることによって大腸が刺激を受け、排便がスムーズになっていきます。

有害物質も一緒に排出してくれるので、腸をキレイして大腸がんのリスクを低くしてくれます。

どちらの食物繊維も、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになるため、善玉菌が増え腸内環境が良くなっていきます。

 

妊婦さんにもおすすめ

葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けてくれるビタミンの1つです。水溶性ビタミンでビタミンB群に属しています。

DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進して、細胞の生産や再生を助けてくれるので、体の発育にも必要なビタミンです。

葉酸は、細胞の分裂や成熟を大きく左右します。特に胎児には重要な栄養成分です。妊婦さんが葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常のリスクを減らすことができます。

 

 

葉酸てどうやって摂るの?

 

 

確かに「ビタミン」などの栄養素と違って、あまり身近に感じない栄養素ですが、毎日の食事で野菜を食べていれば問題ありません。

ですが葉酸は、水に溶けやすく熱や光に弱いので、野菜を洗ったり加熱すると、分解され効力を失ってしまいます。ビタミンなど他の栄養素の損失が10~20%に対して、葉酸の損失の割合は30~40%とかなり大きいです。

日頃からちゃんとした食事が摂れない方や、妊娠を考えている方にはサプリメントをオススメします。サプリメントを飲めば効率よく葉酸を摂り入れることができます。

しかし、サプリメントを摂取するにも注意が必要です。サプリメントは、普段の食事で足りない栄養素を補ってくれるものです。

 

 

サプリメントがあるから、今日は食事はいらない。

 

と、間違った生活をしていれば、体調を崩してしまいます。「ちゃんとした食事+サプリメントを摂る」ように心掛けましょう。

また、処方箋を飲んでいる方は、医師との相談をオススメします。サプリメントは薬ではありませんが、飲み合わせが悪いと薬の効き目が増減したり、血圧が急上昇したり、身体に異常が出ます。

必ず相談するようにしましょう。

 

 

しいたけのうま味はグルタミン酸?グアニル酸?三大うま味成分まとめ

 

  • しいたけにグルタミン酸は含まれているが、代表的なのはグアニル酸
  • うま味は基本味の1つ
  • うま味を発見したのは日本人
  • うま味は相乗効果を生む
  • しいたけは乾燥させることで飛躍的に栄養素がアップする

 

同じしいたけでも乾燥させただけで、劇的な変化を遂げます!

グアニル酸は、グルタミン酸やイノシン酸と違い、含まれている食材が少ないです。その中でも、干ししいたけだけがグアニル酸を多く含んでいます。

相乗効果を利用すれば、料理の美味しさもアップしますね。干ししいたけの栄養を考えれば、水で戻す手間は大したことなくなりそうです。

これを機に、いろんな料理に挑戦してみてください。

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