私たちの食事に欠かせない塩。
塩には色々な種類がありますよね。
ちょっと使いたいときに便利なのは、食卓塩です。
しかし食卓塩は体に悪いという噂もあります。
食卓塩は本当に体に悪いのでしょうか?
今回は食卓塩は本当に体に悪いのかを調べてみました。
Contents
食卓塩は体に悪いってホントなの?塩分の摂り過ぎに要注意
食卓塩について調べていると様々なサイトやSNSで食卓塩は体に悪い!という文言が出てきます。
食卓塩は体に悪いので、塩は自然塩(精製されていないミネラル分が多く含まれた塩)を選びましょうと書かれているところも多いです。
しかし、私の調べた限り、どこにも食卓塩が体に悪く、自然塩が体に良いという研究や実験のデータは載っていません。
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※自然塩にはきちんとした定義はありません。
今回は、精製塩ではない塩(精製されていないミネラル分が多く含まれる塩)を自然塩と呼んでいます。
食卓塩は体に悪いものではない
結論として、食卓塩が体に悪いという科学的な根拠はありませんでした。
しかし、食卓で料理に塩をかける人は早死のリスクが高いということがアメリカの研究で2022年にわかっています。
食卓で料理に塩をかける人は塩味が濃いものを好む人が多く、生活全体での塩分摂取量が多くなるそうです。
このことから食卓塩は体に悪いと思っている人もいるのかもしれません。
ただ、この研究は食卓塩が体に悪いという研究ではなく、ナトリウムの摂取量と死亡率についての研究です。
くれぐれも間違わないよう注意してください。
体に悪いのはナトリウムの摂り過ぎ
上で取り上げたアメリカの研究結果には
私たちの研究は、ナトリウム摂取量と死亡率の間の不利な関係を示す新しい証拠を提供します。
と記されています。
つまり、この研究で重要なのはナトリウムの摂取量なのです。
この研究結果では、塩を食卓でかける行為と客観的に測定された尿中ナトリウムの濃度との間には強い関係性があるとされています。
確かに食卓でかける塩の代表である食卓塩は自然塩に比べてナトリウムが多く含まれているのは事実です。
ですから、食卓塩が体に悪いと感じてしまう人がいるのも仕方ないかもしれません。
しかし、体に悪いのはナトリウムではなくナトリウムの摂り過ぎです。
塩ですから、自然塩にもナトリウムは多く含まれています。
食卓塩は粒が小さく塩辛く、自然塩は粒が大きくまろやかに感じる人が多いです。
ですから、自然塩では塩味を感じにくくかけ過ぎてしまう人もいる可能性もあります。
自然塩にも多くのナトリウムが含まれていますから、摂り過ぎはいけません。
食卓塩にしても自然塩にしても摂取しすぎると体に悪いということです。
1日の塩分摂取量(食塩相当量として)
成人男性 | 7.5g未満 |
成人女性 | 6.5g未満 |
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、摂取量の減少を目指すものと位置づけられており、目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。なお、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量は、男女とも6.0g/日未満とされています。
ちなみにナトリウムは体に必要なものですから摂取量を減らしすぎるのも体によくありません。
塩分を徹底的に排除したりはしないでくださいね。
食卓塩が体に悪いと言われているのはミネラルがないから?
ミネラルは5大栄養素の1つで私たちの体には欠かせないものです。
ミネラル分が少ない塩は本当に体に悪いのでしょうか?
食卓塩は精製塩でミネラル分がほぼない
ミネラルとは
ミネラルとは、体を構成する「酸素、炭素、水素、窒素」の主要4元素以外のものの総称です。また、体の機能の維持・調節に必要な「五大栄養素」の一つでもあります。
ミネラルは「無機質」とも呼ばれます。
引用 ハウスダイレクト
食卓塩の成分は
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- 塩化ナトリウム99%以上
- 炭酸マグネシウム0.4%
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食卓塩は海外から輸入した天日塩を溶かして煮詰めて精製したものです。
精製という言葉からもわかるように、食卓塩は精製塩に分類されます。
精製塩とは
精製塩は、原塩(主に輸入塩)を溶解し精製したもので、塩化ナトリウムが99.5%以上の高純度のもの、また海水からイオン交換膜透析法で塩の成分を濃縮する、塩化ナトリウム99%以上のもの(食塩)があり、これらはサラサラなのが特徴です。
引用 食育大辞典
食卓塩は精製塩なので塩化ナトリウム以外のミネラル分がほとんど含まれていません。
ミネラル分が少ない塩は体に悪いの?
ミネラルは簡単にいうと体の調子を整えるもの。
ミネラルが足りなくなると貧血になったりイライラしたり、骨粗しょう症になったりと体の不調が出てきます。
また、ミネラルには相互関係があり、ひとつの種類だけを摂取してもいい働きをしてくれません。
相互関係にあるミネラルやビタミンも一緒に摂取する必要があるのです。
自然塩の成分は
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- 塩化ナトリウム80〜90%程度
- マグネシウム
- カリウム
- 亜鉛
- カルシウム など
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自然塩は塩化ナトリウムの量もその他ミネラルの量も製品によって違います。
ナトリウムと相互関係にあるミネラルはカリウムです。
ナトリウムとカリウムは細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したり、体の中でお互いに作用しながら大切な働きをしています。
また、カリウムはナトリウムの再吸収を抑える力も持っているのです。
自然塩の中にはこのカリウムが含まれていますね。
自然塩はカリウム以外にも精製塩には含まれていないミネラルを摂取できますから、体に良いと言われているのも納得です。
食卓塩は精製された塩ですから、ミネラルは塩化ナトリウムの他には添加された炭酸マグネシウムしか含まれていません。
なので食卓塩は、取り続けると体のミネラルバランスを崩してしまい、体に悪いと考える人もいます。
しかし、ミネラルは塩以外からも摂ることが出来るのを忘れないでください。
いくらミネラルバランスの良い自然塩でも、自然塩だけでミネラルを補おうとすると塩化ナトリウムのとりすぎで体を壊してしまいます。
精製されていない塩にも塩化ナトリウムは80〜90%程度含まれていますから、当たり前ですよね。
そもそも、普通の食生活であれば、塩だけを食べることはほとんどないと思います。
塩でミネラルを補うのではなく、ミネラルの含まれる食品を一緒に食べることが大切です。
最初に紹介した研究でも、塩と一緒にカリウムを多く含む野菜や果物を摂ると塩分の影響が軽減されることが記されています。
カリウムを多く含む食品
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バナナ
アボカド
ほうれん草 など
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カリウムは、ほとんどの細胞の中に存在することから広く食品に含まれますが、特にバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類に多く含まれています。
引用 グリコ 栄養成分ナビ
つまり、食卓塩のミネラル分だけを見て体に悪いとは言えないということです。
体に悪いのは偏った食材ばかり食べるなど、バランスの悪い食生活ですね。
食卓塩が体に悪いと言われているのは食品添加物が添加されているから?
食品添加物というと体に悪いという印象、みなさんもありますよね。
私も調理師専門学校で学ぶまでは食品添加物は全て体に悪いと思っていました。
しかし、そんなことはないんです。
食品添加物は体に悪いイメージがある
食品添加物とは
食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
引用 厚生労働省HP
食品添加物と聞いて体に悪いものだなと思う人は多いようです。
私も昔はそう思っていましたから、気持ちはよくわかります。
しかし、食品添加物は私たちの食にかかせないものです。
食品添加物は食の安全を守ったり、食を豊かにしたりしてくれます。
例えば、お豆腐を固めるにがり(塩化マグネシウム)だって、食品添加物の一種なのです。
ちなみにこのにがりは自然塩にも入っている成分です。
これを聞くとなんだか少し、食品添加物は体に悪いものばかりではないのかも……という気になってきませんか?
食卓塩に添加されている食品添加物
食卓塩に添加されている食品添加物は炭酸マグネシウムです。
炭酸マグネシウムが添加されていることで食卓塩は湿気ずサラサラとしています。
炭酸マグネシウムは通常の食事による過剰障害は報告されていません。
なので、習慣的な摂取量の上限も設定されていないのです。
つまり、安全性が高い添加物ということですね。
ただ、炭酸マグネシウムは水に溶けません。
お吸い物を作るときに食卓塩を使うとお吸い物が濁ってしまうので注意してください。
水に溶けないなんてやっぱり体に悪いんだ!!と思った方がいたら落ち着いてください。
野菜や豆類、きのこ類に含まれる食物繊維も水に溶けません。
水に溶けない=体に悪い、ではないんですね。
食卓塩は体に悪いってホント?体に悪いのはナトリウムの摂り過ぎまとめ
今回は食卓塩は本当に体に悪いのか、なぜ体に悪いと言われているのかを調べました。
[st-midasibox title=”食卓塩は体に悪いのか” fontawesome=”fa-question-circle faa-ring animated” bordercolor=”#03A9F4″ color=”#fff” bgcolor=”#E1F5FE” borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
- 食卓塩が体に悪いという科学的根拠はない
- 体に悪いのはナトリウムの摂り過ぎ
[/st-midasibox]
[st-midasibox title=”体に悪いと言われている理由は” fontawesome=”fa-question-circle faa-ring animated” bordercolor=”#03A9F4″ color=”#fff” bgcolor=”#E1F5FE” borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
- ミネラル分が少ないから
- 食品添加物が添加されているから
[/st-midasibox]
食卓塩が体に悪いという科学的根拠はありませんでした。
体に悪いのはナトリウムの摂り過ぎです。
ナトリウムの摂り過ぎは早死と関係があるという研究結果が出ています。
食卓塩はミネラルが少ないと心配されていますが、ミネラルは他の食品から補うことができますのでそんなに心配はいりません。
塩と一緒にカリウムを多く含む野菜や果物を摂ると塩分の影響が軽減されます。
塩気のあるものを食べる時は野菜や果物も一緒に食べるようにしてください。
添加されている炭酸マグネシウムも安全性の高いものです。
炭酸マグネシウムは通常の食事による過剰障害は報告されておらず、習慣的な摂取量の上限も設定されていません。
それでもやはり心配だという人やまろやかな塩を使いたいという人は自然塩を選ぶといいと思います。
食卓塩は体に悪い!!と過剰に心配する必要はありませんので安心してくださいね。
最初に取り上げた研究の詳細はこちらからどうぞ
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食品への塩の添加と早期死亡の危険性
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