来ました!農業の季節!
最近はステイホームの影響もあって家庭菜園がブームです。
あちこちで種をまいたり苗を植えたりする姿が見られます。
そんな家庭菜園用に買った野菜や花の種、結構余りませんか?
余った種はどうやって保存していますか?
その種、来年も使えますか?
今回は正しい種の保存方法を調べてみました。
Contents
種の保存方法は「余ったら冷蔵庫」が最適です
あれも育てたい!これも育てたい!と種を沢山買って余らせてしまった!
そんな時は冷蔵庫の冷蔵室で保存するのが正解です。
なぜ冷蔵室が良いのか?
種は直射日光と湿気を避け、【5℃程度】の温度を保って保管するのが長持ちの秘訣です。
冷蔵室の温度は、各メーカー【2℃から6℃】で湿度も低く、種の保存にはとても理想的なのです。
ポイントはタネに呼吸をさせないこと。
温度や湿度が高いと呼吸が盛んになり、タネの寿命も短くなっていきます。
余った種の袋をセロテープなどでしっかりとめて、密閉容器やジップロックなどに入れます。
この時、お菓子などについている乾燥剤も一緒に入れて保存するのがベストです。
注意ポイント 冷蔵庫から一旦外に出し、環境を急に変えると種の体力が消耗して発芽率が落ちてしまいます。保存する時に小分けにするなど、必要な分だけ素早く取り出せるように工夫してみましょう。
種の保存方法に冷凍室や野菜室は向いていない?
種の保存が冷凍室や野菜室ではなく、冷蔵室で保存するところがポイントなのは、なぜなのでしょう。
種の保存方法は冷凍室だとダメなの?
冷凍室の場合、種の中に水分が残っていたら、結晶化して細胞構造を壊してしまい、種の寿命を大きく縮めてしまいます。
ですが、種が十分乾燥していて、温度などの条件が整えば冷凍庫でも保存は可能です。
日本有機農業研究会では冷凍低湿保存といって、預かっている優良種子などを冷凍保存しているようです。
家庭用冷凍庫でも、【-18℃】で数百年保存出来る事もありそうですね。
種の保存方法は野菜室だとダメなの?
野菜室をすすめる方も沢山います。
絶対ダメではないのですが、湿度が高いのが少し問題です。
それに、野菜室には種の寿命を縮めてしまうエチレンが出やすいので、あまり向いていないと思われます。
どちらも絶対ダメ!ではありませんが、良い条件が揃わないと難しそうです。
一般家庭ではやはり冷蔵室が一番良いと思います。
種の保存期間はどれくらいあるの?種には寿命があるのでしょうか?
種にはそれぞれ発芽能力を維持できる期間(寿命)があります。
自分の種に蓄えられた養分を少しずつ使いながら生きているので、養分が無くなれば死んでしまいます。
種の袋の裏などに、有効期限と発芽率が書かれています。
有効期限とは「種が自分の栄養で生きられる期限」の事なので、ある程度の目安にしてみましょう。
野菜や花の種類によってかなりの差があるので見てみましょう。
短命種子(1~2年)
野菜
シソ・枝豆・落花生・とうもろこし・ネギ・ニラ・タマネギ・ミツバなど
花
カルセオラリア、トレニア、スイートアリッサム、フロックス・ドラモンディー、ワスレナグサ、球根ベゴニア、ハルシャギク、ジギタリス、ニチニチソウ、サルビア、ローダンセ、コスモス、カイザイク、クラーキア、キキョウ、インパチェンス、エゾギクなど
常命種子 やや短命(2~3年)
野菜
キャベツ・レタス・ほうれん草・ゴボウ・ピーマン・トウガラシ・エンドウ・インゲンマメ・そら豆など
花
タチアオイ、ヒナギク、ダリア、ハナビシソウ、フレンチ・マリーゴールド、センニチコウ、アゲラタム、リナリア、ロベリア、パンジー、バーベナ、マツバボタン、ハナビシソウ、カスミソウ、クロタネソウ、オジギソウ、オニゲシ、マツムシソウ、シネラリア、キンセンカ、カーネーション、セキチク、ペチュニア、ムシトリナデシコ、ジニア、スイトピーなど
常命種子 やや長命(3~4年)
野菜
大根・カブ・白菜・ツケナ・キュウリ・マクワウリ・カボチャなど
花
キンギョソウ、ブラキカム、ルコウソウ、ルピナス、シザンサス、ストック、シクラメン、ヤグルマギク、ヘリアンサス、マリーゴールドなど
長命種子(4~6年)
野菜
トマト・ナス・スイカ・オクラなど
花
ハゲイトウ、ケイトウ、スイセンノウ、ホウセンカ、アグロステンマ、アサガオなど
それぞれ多少の誤差はありますが、短いものは【1年】~長くても【6年】くらいまでなのですね。
同じ野菜でもそれぞれ違うようなので、購入の際はチェックしてみるのもいいですね。
種は保存方法が良くても有効期限を過ぎたものは捨てるべき?
種の販売店等に問い合わせると、「有効期限の切れた種は捨てて下さい」と言われると思います。
でも私の経験上、有効期限が過ぎても発芽するものかなりあります。
【1~2年過ぎた位】なら、ほぼ発芽すると思っていいと思います。
ですが、有効期限が過ぎると発芽率は年々悪くなっていくことは確かです。
数年経っているけど、何だか捨てるのはもったいない…。
そんな時は発芽するか試してみるのもおすすめです。
発芽試験 ←こんな容器がおすすめです! 引用:Amazon.co.jp
平均的な発芽までの日数は、野菜の種類や温度によって変わりますが、基本的にはどの野菜も【3〜7日】の間に発芽します。
まれに【10〜14日】経ってから発芽する場合もありますが、それ以上かかる場合は諦めた方がいいでしょう。
まいた種の半分以上発芽すれば大丈夫!
それ以下なら早めに見切りをつけて新しい種にしてみましょう。
自分で採取した種を保存しても大丈夫?その方法は?
自分で育てた野菜から種をとって、次の年用に保存出来たらいいですよね。
毎年種を買わなくて済むので一石二鳥です。
でも、勝手に種をとって増やすのは大丈夫なのでしょうか?
自分で種を採取して保存は違法⁉
最近噂でちょっと聞いた事のある法律、「種苗法」自家増殖(自家採取を含む)の原則禁止。
種苗法(しゅびょうほう、平成10年法律第83号)は、植物の新品種の創作に対する保護を定めた日本の法律。1998年5月29日に公布された。植物の新たな品種(花や農産物等)の創作をした者は、その新品種を登録することで、植物の新品種を育成する権利(育成者権)を占有することができる旨が定められている。
ざっくり言うと、植物の品種版特許のようなもので、新しい品種を作った際に登録した人が育成する占有権を持っているので、勝手に増やしたりしてはいけないのです。
こんな質問を見かけました。
自家栽培・市民農園・ベランダ菜園など、自家消費が目的であれば、登録品種の増殖は禁じられていません。
種子繁殖は違法では無く、挿し木や接ぎ木、組織培養での増殖は、品種登録が有れば違法となるようです。
条件があり、自分の為の増殖は違法ではありませんが、他人に有償無償を問わず譲るのは違法になります。
あくまでも自家用ならば直接的な影響は無さそうです。
種を自分で採取して保存してみよう!その方法とは?
安心した所で、種の採取について調べてみました。
おすすめはトマトやゴーヤ、豆類なんかも良さそうです。
種とりは、収穫期を過ぎても収穫しないで種が出来るまでそのままにしておいて、じゅうぶんに熟したところで種を取ります。
取り出した種は十分乾燥させて、買った種同様、冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
種とり方法
- 葉もの野菜
ほうれん草などは、開花して結実するまでそのままにして、枯れたらサヤから種をとりだします。
- 豆類
インゲン豆などは、実をとらずにそのままにして、カラカラに乾燥したらサヤから種をとりだします。
- 実もの野菜
トマトやゴーヤなどは、実を完熟させて種をとりだすのですが、種のまわりがぬめっているので、水できれいに洗い流してから乾燥させます。
- 根もの野菜
大根などは、開花して種がつくまでそのままにして、枯れたらサヤから種をとりだします。
色々な種がありますが、とにかくよく乾燥させてから冷蔵室で保存する‼
これさえ気を付ければ、色々な種を収穫出来ますよ。
種の保存方法間違ってない⁉余った種保存するなら冷蔵・野菜・冷凍?のまとめ
- 種の保存方法は余ったら冷蔵庫が最適です。
- 種の保存方法に冷凍室や野菜室は絶対ではありませんが、向いていません。
- 種の保存期間は1年~6年ほどあり、詳しくは種の袋などで確認しましょう。
- 種は保存方法が良くても期限を過ぎたもでも発芽します、捨ててはいけません。
- 自分で採取した種を保存しても大丈夫、方法も一緒です。
種は保存方法が正しければ、案外長持ちします。
有効期限もありますが、ほとんどの種はそれより長持ちすると思います。
私は、とうもろこしや枝豆は2週間位の時間差をつけて種まきします。
そうすると1シーズンに何度も食べられるし、1度に沢山まくと、1度で沢山収穫されて、食べきれずに大変な事になります。
スペースがあれば、1シーズンに数回に分けてまくのも是非おすすめしたいです。
どんなに正しい保存方法でも、種は寿命がくると「パタッ」と発芽しなくなります。
発芽率が少なくなってきたと感じたら、もったいないと思わず、その年に思い切って全部まいてあげて下さいね。