きへんに久しいと書く漢字「杦」という漢字があります。なんとなく、読めそうですが、読めません、実際なんて読むのでしょう?
きへんに久しいの読み方
言われてみれば、なんてことはないのですが、きへんに久しいと書いて「スギ」と読みます。
訓読みは「すぎ」
音読みは「サン」
となります。
「杉」の異体字という位置づけになる漢字なんです。いわゆる環境依存文字となっているので、利用されている、パソコン・スマートフォンやブラウザによっては
表示される字形が異なる場合があるという困った字でもあります。名字で「杦本」さん(スギモトさんとお読みします。)という方がおられたので、
この「杦」という漢字に興味を持ったのですが、文字がきちんと表示されない可能性のある名字というのも、なかなか難儀なものだと思いますね。
「杦」は「杉」の異体字です
異体字とか俗字とか呼ばれる字体になりますが、大変ポピュラーな?「杉」の文字が変化したものです。
ですので、「杦」は「杉」読みも、意味も全く同じです。
どうしてこんなことになっているかというと、昔の筆を使って文字をかいていたころの名残で、
筆書きで、「彡」の最後の[ノ]を「ゝ」のように書いたのを「亥」の最後3画のようにし、[ノ人]の初め2画[ノノ]を
И字状に続けて[ク]のように書いたものを、活字にするときに、書かれたとおりに作ったので、[彡]→[ノ人]→[久]と変化したと言われています。
異体字とか、昔の書体は段々と淘汰されていっているのですが、珍しいパターンとなっています。
「杦」のつく苗字について
杦本、杦山、杦田 といった苗字があることが確認できます。
やはり、異字体ということもあり、ごくごく少数の方となるようですね。