昆虫嫌いな私が、例外的に触れるのが、トンボと蝶です。
子供の頃トンボを捕まえるのは、得意でした。多分アキアカネだったと思いますが、外での授業中つまらなかったので、先生の話を聞かずトンボを捕まえてた記憶があります。(先生からすると嫌な生徒ですね)
ともあれ、今回は黒いトンボ特集です。よ。
黒いというと不吉な気がしますが。実は幸運を呼ぶ神様トンボと呼ばれているトンボがいます。
これから紹介する、黒いトンボの生態を知ると、そう呼ばれるのも分かると思いますよ。
Contents
日本にトンボは何種類いるか知ってますか?
日本にトンボが何種類いるかは、はっきりとはしていませんが、約200種と言われています。
今、この瞬間にも新種のトンボが発見されているかも知れません。
昔、山奥の村に住んでいた時、村の湿地で新種のトンボが発見され、他の地域にはいない希少なトンボと、話題になりました。
私もそこへ行きましたが、自然の湿地が手つかずにあり、他にも新種の植物などが存在していそうな、忘れられたような場所でした。
黒いトンボは日本に何種類いるの?
有名なのは、ハグロトンボです。しかし 他にも 黒いトンボはいます。
黒いトンボ界のアイドル?カワトンボ科の黒いトンボ
日本で黒いトンボとして有名なのは、ハグロトンボです。
他にも、奄美地方にはリュウキュウハグロトンボという黒いトンボがいます。
また、アオハダトンボもハグロトンボと間違える程そっくりです。
ヤンマはトンボ界のキング?ミナミヤンマ科の黒いトンボ
また、沖縄にはカラスヤンマという、メスだけ黒いトンボがいます。ただこのトンボは 翅の色は茶色から黒と幅があってありますが 黒いトンボの一種と考えましょう。
このカラスヤンマの※亜種で渡嘉敷島のみに生息するアサトカラスヤンマ というトンボもメスのみが黒い翅を持っています。
※亜種 種として分類されているものと似ていても、微妙に異なる特徴を持ったもの。住んでいる地域が違い、かつほんの少しの違いがある場合に使われます。
どうやら、日本にいる黒いトンボは、
- ハグロトンボ
- リュウキュウハグロトンボ
- アオハダトンボ
- カラスヤンマ
- アサトカラスヤンマ
の5種類のようです。
カワトンボ科の黒いトンボとミナミヤンマ科の黒いトンボはどんな違いがあるの?
カワトンボ科の黒いトンボと、ミナミヤンマ科の黒いトンボには大きな違いがあります。それは大きさです。
体長 ㍉ | 腹の太さ | |
ハグロトンボ | 57~67 | 細い |
リュウキュウハグロトンボ | 60~65 | 細い |
アオハダトンボ | 55~62 | 細い |
カラスヤンマ | 68~76 | 中くらい |
アサトカラスヤンマ | 70~77 | 中くらい |
ミナミヤンマ科の方が全体的に大きいことが分かります。
5種類の黒いトンボはどうやったら見分けられるの?
見分け方は姿だけではありません。動きもかなり違うようです。
ハグロトンボはどのように飛ぶのでしょう
参照URLhttps://youtu.be/oZ4_xgnLB98
とまっている時も、優雅に羽根を開いたり閉じたりしています。飛んでいる姿もトンボらしくなく、蝶のようにひらひらと飛びます。
リュウキュウハグロトンボの羽ばたきは?
参照URLhttps://www.nhk.or.jp/das/movie/D0002030/D0002030952_00000_V_000.mp4
こちらも、水辺にたたずみ翅を優雅に動かしています。こちらもひらひらと飛んで、蝶のようです。
アオハダトンボの飛び方をスローモーションで見てみよう
参照URLhttps://youtu.be/sZK0r67SU50
この動画では、スロー画像で羽ばたく様子が良く分かります。冒頭はオスとメスが一緒にいる珍しい光景ですね。
後半のとまっている場面でも、優雅に羽ばたきをする様子が見られます。
私はこの動画を見ると毎回、羽ばたきの美しさに魅了されます。
ポイント
カワトンボ科の黒いトンボは皆、とまっているときに翅を閉じたり開いたりする様子が、手を合わせて祈っているように見えます。そんな行動が幸運と、結びついたものと思われます。
しかし、沖縄地方では、特に黒いトンボにまつわる言い伝えはありませんでした。
カラスヤンマがとまっている様子
まだまだ新鮮なカラスヤンマ pic.twitter.com/44NYrQMgZ7
— なべっちょ (@CT817815) July 10, 2021
カラスヤンマは飛んでいる動画が見つかりませんでしたが、とまっている動画はあり、視聴しました。
カワトンボ科のトンボと違い、とまっているときは、翅を開いたままで、周囲を警戒して頭は動きますが、翅は動かしません。
アサトカラスヤンマは?
引用 お気軽Webトンボ図鑑
アサトカラスヤンマは渡嘉敷島だけにいる、希少なトンボです。残念ながら、動画はありませんが、カラスヤンマとほぼ同じ様子らしいです。
カワトンボ科の黒いトンボ3種見た目ではどこがちがうの?見分け方のポイント
アオハダトンボの生息地は本州と九州のみ、ハグロトンボは本州と四国、九州に生息しています。
ですから、これらの地域ではリュウキュウハグロトンボはいません。
生息地から、おのずと種類が限定されます。
ほぼ同じ地域で見られるハグロトンボとアオハダトンボ
ハグロトンボとアオハダトンボの違いを見てみましょう。
まずは、メスで比較してみます。
引用 くぼかわ里山日記
①アオハダトンボのメスの翅には先端より斜め上に白い模様があります。ハグロトンボの翅は真っ黒です。
②翅の形がアオハダトンボは大きくカーブを描き幅が広いのに対し、ハグロトンボはやや鋭角のカーブで翅の幅が細めです。
メスの腹はアオハダトンボは茶色っぽく、ハグロトンボ黒っぽく、光沢が無く地味ですね。
次はアオハダトンボのオスとハグロトンボのオスの違いを見てみましょう。
引用 くぼかわ里山日記
①アオハダトンボ、ハグロトンボ共に翅の色は、真っ黒です。
②アオハダトンボの方が翅の形が丸っこいカーブを描いて、幅が広いのに対して、ハグロトンボの翅はやや直線的なカーブで幅が細いです。
③微妙で分かりにくいですが、腹の先端の下がアオハダトンボは白くなっていますが、ハグロトンボは白くありません。
アオハダトンボの腹は、青い光沢のあるメタリックな色ですね。ハグロトンボの腹は、グリーンがかったメタリックな色で、どちらもメスより目立ちますね。
また、先程の画像にあったように、アオハダトンボは翅を広げると、光によって青い光沢が見えます。
奄美大島と徳之島と沖縄本島にしかいない固有亜種のリュウキュウハグロトンボ
リュウキュウハグロトンボのオス
リュウキュウハグロトンボのメス
リュウキュウハグロトンボは奄美大島と徳之島と沖縄本島にしかいない固有亜種だそうです
オスの翅は青から黒へのグラデーションのような色をしているのが特徴的です。腹の端の下はオレンジ色です。
メスの翅は茶色っぽく先端の斜め上に白い部分があります。腹も黒から茶色と地味な色です。
Q.ハグロトンボとリュウキュウトンボとアオハダトンボ①②③どれでしょう?
さあ、カワトンボ科の黒いトンボの見分け方を説明しました。
この写真を見て、どれがどのトンボか分かりますか?光の加減やオス、メス、で翅や腹の色が違います。微妙に分かりにくいかも知れません。
①は左の翅のオモテが青みがかって見えます。腹はグリーンぽいでしょうか。
②は黒い翅に腹は青く光っているように見えます。
③は黒い翅の根本が青く見えます。腹はグリーンでしょうか。
A.正解は分かりましたか?
①アオハダトンボ
②ハグロトンボ
③リュウキュウハグロトンボ
でした
私には、全く分かりません。トンボの研究をしている人は凄いですね!わずかな違いで分類するのですから。
ミナミヤンマ科の黒いトンボは、どうやって見分ける?
うおおお人生初カラスヤンマ!!
食料調達に寄ったファミマでまさかの飛翔!!
ひらひら飛びすぎて一瞬黒系アゲハに見えた! pic.twitter.com/YaFh6Mgq43— Puchi ʚïɞ (@Puchx_dictatrix) June 18, 2022
こちらも、生息地が違うので見つけた場所で、区別できます。
黒いトンボにはどこへ行ったら会える?
トンボが生息するのは、幼虫であるヤゴが住める環境の近くです。
ハグロトンボとアオハダトンボ
穏やかな流れで水性植物が繁茂している小川、すなわち、きれいな水であることが必須条件。
さらに、周りに草や林がある、昔の自然が残っているようなところを好みます。
それは、水性植物に産卵することや、羽化したばかりのトンボが隠れることの出来る、草むらや、林が必要だからだと推測されます。
成虫が見られるのは5月〜10月で7月・8月が特に多く見られるそうです。
リュウキュウハグロトンボ
山間地で森林の生い茂る渓流に住んでいます。やはり、羽化したばかりの若い成虫は、森に隠れて過ごすからでしょう。
成虫が見られるのは、2月〜12月だそうです。
カラスヤンマとアサトカラスヤンマ
川の源流から、中流、川の付近の道路等でも見られ、海岸線から尾根に至るまで見られるそうです。
カラスヤンマの成虫が見られのは、4月〜8月だそうです。
アサトカラスヤンマの成虫が見られるのは、6月〜8月だそうです。
いったい神様トンボと呼ばれる黒いトンボはどれなの?
どうやら、神様トンボと呼ばれるのは、ハグロトンボのようです。
黒いトンボは珍しいので出会えたら幸運!会える時期や場所を徹底解説
こちらのサイトに、黒いトンボのスピリチュアルな内容が詳しく解説されていますので、是非ご覧下さい。
日本に黒いトンボは何種類いるでしょう?黒い翅は幸運の羽ばたき?のまとめ
- 日本に黒いトンボは5種類いる。
- 5種類のトンボはカワトンボ科と、ミナミヤンマ科にわけられる。
- 黒いトンボの見た目での見分け方は、大きさと、翅の形と翅の色。
- 黒いトンボの動きでの見分け方は、とまっている時の翅の動き方。
- 本州付近で、黒いトンボが見られるのは、水がきれいで、流れがゆるやかな水草が生えている小川、かつ周りに草や林が生い茂っている所。
- リュウキュウハグロトンボが見られるのは、山間地の森林が生い茂る渓流。
- カラスヤンマとアサトカラスヤンマが見られるのは、川の源流から、海岸線と、広範囲。
昔は、黒いトンボを結構見かけたそうです。今ではあまり見かけなくなりました。
環境悪化による生息域の減少が原因でしょうか?
古くは大和国の枕詞に秋津島とあったように、秋津(トンボ)は豊穣を意味し、秋津がたくさん飛び交う光景があったのでしょう。
そんな風景を取り戻したいものですね。