皆さんは洗濯をするとき、洗濯物をいつ干していつ取り込んでいますか?
朝干して夕方取り込むのがベストだとわかっていても、お仕事や子育てなどで実際は難しいことが多いですよね。
夜に洗濯をしたり、帰宅が遅くなって夜に取り込む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで発生するのが「夜露で洗濯物が濡れてしまう問題」です。
天日でぱりっと乾いた洗濯物は気持ちがいいですが、忙しいとなかなか思うようにいかないところ。
できれば少しでも夜露を避けて快適にお洗濯したいですよね。
夜露は何時から発生する?屋根の下なら大丈夫なの?…そんな疑問を、夜露のメカニズムを理解して解消しましょう!
Contents
夜露で洗濯物が濡れるのは何時から?
仕事や用事などで昼間に洗濯物を干せない場合、何時なら夜露を避けられるのでしょうか。
結論から言うと、地域や季節によって時間は変わります。
こう言ってしまっては元も子もないですが、夜露が発生する時間は以下の2つのバランスによって変化するんです。
・気温
・空気中の水分量
詳しいメカニズムについては後ほど解説しますが、夜露は空気中に含み切れなくなった水分が露になることで発生します。
そして空気中に含むことができる水分量(=飽和水蒸気量)は、気温が下がるほど少なくなります。
そのため、上の2つの条件によって夜露が発生する時間が左右されるのです。
東京の5月の湿度を見てみましょう。湿度というのは一般に飽和水蒸気量に対しての水分量の割合を示します。
引用 気象庁HP https://www.jma.go.jp/jma/index.html
朝は5時の90%をピークに下降し、午後は14時の46%を底に夜に向かって上昇しています。
加えて、気温は14時の23.5℃をピークに下降していますね。
この場合洗濯物が乾きやすいピークは11~15時頃であり、ここを外れる時間は極力短くするに越したことはなさそうです。
ポイント
気象庁のHPでは時間帯別の湿度や気温のデータを公表しているので、そちらを確認するのもおすすめですよ。
屋根の下なら夜露から洗濯物を守れる?
ベランダなどのスペースが軒下になっているご家庭も多いかと思います。
屋根の下などであればある程度夜露から洗濯物を守れると考えられます。
というのも、夜露は夜に地面が冷やされることで引き起こされます。
遮るものがあると地面の熱が放出されにくくなり、遮るものがない場所よりは夜露が避けられると考えられるからです。
夜露で洗濯物が濡れるのはなぜ?
そもそもなぜ夜露で洗濯物が濡れる現象が起きるのでしょうか。
それは中学生の頃理科の授業で習った現象が関係しています。
夜露が発生するメカニズムを詳しく見ていきましょう!
夜露で洗濯物が濡れる理由① 飽和水蒸気量
空気中には水分が含まれていて、湿度が高いということは水分が多いということは皆さんご存じですよね。
しかし、空気が含むことができる水分には限界があります。
この1㎥に含むことができる最大の水蒸気量のことを、飽和水蒸気量といいます。
この言葉、懐かしいと感じた方も多いのではないでしょうか。
この飽和水蒸気量は温度が高いほど多く、低いほど少なくなります。
つまり、夜に気温が下がり飽和水蒸気量も減ることで、空気中に含み切れなくなった水分が表れたものが夜露になるということです。
このことから、気温の高い夏は夜露が発生しにくく、夜に冷え込む冬は夜露が発生しやすいということになります。
これは、冬に結露や霜がつきやすいことから想像できますね。
もちろん、湿度が高いとすぐ空気が水分を含み切れなくなるため夜露が発生しやすく、
湿度が低いと飽和水蒸気量に余裕があるため発生しにくくなるとも言えます。
そのため、夜露が発生する時間は一定ではなく、気温や湿度に左右されるのです。
ちなみに…
湿度100%というのは水中ではなく(そう思ったのは私だけでしょうか?)、
空気中の水分量が飽和水蒸気量まで達した状態のことを指します。
夜露で洗濯物が濡れる理由② 放射冷却
飽和水蒸気量に加え、夜露の発生に関わっているのが放射冷却です。冬の天気予報でよく聞く単語ですよね。
これは、晴れた日に地面に留まった熱が夜に気温が下がることで放出され、地面の温度が下がる現象です。
この現象が起きることで地面付近の空気も冷やされ、そこに含まれていた水分が水滴になることで露が発生します。
晴れた日には雲などの遮るものがないため、熱が上空に逃げて放射冷却が起きやすくなると考えられています。
そのため、屋根などの遮るものがあると熱が逃げにくくなるため、夜露も比較的発生しにくくなると考えられます。
【おまけ】夜露干し
夜露は洗濯物を濡らしてしまうため厄介者のように感じてしまいますが、
綿布団に限っては夜露を活用した「夜露干し」というものが存在しています。
夜露干しは、綿布団を夜の間から外に干すことで布団に夜露を含ませ、
昼間の日光で蒸発させることで布団をふかふかに復活させる方法です。
昔ながらの方法で、夏の土用の時期が最適とされています。
以前アニメのちびまる子ちゃんでも夜露干しについての場面が出てきました。さすが昭和の家庭ですね。
本来は3~4日これを繰り返すそうですが、1日でもある程度の効果が得られるようですよ。
晴れ間の続きそうな日にぜひ試してみてください。
夜露で洗濯物が濡れるのは何時から?屋根の下ならOK?メカニズムを知って対策!のまとめ
・夜露が発生する時間は一定ではなく、気温低下・湿度上昇で発生しやすくなる
・屋根や遮るものがあるとある程度夜露から洗濯物を守れる
夜露は、気温が下がって空気中に含み切れない水分が水滴になることで発生します。
地面の熱が冷まされるとそこに接している空気が冷えるので、特に雲のない晴れた日や昼間との寒暖差が大きい時は、夜露が発生しやすくなります。
そのため、夜露の発生する時間を予想するのは難しいですが、湿度の高さと気温が下がり始める時間に注意して洗濯をするとよさそうです。
また、地面の熱が下がる放射冷却によって夜露が発生するので、外に干しておく場合は屋根の下がおすすめです。
洗濯物を干すにはやっかいな夜露ですが、時には綿布団をふわふわにしてくれることも。
夜露のメカニズムを知って、忙しい毎日の家事を少しでも快適にしましょう!