暮らしの知恵

母子家庭で実家暮らしなのに世帯分離を選んだ場合のデメリット

突然ですが、夫婦が離婚するのは結婚していつ頃が一番多いと思いますか?

うーん…定年退職後とか?熟年離婚じゃない?

実は「結婚2年目から6年目」が一番多いそうです。

ちょうど子供も産まれてハッピーな頃ではと思われがちですが、「産後クライシス」という言葉もあるように、出産後は夫婦関係が悪化するケースが多いのです

今回の記事は、母子家庭になってしまった母親が子供を連れて実家に戻った場合、世帯をどうするかという問題について考えていきます。

世帯分離すると、どんなデメリットがあるのか、離婚している人ばかりでなく、結婚している人も一度考えてみてください。

 

 

母子家庭になった時に世帯分離を考えるきっかけとは

実家と絶縁している場合は別として、母子家庭になった時、まず実家に身を寄せる人は多いと思います。

実家でお世話になるメリットとしては、次のことが挙げられます。

実家で暮らすメリット

①家を借りる初期費用がかからない
②育児や家事を手伝ってもらえる
③子供が寂しさを感じることが少なくなる

家を借りるには、家賃や敷金、引越代に家具購入など、初期費用だけで30万円はかかります。

母子家庭になった今、できるだけお金は残しておきたいからと実家を選ぶのも当然のことでしょう。

また家に自分以外の大人がいれば、トイレの間だけでもみてもらえるとか、何かしてもらえなくても少しは助かりますよね。

もちろん、実家でお世話になることにはデメリットも存在します。

実家で暮らすデメリット

①親に行動を制限される
②子供の教育方針で親と衝突する
③近所の目があり肩身が狭い
④保育園などの入園に優先順位が下がる

実家に居れば、独身の頃のようには出かけられないし、子供の教育方針で揉めることもあるでしょう。

近所の人からも「離婚して戻ってきたと思われているだろうな…」と肩身の狭い気持ちになることもありますよね。

家に保護者がたくさんいると思われて、保育園に入れる点数が低くなることもあります。

「実家だと手伝ってもらえるからいいわね〜」と嫌味的な事を言われることもあるようです。

しかし、親が子育てに協力的でなかったり、経済的にも協力を得ているわけではない場合、その発言が理不尽だと思うでしょう。

こちらを踏まえて、母子家庭になった時にどうするか、次の3パターンが考えられると思います。

シングルマザーが取る行動

①実家で世帯を同じにする
②実家で世帯分離にする
③実家を出て家を借りる

次はこの3つのケースについて、詳しくみていきましょう。

 

 

母子家庭で実家暮らしだとデメリット!児童扶養手当が貰えない?

まず、児童を持つことで国から貰える手当について説明していきます。

 

児童手当と児童扶養手当の違い

さて、子供を持つ親に与えられる手当としては、次の2つがあります。

子供を持つ人に与えられる手当

①児童手当
②児童扶養手当

児童手当」の対象者は、国内に住所を有する中学校終了までの児童となり、児童手当は扶養するのが2人親や、養護者でも貰える手当です。

所得制限が設けられており、夫婦と児童2人の場合は年収ベースで960万円未満となっています。

一方「児童扶養手当」とは、離婚によるひとり親世帯等の児童が、18歳(子どもに障がいがある場合は20歳未満が対象)に達する日以後の最初の3月31日まで貰える手当で、扶養するのはシングルの親や養護者が対象です。

児童扶養手当を受給するのに、母子家庭になった理由は問われません。離婚や死別の場合、未婚で子供を出産した場合も受給の対象です。

夫の生死が不明、刑務所で1年以上拘禁、夫と連絡がとれず1年以上も生活費の支払いを受けていない、DV法にもとづく保護命令が出ていたりする場合でも受給できます。

また、ここでいう所得には養育費も含まれます。よって、請求者の所得とはこんな計算式で出します。

所得=収入金額–諸経費(給与所得控除額)+養育費の8割相当額(養育費×0.8)-諸控除額

 

養育費を貰えてない母子家庭は多いけどね…

請求者(一人親)及び、請求者と生計を同じくする扶養義務者等の前年の所得が表の限度額以上のときは、手当の全部又は一部が支給停止となります。

扶養人数 受給資格者本人 扶養義務者・配偶者・
孤児等の養育者
全部支給 一部支給
0人 49万円 192万円 236万円
1人 87万円 230万円 274万円
2人 125万円 268万円 312万円
3人 163万円 306万円 350万円
子供がいるのに扶養人数が0人ってどうゆうこと?

扶養人数が「0人」というのは、離婚後に子供だけが父親の扶養となったまま、母親と2人で生活している場合、母親の扶養人数は0人となります。

受給資格者本人の親(祖父母)などの親族を扶養している場合は、扶養人数として数えます。

児童扶養手当の、全額支給および一部支給の金額一覧です。

児童の数(本体月額) 全額支給(所得制限額未満 一部支給
1人目 月額43,160円 所得に応じて月額43,150円から10,180円まで10円単位で変動
2人目の加算額 月額10,190円 月額10,180円から5,100円まで10円単位で変動
3人目以降の加算額(1人分) 月額6,110円 月額6,100円から3,060円まで10円単位で変動

※児童扶養手当の額は、物価の変動等に応じて毎年額が改定(物価スライド制)。

引用:東京都福祉保健局

収入が超えてしまうと支給されないのが児童扶養手当であり、所得の計算対象が、請求者の所得だけではないのに注意してください。

離婚して実家に戻ったら、児童扶養手当が貰えなくなるという噂をよく聞くよね…

つまり、実家で同一世帯として暮らしている家族(祖父母、兄弟姉妹など)の中で、所得の一番多い人が基準となってしまうのです!!

ただし、所得の合算ではありませんので、家族の中で一番所得が多い人が、その基準以下の所得しかなければ、実家暮らしであっても児童扶養手当は支給対象となります。

そっか…母親の所得だけなら支給される可能性が増えるよね

そこで実家暮らしでも、家族の所得が影響されない方法として「世帯分離」を考える人がいると思います。

 

 

母子家庭で実家暮らしなのに世帯分離を選んだ場合のデメリット

世帯分離とは、住所の変更を伴わずに子が生計を別にして「同一住所別世帯」となることです。

母子家庭になって実家に戻り、住民票を移す際、役所の人から「世帯はどうしますか?」と聞かれると思います。

ここまでの話を聞いていたあなたは「世帯分離で!」と答えるかもしれません。

つまり世帯分離していても、族の中で所得の一番多い人が、児童扶養手当支払いの基準となってしまうのです!!

経済的に援助も受けてないのに…と思われるかもしれませんが、もし母子家庭で家を借りたら、今の生活費以上にかかるという計算なのでしょう。

世帯分離しようがしまいが、一緒に住んでいると思われたら、母親の所得だけを見てもらえないのです。

母子家庭で世帯分離にしても、児童扶養手当の点では意味がないというのが最大のデメリットといえます。

 

世帯分離の例外

 

 

母子家庭で実家暮らしなのに世帯分離を選んだ場合のメリット

児童扶養手当は貰えないかもしれませんが、それでも世帯分離することによるメリットがあります。

世帯分離のメリット

①国民健康保険の額が減る
②国民年金の減額免除
②保育料が減る

では順に説明していきます。

日本は「国民皆保険制度を採用しており、日本に居住する全ての人は健康保険(公的医療保険)の被保険者や被扶養者になっています。

健康保険(公的医療保険)の種類は「健康保険(健保)」と「国民健康保険(国保)」に分けられ、働き方によってどちらにするか決まります。

よって、健保の加入条件を満たす場合は健保に強制加入、満たさない場合は国保に加入するのが義務になっています。

「従業員が5人以上の事業所で、所定労働時間が正社員の4分の3以上」ならパートであっても健保の加入資格があります。

また、健保を払えるくらい働いているのなら、児童扶養手当を全額もらうのは厳しいかもしれません。

 

国民健康保険の額が減る

先程説明したように、日本は国民皆保険なので、母子家庭になったとしても何かしら保険に入る必要があります。

例外として国保の加入の義務がない人は、職場の健康保険組合に加入したその家族と、生活保護者、後期高齢者医療保険に加入している人です。

つまり母子家庭になれば国保に入るか、働いて健保に入るか、親の加入している健保に入るということになります。

しかし子供が小さい場合、保育園に預けて働くには保育料が高すぎたり、雇ってもらえないケースもあります。

その場合、母親は無職になるのですが、それでも国保は払わないといけません。

国保の税金は、一世帯ごとの平等割額、被保険者の人数による均等割額、被保険者の所得に応じた所得割額の合計額によって決められます。

世帯が同じ場合は、例え母親が無職だったとしても、他の家族が働いていれば関係ありません。しかし世帯分離をすると、一世帯ごとの平等割額が二世帯分になります。

その時、無職の母親だと「低所得者軽減」に該当となる場合もありますので、結果的には国民健康保険税が安くなる可能性もあるのです。

1年6カ月以上滞納が続くと、特別療養費や高額療養費の支払いも全部または一部停止されるので、全額自己負担になってしまいます。

それでも滞納が続くと最終的には財産の差し押さえがされます。

 

国民年金の減額免除

国民年金の場合も、20歳以上60歳まで国民すべてが払うことになっています。しかし専業主婦から母子家庭になった場合、払えないケースも出てくると思います。

その場合は滞納するのではなく、役所で手続きをして減額や免除申請を受けましょう。

免除制度は、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除と4種類あります。世帯の所得で判断されるため、免除額は個人で異なります。

そのため世帯分離している方が全額免除される可能性が高くなります。

以前は、女性が離婚や死別となった場合で前年の所得が125万円以下の場合は年金が免除されるという内容でしたが、同じ条件の未婚ひとり親の場合も、年金が免除されるようになりました。

 

保育料が減る

2019年より3歳以上の子供には、幼稚園・保育園・こども園に関わらず、全て保育料無償化の対象となりました。

3歳以下の子供については未だに保育料がかかりますし、母子家庭だからといって保育料が減額になるわけではありません。

しかし認可保育園の場合、住民税非課税の世帯ならひとり親関係なく保育料の減額対象になります。

住民税非課税の世帯とは、入園する年の1月1日の段階で、以下の状態にある世帯のことです。

・生活保護を受けている

・世帯主が未成年、障がい者、寡婦・寡夫で前年の合計所得が125万円以下(収入が204万4000円未満)である

・前年の合計所得が「35万円×<世帯人員数>+21万円」以下である

また認可外保育園の場合は、0歳~2歳で保育の必要性があると認められる住民税非課税世帯の子どもを対象に、月額4万2000まで無償になります。

こちらも世帯分離していなければ、その他家族の年収をみられてしまうので、世帯分離をしておいたほうが有利です。

とはいえ初めに述べたように、同じ屋根の下に住むと実家の干渉がきついと思う時があります。

親も年を取ってくれば、つい娘に頼りがちになり、お互いが甘やかして両方ダメになることもありうるでしょう。

その場合は、実家から少し離れて家を借りる方が、お互いにとっても良い場合もありますよ。

親が若いうちでないと離れにくくなりますから、実家を出る決断は小学校入学時など、早めの方が良いでしょう。

 

 

母子家庭で実家暮らしなのに世帯分離を選んだ場合のデメリットのまとめ

  • 夫婦の離婚する時期は「結婚2年目から6年目」が一番多い
  • 離婚して実家で生活立て直しを考える人は多いと思うが、世帯分離にはデメリットがある
  • 世帯分離しても児童扶養手当が貰えない可能性がある
  • 世帯分離することで国民健康保険、国民年金、保育料が少なくなる場合はある
  • 実家が近いと助けてくれる場合もあるが、当てにならない場合は離れて住んだほうが良いこともある

今回は、母子家庭になって実家暮らしになった場合、世帯分離したらどんなデメリットがあるかを考えてきました。

完全な2世帯住宅でないと、児童扶養手当をもらえないのには関係ないのに驚きましたね。

所得の計算は世帯ごとになるので、特に介護が始まってから世帯分離を考えるケースが多いそうです。

税金などは申請することで得することもありますので、母子家庭になったらとりあえず役所に相談に行きましょうね。

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