パラスポーツの選手については、正直良く知らない方が多いのですが、パラリンピックで車椅子の陸上競技で7冠を目指すと
言われると、どんな選手なんだろうと気になります。ロシア生まれでアメリカ育ちというタチアナ・マクファーデン選手について
まとめてみました。
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マクファーデン車椅子の女王タチアナ・マクファーデン選手の経歴プロフィールについて
1989年に4月21日ロシア生まれ、当時のレニングラード(今の、サンクトペテルブルク)で生まれています。
生まれながらにして、二分脊椎症による先天性下半身不随という病気のため
下半身が動かないという相当気の毒な生まれの選手です。
下半身が動かず、医者からも長くは生きられないという診断もあり、さらに、当時のロシア(ソ連)は政治的混乱が続いており、
体が不自由な娘を育てる余裕もないため実母が手放し、6歳までロシアの孤児院で育つことになりました。
その後、米国人のデボラ・マクファデンさんに養女として引き取られました。このマクファデンさん、米国保健局の障がい者担当官という
仕事の方なんですが、たまたま視察に来られた際に出会い、養女とされたそうです。なかなかできることではありませんよね。
米国移住を機にスポーツを始め、車いす陸上で頭角を現す。
これは、孤児院時代に車椅子がなく”逆立ち歩き”をしていたため、自然と上半身が鍛えられていたようで、
すぐにスポーツ選手としての才能を開花していくことになりました。
孤児院時代の車椅子がない生活というのは、想像を絶する苦労があったと思いますが、そのお陰でアスリートとして
活躍できるようになったというのは、何が幸いするかわからないものです。
水泳や車椅子バスケットボール、アイススレッジホッケーなどさまざまなスポーツに挑戦していきます。
タチアナ・マクファーデン選手の主な大会での実績
これは、もう、圧巻というか、圧倒的な実績を残しています。
- 2002年 13歳の時に米国ジュニア選手権で年代別の世界記録を更新して優勝
- 2004年 アテネパラリンピックの代表選考会で好成績を上げアテネパラリンピック大会に出場
アメリカ代表チーム最年少の15歳であったが、100mで銀メダル、200mで銅メダルを獲得し、一躍注目を集める存在となった。
アテネ大会以降夏季パラリンピックは4大会連続出場を果たす。
- ロンドンパラリンピック T54クラス三冠400m、800m、1500mで金メダル
- リオパラリンピック 金メダル4個、銀メダル2個を獲得しています。
- 2013年の世界選手権では出場した6種目(100m、200m、400m、800m、1500m、5000m)すべてて金メダルを獲得しています。
6冠達成は女子選手として「史上初」の快挙となりました。
- 2014年ソチ冬季パラリンピックに出場し、クロスカントリーの1kmスプリントでは見事銀メダルに輝いています。
コーチのアダム・ブレークネイ氏によると、タチアナ・マクファーデン選手は、100mからマラソンまでこなす瞬発力と持久力を兼ね備えている。
筋肉に筋肉を重ねたような身体をしており、タチアナ・マクファーデン選手のことを「野獣」と呼ぶ方もおられるようです。
4大マラソンのグランドスラム達成!
2009年からマラソンにも挑戦をはじめており、シカゴマラソンで初出場初優勝の快挙を遂げていたが、
2013年には4大マラソン(ボストン、ロンドン、シカゴ、ニューヨークシティ)を1年間で全制覇する「年間グランドスラム」を達成しています。
これも、当然「史上初」の快挙ということになります。
その後、2014年、2015年にも年間グランドスラムを連続達成しているといいますから、もう、圧倒的としか言いようが無い実績を残しています。
車椅子はなんとBMW製です
BMWと言えば、高級車メーカーですが、マクファーデン選手の車椅子は、BMWのエンジニアが設計に携わっています。
マクファーデン選手が使用したスマートな競技用車椅子は、ほかのすべての競技用車椅子と同様に、高速時の安定を保つために
内側に傾斜した後輪と前方に長く伸びた前輪を備えた車体の低い三輪車となっています。
フレームにはカーボンファイバーが利用されており、アルミニウム製に比べて、剛性が非常に高くなっています。
シャーシーについても、空気力学上の特製を向上させるためのに、いくつかの細かい工夫が施されています。
さらに、座った位置から、ステアリングアーム、なんと手にはめる手袋にいたるまで、マクファーデン選手の体型や、座り方に
基づいて設計されているというから驚きです。
パラリンピック車いす陸上7冠を目指す
東京パラリンピックは1年延期となりましたが、タチアナ・マクファーデン選手はパラリンピックでの車椅子競技7冠を目指しています。
7冠ということは。。。出場する種目全部金メダルと取るということですね。いやあびっくりです。
好きな言葉は、「Ya sama(ヤ・サマ)」。ロシア語で「私はできる」とする言葉をいつも胸に秘め、自分に言い聞かせているといいます。
育ちはアメリカですが、好きな言葉はロシア語なんです。
「持っている力を最大限に生かせば、できないことなんてないと思うの。だからね、自分が強く希望すれば何にだってなれる」
タチアナ・マクファーデン選手に言われると、なんだか、そんな気がしてきました。