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鯖の灰干しはどんな干物?その歴史とオススメ店・レシピをご紹介

魚の干物に「鯖の灰干し(はいぼし)」と呼ばれるものがあります。干物といえば、魚を乾燥させた加工食品ですよね。

干物にすると、長期保存が可能になるだけでなく旨味も凝縮されます。同じ魚を使用しても、干物と生魚では味は全く変わるのです。

とはいっても「灰干し」なんて聞いたことがありませんでした。

灰で干物??疑問だらけなんですけど…

今回の記事では、灰干しとはどんな干物なのか、その歴史やおすすめのお店、美味しい食べ方についてご紹介します。

 

 

鯖の灰干しはどんな干物?作り方や灰干し発祥の歴史をご紹介

鯖の灰干しに使う灰とは、なんと「火山灰」なんです!!どうして火山灰が使われるようになったのでしょうか?

 

灰干しには火山灰が使われる!?その作り方とは

灰干しを作る際は、まず魚を開いて内臓を取り除き、塩水に漬けます。

そのため脂ののり具合も重要です。開いた鯖を水洗いする際に、脂が落ちてしまうため、はじめから脂がたっぷりのっている必要があります。

その後、表面の塩を水で洗い流してから、水分を通す特殊なセロファンで鯖を包みます。

そこに灰をかけるのですが、灰は高い吸湿性を持つため、鯖は空気と紫外線に触れずに、余分な水分は抜いて乾燥できるのです。

低温で約15時間程かけて、ゆっくり鯖の水分を抜いていくため、大変手間がかかります。

火山灰で遠赤外線のような効果があるんだって!!

一方よく知られている天日干しは、風や日光を利用して、空気中で魚を乾燥させる方法です。灰干しは天日干しよりも酸素に触れない分、脂の酸化が進みません。

またセロファンの浸透圧により、水と臭みはセロファンの方へ抜けて、灰に吸収されます。

その結果、鯖の劣化をおさえ、良質な脂は閉じ込めた新鮮な干物ができあがります。

これで美味しさの秘密である、アミノ酸は凝縮されるのです。灰干しが最高級の干物と評されるのはそのためです。

 

灰干し発祥の地は紀州雑賀崎!その歴史とは

和歌山県和歌山市雑賀崎(さいかざき)は灰干しの発祥の地であり、1960年代から始まりました。

四国・鳴門で発明された「灰干しわかめ」の灰干し製法を魚にも応用し、昔から食されてきた、さんまを灰干しさせてみました。

もともと白砂の海岸にて、砂で魚を乾燥させる製法があったため「灰干し」製法を受け入れやすい背景があったのです。

 

 

鯖の灰干しはどんな干物?オススメ店をご紹介

さてそろそろ、鯖の灰干しを実際に食べてみたいと思い始めた方もいるでしょう。

お待たせ致しました!!鯖の灰干しのオススメ店や通販できるお店をご紹介します。

 

千葉・勝浦「魚屋の食事処 おぎの」

千葉県勝浦の魚屋さんがやっておられる「魚屋の食事処 おぎの」。目利きのご主人が仕入れた魚を販売し、お店でも食べられます。

三笠宮殿下が絶賛され、工場見学までされるほどの灰干しで、絶品だと評判。

こちらは残念ながら通販は無いようです。

【お店の情報】

住所:千葉県勝浦市墨名268

営業時間:11~14時/17~20時半

定休日:水曜日

 

鹿児島・桜島灰干し「福永商店」

桜島の火山灰をたっぷり使った「福永商店」の高級干物です。

引用:楽天市場

先ほどご紹介した灰干しの作り方のようにセロファンで魚を包んだ後、その上下を桜島の火山灰で挟み、冷蔵庫で24時間以上熟成させているものです。

乾燥には桜島の火山灰のみを使用した無添加の干物です。

火山灰で挟んで低温熟成させるので、脂の酸化が少なく、遠赤外線の効果によって旨味が格別だそうです。

あの有名な桜島の火山灰というだけでも、なんだか美味しそうですね。

茨城「ひもの屋 矢口商会」

もともとは市場に卸売する「ひもの屋 矢口商会」でしたが、口コミで一般のお客さんにも販売するようになったそうです。

 

北海道・登別「丸勝水産」

登別の火山灰を使った、灰干しの豪華4種のセットです。

引用:楽天市場

北海道で獲れた「きんき」「ほっけ」「鯖」「えび」を食べることができます。

特に「きんき」「ほっけ」「鯖」は、国外産と比べると魚の脂の味が上品で食べ飽きることはありません。

こちらの商品は全3回の定期便なので、3か月間も灰干しの美味しさを楽しむことができます。

 

どれも美味しそう…お取り寄せしよっと!

 

 

鯖の灰干しで美味しく食べるレシピ(焼き方・味噌煮)

せっかく最高級の干物・灰干しを購入したのですから、美味しい食べ方を知りたいですよね!!それではレシピを紹介します。

 

基本の焼き方

水分がしっかり抜いてあるので、強火・短時間でも十分に美味しいですよ。

【焼き方】
1.グリルが両面水なしタイプであることを確認。
2.サバの灰干しを、適度なサイズに包丁で切る。長い魚をグリルに斜めに置くと頭と尻尾が焦げやすくなるので注意。
3.グリルの火力を強、焼き時間は6分に設定し、最初の1分はグリルの予熱
4.1分経過したら、グリルにサバの灰干しを乗せる。皮を上面にし、肉厚の部分が出来るだけグリルの中央側になるように置く。
5.焼き時間残り30秒になったら、グリルを開け様子を見て、必要なら焼き時間を1分ほど追加する。
6.焼き上がったら、サバの灰干しの横側から箸を差し込み、グリルから剥がす。
7.皿に盛り付けて完成♪

引用:cookpad

 

鯖の味噌煮

定番の味噌煮ですが、生の鯖より干物の方が煮崩れしにくいのです。

【材料 4人前】
サバ 1尾分
生姜 ひとかけ
めんつゆ★ 大さじ1
酒★ 大さじ2
味噌★ 大さじ2
水★ 100cc

【作り方】
1.鍋に★の水、めんつゆ、酒、味噌を入れて混ぜながら火にかけ、温まったら、薄切りした生姜と半身を更に半分に切ったサバの文化干しを入れて煮ます。
2.裏返して更に煮ます。
3.お皿に盛り付けて出来上がり。

引用:楽天レシピ

もう内臓とか取ってあるので、生の鯖よりも調理が楽なのが嬉しい!!

 

鯖の灰干し以外の干物の種類と干物にするメリット

灰干しについて分かったところで、他の干物についても解説しておきますね。

 

干物の種類について

干物は奈良時代からあるもので、江戸時代頃には一般庶民にも広まりました。

一口に干物といっても、灰干し以外に次の9種類があるのです。

【素干し】魚介類(スルメ・にしん)を生あるいは少し調理をした状態で水洗いし、乾燥させたもの

【塩干し】魚介類(メザシ・カラスミ)を生あるいは少し調理をした状態で塩漬けし、乾燥させたもの

【煮干し】魚介類(ちりめんじゃこ)を煮た上で、乾燥させたもの

【焼干し】魚介類を焼いた上で、乾燥させたもの

【調味干し】魚介類(みりん干し)を調味液に漬けた上で、乾燥させたもの

【凍干し】魚介類(棒たら)を凍らせた後に溶かし、その水分を取って乾燥させたもの

【文化干し】透水性のあるセロファンなどに挟み、吸湿剤で乾燥させたもの

【燻製】魚介類(鮭とば)を塩漬けまたは調味液につけた上で乾燥させたもの

【節類】魚介類(かつお)を煮て、乾燥するを繰り返すこと

 

また干し方だけでなく、下処理の状態でも名称が分かれています。

【丸干し】内臓付きの魚(小魚)を、丸のまま干物にしたもの

【開き干し】内臓を取った魚を、開いた状態で干物にしたもの

【切干し】内臓を取った魚を、切り身にした状態で干物にしたもの

つまり鯖の場合は、開き干しということになりますね。

 

干物にするメリットとは

長期保存が可能になるだけでなく、干物にすることで以下のメリットがあります。

干物にするメリット

①調理時の塩分が少なくて済む

②調理が簡単

③生魚より干物の方が、焼き上がりがジューシーである

まず①として、干物は一度塩水に浸すので、何も加工されてない生魚と比べれば塩分量が多くなります。

しかし干物は生魚に比べて、うま味が凝縮されているので、調理の時に塩分が少なくても美味しいです。

②としては、既に下処理してあるため調理が楽なのも嬉しいですね。

生魚を調理する場合は、頭や内臓などを取り除く必要がありますが、料理の経験がないと難しいので、既に処理してあると助かりますよね。

③については、その結果を意外に思う方が多いでしょうね。

干物にしたのにジューシーってどうゆうこと?

干物にする際には塩水に浸しますが、魚の筋繊維が膨らみ、筋繊維同士の隙間が狭くなります。その結果、干物を焼き魚にした方が、水分量が多くなるためです。

長期保存をするための干物ではありますが、なるべく早めに食べた方が良いですよ。日にちが経つと脂が酸化して変色し、味も落ちてしまいます。

 

 

鯖の灰干しはどんな干物?その歴史とオススメ店・レシピをご紹介のまとめ

  • 灰干しとは干物の一種で、火山灰を使った干し方である
  • 水分を通す特殊なセロファンを使い、その上に灰をかけて水分をゆっくりと抜いていくため手間と時間がかかる
  • 水と臭みは灰へ抜けていくため、鯖の劣化をおさえ、良質な脂は閉じ込めた新鮮な干物となる
  • 灰干しは干物の中でも最高級品である
  • 灰干しの発祥地は和歌山県や紀州雑賀崎である
  • 干物は生魚より調理が楽であり、ジューシーで美味しい

今回の記事では、干物の一種である灰干しについて解説しました。

最近は熟成肉がはやっていますが、灰干しは魚の熟成だとおっしゃる方もいます。旨味が詰まった灰干しをぜひ一度、召し上がってみてくださいね。

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