「エミュー」という鳥がいるのをご存知でしょうか?エミューは世界最大の鳥類であるダチョウと似ています。
動物園でよく見かけるエミューですが、素朴な顔立ちがとても愛らしいですよね。
ダチョウは脳みそが40gと、とても小さいため頭が悪いという話をよく聞きますが、エミューの知能はどうなのでしょうか?
実はエミューとは、鳥なのに飛べない、温厚な性格でありながら最大時速50㎞…と、少し残念なところと、意外性を持ち合わせた鳥です。
この記事では、そんなエミューの知能や生態、繁殖と子育て、飼育についても解説していきます。
Contents
気になる!エミューの知能とエミュー戦争
エミューは、基本的に温厚で人懐っこく、人に対する警戒心はあまりありません。
しかし怖がりで物音に敏感であり、金属音や雷、子どもの声などに驚き、パニックになることがあります。
周りの音に敏感であることも、エミューが自分で身を守るために必要ですので、生きるための知能であると言えますね。
エミューは翼が退化していて飛ぶことができません。
しかし、のんびりしているように見えて、実は周囲の様子に敏感なエミューの知能について知ることができるのが、「エミュー戦争」です。
エミュー戦争とは
1932年、農業が盛んになった第一次世界大戦後のオーストラリアで、エミューは農作物を荒らす害鳥として扱われていました。
そこで、政府が軍を使って駆除作戦を行いました。
この作戦には、軍で使われる武器を試したり、軍隊の訓練の意味もあり、のちに「エミュー戦争」と呼ばれるようになりました。
政府による駆除作戦は、エミューの物音に敏感に反応する危機回避能力と、走ると時速50㎞にもなる機動力により、ほとんど駆除することができませんでした。
政府の駆除作戦は、膨大な軍事費を無駄にしてしまう結果に終わったのです。
気になる!エミューの生態や驚きの子育てについて
エミューは、英語名で「emu」、学名では「Dromaius novaehollandiae」と表記します。 ダチョウ目ヒクイドリ科エミュー属の鳥で、ダチョウに次いで世界で2番目に大きな鳥です。
エミューの生態
体長は1.5m~2m、体重は40㎏~60㎏、寿命は20年~30年で、オーストラリア全域に生息しています。
寒暖差や気候の変化に強く、草原や砂地などで生活している、長く生き延びてきた鳥です。
エミューは、植物の葉っぱや芽、花、果実などを食べます。雑食なので、昆虫を食べる事もあります。
砂嚢(さのう)という消化器官があり、小石を食べ、すりつぶしてから消化しています。
鳥の中では大きいですが、実は翼が退化しているので、飛行はできません。
鳥なのに飛べない…少し残念ですが、実は他の大型の鳥と少し生態が違います。
こんなに大きな体をしていますが、泳ぐことができるんです!
この大きな体で泳いでいるところを想像すると、思わず見入ってしまいそうですね。
成人の人間に近い体重で泳ぐことができることは、驚くべき生態ですよね。
また、エミューは長い2本の足で歩行しますが、前にしか進むことができません。
前にしか進めないことは、他の鳥にはあまりない不思議な生態ですね。
オーストラリアの国鳥でもあり、建国されて間もない若い国が「前に前に進んで行けるように」という願いが込められたシンボルになっています。
走ると最大時速50㎞にもなることがあります。1度逃げると捕まえるのが大変そうですね...。
エミューの特徴
ところで、動物は人間ほど見た目に個性が現れない気がしますが、見分けることはできるのでしょうか?動物の顔って、みんな同じに見えますよね?
実は、エミューは一般の人でも見分けがつくくらい、顔にそれぞれの特徴が現れます。
赤黒い目と灰褐色の毛色が特徴的ですが、目の色の違いや、毛色で分かるようです。
また鳴き声を聞くと、顔立ちだけでなく、性別も分かるかも知れませんね。
オスとメスで鳴き声が異なり、オスは低く唸り、メスはドラムのように短く鳴くのが特徴です。
オスとメスで役割が違うエミューの子育て
エミューは他の動物より繁殖と子育ての役割が特徴的な生態で、繁殖期は11月~4月です。
オスよりメスのほうが交尾の回数が多く、メスは1シーズンで数回の交尾を行い、産卵しています。
メスは3〜4日に1回産卵し、産卵のあとは、次の相手を探しに行きます。
エミューの雛が孵るころにはお母さんがいないなんて、少し寂しい気もしますね。
でも、ここからがお父さんの頑張りどころです。オスは飲食を一切せず、繁殖期までに蓄えた脂肪で卵を温めます。
孵化したあとに、エサの取り方や生きていくために必要なことを教えるのも、オスの役目です。
不思議な生態ですが、自分たちの種を絶やさないために、エミューにとって必要な生態であるといえます。
エミューはどんな性格?ペットとして一緒に暮らせる?
人間への警戒心はあまりなく、物音に敏感なエミューですが、実際にペットとして飼うことはできるのでしょうか?
エミューは特定外来種ではないので、飼うための申請や許可は必要ありません。
日本ではペットとして飼育することができるのです。
エミューをペットとして飼うときの飼育環境ですが、まずなんといっても世界で2番目に大きい鳥ですから、広い土地が必要です。
そして体が大きいので、脱走したら大変です。脱走しないように柵はしっかりと作りましょう。
エサは1日6㎏くらい必要です。雑食なので、植物や昆虫のほかに、くだもの、庭に生えている草も食べてくれます。
しかし6㎏となると、エサ代やエサの管理代で大変そうですね。
エミューは人懐っこい性格をしています。残念ながらか、飼い主をしっかり認識することは難しいですが、仲間だと思った相手にはなつくようです。
なつくということは、顔を全く覚えれないダチョウよりも、やはりエミューの方が知能が高いように思います。参考までにこちらの記事もどうぞ!
エミューの知能ってどれくらい?エミューの生態と特徴を解説!のまとめ
- 温厚な性格で人への警戒心はあまりないが、自分の身を守るため物音に敏感
- 飛べないけれど泳ぐことができる
- 走ると時速50㎞になることもある
- オスは卵を温め、孵化した雛に生きる術を教えていく
- ペットとして飼うには広い土地とたくさんのエサが必要
- 仲間だとわかってもらうことでなついてくれる
いかがでしたか?
素朴な見た目とは裏腹に、面白い生態がたくさん見られる動物ですね。私はなんだかエミューを見に動物園に行きたくなってきました!
なかなか知られることの少ないエミューの生態ですが、知れば知るほど愛らしく思えてきますね。